あらすじ
社会からも学校からも切り離された少女の、心震える青春小説!
「あの人」から逃げるために母親と二人、転々としてきた無戸籍児の玲菜。
突然姿を消した母親を追って玲菜が辿り着いた真実とは――。
解説・伊藤沙莉
※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
戸籍のない玲菜が母親と二人で「あの人」から逃げながら生きているところから始まる話。
14才で「考えても仕方ないことは、考えても仕方ない」と自分に思い込ませている玲菜が不憫だった。
周東との会話がコミカルで玲菜の生い立ちほどの深刻さを感じないが、それが余計に玲菜の諦めを浮き上がらせているように感じた。それと玲菜が、出会う人みんなに感謝している所も、その対比を手伝っていると思う。
秋吉と周東と三人でご飯を食べている時に「嬉しいときは、泣いてもいいのだ」と涙が止まらなくなった玲菜。14才が今まで我慢してきた物が一気に崩壊した瞬間は、本当に堪らなかった。