あらすじ
辿り着いた小惑星は岩石だらけの「怪物」だった!
密着取材6年で描く、「世界初」連発の舞台裏。手に汗握るノンフィクションの傑作
私たち生命はどこから来たのか?
そして太陽系はどのように誕生したのか?
宇宙科学の2大テーマの解明をミッションに掲げた日本の探査機「はやぶさ2」がついに小惑星のかけらを持ち帰った。直径約10mの人工クレーター作成、着陸精度60センチメートルの驚異のタッチダウンなど、立て続けに7つの「世界初」を達成したが、その舞台裏は苦難の連続だった。様々な「想定外」が起きて、一時は着陸が危ぶまれるほどだった。しかし、40代前半の若きリーダー・津田雄一プロジェクトマネージャの陣頭指揮のもと、「チームはやぶさ2」は次々に解決策を見出し、数々の逆境を乗り越えた。その快挙の裏には、周到に用意された驚くべき成功の方程式が存在した。6年におよぶ密着取材で、手に汗握る着陸ミッションの舞台裏を描き出す。
特別篇では、ジャーナリストの池上彰氏と原晋 青山学院大学陸上競技部監督が、はやぶさ2を成功に導いた、3つの「勝利の方程式」を分析する。
構成
第1章 「世界初」の旅立ち
第2章 リュウグウとの闘い
第3章 はやぶさ初号機のリベンジ
第4章 人工クレーターを作れ!
第5章 はやぶさ2からの贈り物
第6章 初号機から2号機へ渡された
第7章 はやぶさ2の勝利を呼び
特別篇
執筆者紹介
NHK小惑星リュウグウ着陸取材班
山崎淑行
NHK報道局 科学・文化部 ニュースデスク
原子力、エネルギー、一般科学、宇宙などを担当。本書では全体の企画・監修を担当。
春野一彦
NHK宇都宮局デスク(報道局 科学・文化部記者)
はやぶさ初号機の地球帰還をオーストラリアで取材。2号機は開発から打ち上げ、着陸の取材を担当。
古市 悠
NHK報道局 科学・文化部記者
はやぶさ2のリュウグウ到着から帰還途中までの2年あまりを取材。現在は医療や農林水産省の取材を担当。
鈴木 有
NHK報道局 科学・文化部記者
人工衛星やロケットの打ち上げ、民間の宇宙開発のほか、基礎科学や文化、ITなど幅広く取材。
絹田 峻
NHK報道局 科学・文化部記者
国立天文台や日本学術会議のほか、現在、文部科学省とJAXAを担当し、宇宙開発や科学技術全般の取材にあたる。
笹川陽一朗
NHK報道局 社会番組部 ディレクター
はやぶさ2の小惑星探査を取材するほか、東日本大震災関連などで「NHKスペシャル」や「クローズアップ現代+」を制作。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
はやぶさ2のミッションをすべて知ることができる。
日本の誇る宇宙開発の象徴
小惑星からのサンプルリターンというミッションの詳細を知ることができる。
Posted by ブクログ
はやぶさ2がどんな人の手でどんな苦労や努力があってミッションを成功させたのかが知れてよかった。
プロジェクトに参加する人全てがプロフェッショナルで、1人1人がプロとしての責任を持っているからこそ、1つにまとまり成功できたのだと思う。
プロジェクトマネージャー、憧れる。
宇宙の最先端に立ちたい。
Posted by ブクログ
はやぶさ2は、極めて順調だったという印象でしたが、いろいろあったんですね。しかし、それに備えての可能な限りの「準備」が、それを可能にした。「準備」の大切さを改めて感じました。 それにしても、「地球からコマンドを送ってそれに反応する」どうやって宇宙空間をコマンドが飛んでいくのか、こんな広い宇宙なのに。これが凄いけど理屈が分からない。勉強必要ですね。
Posted by ブクログ
ハヤブサ2 2020年12月6日帰還
3億km 直径900m リュウグウ 炭素系C型小惑星
10月からの4か月遅れ
岩だらけの地表 ピンポイントタッチダウンを実行
事前にマーカー落下し地形図作成
直径60cmの平地発見
LRF乱反射精度低下のため非検知に、
ジャイロ回転速度から傾き計算
高度20kmホームポジションから
低い位置と誤認識のためプログラム修正
降下開始5時間遅れを降下を倍以上の速度で補う
(シミュレーターでトラブルを訓練済)
高度8mから100秒でタッチダウン
インパクタ
2回目のタッチダウン前に穴を掘って新鮮な岩石を採取
探査機から切り離し40分後、
5kgの爆薬で銅板が弾丸状になって発射
発射を発射装置付近の温度上昇で検知
分離カメラが撮影 直径10m深さ3m
2回目のリスクは1回目同等以下であることを証明
マーカー位置精度と周辺の岩の高さを測定
隕石がどこから来たかはわからない
耐熱温度100℃
SLIM 月面着陸 2022年
MMX 火星の衛星ファボスサンプルリターン 2024年
重力により誤差大
スペースガード
3.3年に一度直径10m以上の小惑星落下
NEO 地球接近天体 リュウグウやイトカワも
ランプ
ミヤタエレバム キセノン管
インパクタ
日本工機
CAEで最適な火薬充填
成功の方程式
①批判勢力取り込み
反対派の惑星科学者意見の取り込み ビジョンの統一
②組織内外の壁排除
JAXA=相模原+筑波+調布
③徹底した準備
出題者と訓練者 結果を見える化
やらりたいこととやれることの見極め