【感想・ネタバレ】悪人 新装版のレビュー

あらすじ

小説、映画ともに大ヒットした不朽の名作。

福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、出会い系サイトで知り合った土木作業員に殺害された。
二人が本当に会いたかった相手は誰なのか?

佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、携帯サイトにアクセスする。
そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。
彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。
光代を駆り立てるものは何か?

その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。
悪人とはいったい誰なのか?
事件の果てに明かされる、殺意の奥にあるものは?

毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の代表作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どんな理由であれ、人を殺してしまうと、罪悪感から逃れられないことがよく分かった。一気に読んでしまう面白さだった。

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2022年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国宝から悪人へ、私にとっては吉田修一さんの2作品目。
物事のシロクロなんてそう簡単につけられるもんじゃない。同じ一人の人間であっても時間の経過やその過程で受け取る情報によって変わることもある。そんなことを改めて感じさせてくれる作品だった。日々メディアで目にするアレコレも、きっとその一部の切り取りでしかないのだろう。
祐一の「どっちも被害者にはなれん」がただただ切なかった。そこで加害者側を選んでしまう祐一のそれは優しさとは違うようにも思えて、何とも言えない気持ちになった。
悪人と国宝、全然違う世界のお話なのに、どちらもページをめくる手が止まらなかった。
次は怒りへ。そして悪人の映画版も観てみよう。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画のイメージが強くて(観てないけど)、ずっと逃走劇が繰り広げられていると思っていたけど、前半はむしろ淡々と進んでいた印象。登場人物の心情に深入りすることなく、一歩距離をとって紹介が続く。
こんな感じか、と拍子抜けしていたら、いつの間にか祐一にのめり込んでいて…。光代には惹かれなかったけど、(むしろ、トラウマとはいえ自首させてやれよと思ってイライラした)二人の姿は哀れながらも笑うことはできなかった。

ラストの首を絞めるシーン、気になって調べたら映画ではアドリブでキスシーンもあったとか。なんだその演出、そこだけでも観たいもんな。そして、ラストの「あの人は悪人やったんですよね?ねえ?そうなんですよね?」が、切なすぎて…。脳内で動く映画キャストたちがそれぞれハマり役でした。

祐一は母に対するのと同じで、全て自分が引き受けるつもりで、待っててほしくなんかないんだろうけど、読者としてはいつかまた出会ってほしいと思ってしまうな。

「悪人」とは誰だろうな。真面目に生きる人が報われる世の中じゃなくちゃだめだよな。

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2023年08月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

出会うタイミングや環境の変化次第で、誰もが悪人になってしまうんだなぁと思った。
罪は犯してしまったけど、本当は母親にも周りにも優しすぎる人。

『どっちも被害者にはなれない』
すごく深い言葉。

面白かった。

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2021年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

切ないなぁ。

人物設定が細かく、その後の人物の行動の理由が分かる。

祐一の性格なら、自分が悪人となることで一生光代を想いながらかばっていくのだろう。
光代は日常生活に戻っているので、逃亡の日々に実感がなくなっていく。そして過去を抱えつつ、前を向くために祐一が悪人だったと思おうとするのだろう。心のどこかではそうじゃない、と思いながら。

切ないなぁ。

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2022年07月06日

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