あらすじ
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──新版でおくる、永遠の名作。解説/高橋良平
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Posted by ブクログ
一気読み。さすが名作、冒頭以降は古典を感じさせなかった。冷凍睡眠直前の「あれ?」の欠片たちが終盤で一気に回収されていくのが爽快。ミステリ畑とは別の読み心地の伏線回収。
ヘイルメアリーのグレースといい、SFの主人公は人間らしくて共感が持てるのに強烈に頭が良い。ここは頭脳と共に人間性もちょっと人と外れている探偵等とは違うと感じた。
ラスト女児を嫁にするのはちょっと倫理観どうかな、とは思ったが、まぁ婚約者と友人に裏切られて猫も失ってた(取り戻したが)状況で、心の拠り所はもうリッキーしかいない状況で半年頑張っていたからな…ちょっと仕方ないかな、という気持ちも。
あとピートがずっと格好いいにゃんこ。
「未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ」
Posted by ブクログ
非常に読みやすい訳書でした。50年代の海外作品を何の違和感もなく読めることにまずは感謝。
時間SFとしては割とシンプルな筋書きかと思いますが、全体的なストーリー展開の面白さと、未来の世界や人物の描写の巧みさですぐに読み終えてしまいました。特に、主人公が70年代に戻ってからのワクワク感、これから全てが良い方向に進んでいくんだという期待感は、格別な読書体験でした。
私自身はあまりハッピーエンドを好まないのですが、そんなことを忘れさせるような説得力のある文章で、読後感も最高でした。
Posted by ブクログ
わかぴーに借りた本
主人公の考え方とか行動力高いところとか好き
ちょっと難しいところは適当に読んだからもう1回読んでも面白そう
【好きな文】
この期におよんですら、ぼくはまだベルを信用していたのだ。
酒が危急に際して頼りにならない友であることを覚った日から、ぼくは、アルコールといえばチャックとともに酌み交わすビールだけに制限していたのだった。
「ダニー、ぼくはいつも患者のことを気にかけているよ。患者はみんなぼくの家族なんだ」
が―――なんどひとにだまされようとも、なんど痛い目をみようとも、結局は人間を信用しなければなにもできないではないか。
Posted by ブクログ
表紙も爽やかだし穏やかな猫との暮らしの話なのかと思いながら読み始めたらガラリと変わりましたね。ハラハラさせられました。
主人公が男なのに、凄い女の人と猫のことを理解している。
こんな人が夫なら幸せでしょう。
ピートの夏への扉がいつか見つかることを祈って...
過去と未来を行き来して、過去や未来を変える話はたくさんあるけど、この話はプロセスに他とは違うリアリティがあり面白かった。登場人物たちが全員現実にいそうなキャラクターで、特にベルとタイムマシンを発明した博士はこういう奴って居るよなという感じだった。飼い猫のピートは最後まで可愛いなって思えたし、リッキーもなんだかんだ可愛かったけれど、主人公は可愛くなかった。ベルにメロメロになっておきながら、すぐさまリッキーに鞍替えするっていうのは都合が良すぎる。総合的に見れば月は無慈悲な夜の女王の方が面白かった。
Posted by ブクログ
この本を読み終わってとても凄い本だと感じた
理由として大きく2つある
1つ目はコールドスリープ及びタイムマシーンを用いて時間を行ったり来たりするアイデア
2つ目は、これは良訳が原因かもしれないがこの本が1957年に発売された本という点だ
1つ目のアイデアについては、時間遡行ものであるため読み進めて行くうちに「あの時こうだったのはこれのせいか!」と伏線が綺麗に回収されていき全体的に綺麗にまとまっていた
2つ目の発売時期に関しては、話がSFの王道と言っても過言ではないかのような内容でとても読みやすく、1957年発売であることが、発明家の主人公が作る発明が想像の斜め上をいくものである、その部分にこの本は本当に50年以上前に書かれたものだと気づかされるのである
このシンプルで画期的な発想が50年以上前に書かれたことがここまで有名で多くの人に読まれた理由であると私は思った。
ここまで固く感想書いたけど、相棒の猫のピートが結局可愛い❤️
Posted by ブクログ
とても素敵なお話でした!
私はこの本を読む前に紹介動画でちょっとした内容を聞いていて、タイムトラベルとかコールドスリープとかの色々なSF要素があって面白いよって言葉と、題名にある扉って言葉から、扉を開けていってトラベルしまくる話なのかと思ってましたが、違いましたw
更に少し言うと、最初にはコールドスリープする展開なんだ!って見てたらやっぱしないと言い出したりして、あれ?SFの言葉は出るけど、どれも言葉だけで大してSF的な展開にはならないのか?
って思いましたが、ちゃんとしっかりとSFでしたw
作者さんが愛猫家でこの本にもピートって猫ちゃんが出てきましたが、彼の鳴き声の意味する所がわかってしまうのは、猫を飼った事がある人は頷ける部分もあったのではないでしょうか。
話の内容と出てくる言葉は難しいものが殆どなくてとても読みやすくて、SF初心者にもとてもオススメしたい本でした!(私も初心者)
いつもの余談ですが、今回の本の中に「子供が瓶で産まれる未来云々」とかいう文言があって、あ、すばらしい新世界の事言ってるのかな?って思って、前に仲良くなった友達(本)が顔を見せに来たみたいで嬉しくなりました!
あと無彩限のファントム・ワールドっていうアニメをつい先週見たばかりで、アルブレヒトっていう登場人物がこっちでも出てきてこの偶然も嬉しかったです(笑)
Posted by ブクログ
面白かった。タイトルがまずロマンチックで良いし、SFの有名な作品なのでずっと読んでみたかった。
この作品で良かったのは、猫が出てくること、主人公が馬車馬のようにめちゃくちゃに働き、精力的に行動すること、そして作者自身が明日や未来へ明るい眼差しを持っていることだなと思う。
以下引用(p.391)がこの長編をノリノリで描き終えた著者のウイニングランという感じで良かった。
そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ。人間精神が、その環境に順応して徐々に環境に働きかけ、両手で、かんで、科学と技術で、新しい、よりよい世界を築いてゆくのだ。
コールドスリープから覚めた2001年の生活に、主人公の痕跡がいろんなところにある描写はこの先の展開が想像できてしまった。が、そこも含めていろんなことが丸く収まっていくので気持ちよかった。
解説に出てきた『月は無慈悲な夜の女王』も聞いたことあるしすごく良いタイトルなので読んでみたいな。