あらすじ
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──新版でおくる、永遠の名作。解説/高橋良平
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Posted by ブクログ
夏に読めてよかった〜
思ったよりエンタメ作品で読みやすかった。
主人公の性格が良くも悪くも内向的でちょっとムズムズしながら、だからこそ共感もできた。
コールドスリープものかと思いきやタイムスリップもしてガッツリSFしながら、いちばん楽しかったのは、1956年から見た1980年代、2000年代が垣間見れたこと。実際とは全然違うけどむしろ新鮮で面白かった。早く家政婦ロボットとかでてきてくれないかなあ
Posted by ブクログ
⭐️4.5
とてもおもしろかった
後半の伏線回収には思わず度肝を抜かれた。
勝手に装丁から少年と猫がひょんなことから時間旅行する物語だと思っていたが、なかなか骨太なsfだった。
主人公の言動に共感する部分は少なかったが、諧謔的なそのキャラクターはとても魅力的で、同著者の「月は無慈悲な夜の女王」のマニーを彷彿とさせた。
ラストの主人公ちょっと気持ち悪いと思いました。
過去と未来を行き来して、過去や未来を変える話はたくさんあるけど、この話はプロセスに他とは違うリアリティがあり面白かった。登場人物たちが全員現実にいそうなキャラクターで、特にベルとタイムマシンを発明した博士はこういう奴って居るよなという感じだった。飼い猫のピートは最後まで可愛いなって思えたし、リッキーもなんだかんだ可愛かったけれど、主人公は可愛くなかった。ベルにメロメロになっておきながら、すぐさまリッキーに鞍替えするっていうのは都合が良すぎる。総合的に見れば月は無慈悲な夜の女王の方が面白かった。
Posted by ブクログ
ピートという可愛い猫が登場する、タイムリープ系のSF小説。中盤以降、ピートが物語から離れてしまってからは、「ピートはどうなったんだろう」と気になって仕方がなかったが、最後には綺麗に伏線が回収されていて胸がすっとした。時間軸がぐるりぐるりと回りながら、一筆書きのように繋がっていく展開が読んでいて心地よかった。
SF小説を読むのは初めてだったが、「SF×動物(猫)」という組み合わせはあまり見ない気がした。ふとドラえもんを思い出したが、猫的な存在がいると、どこか人間味が増して、科学の世界にも温かみが生まれるように感じた。
また、作中で未来の機械として登場するものの中には、現代で実際に実現しているものもあり、SF作家の想像力の高さに改めて驚かされた。
Posted by ブクログ
これでもか!ってくらい踏んだり蹴ったりなダンの状況。
これが後から、オセロがひっくり返るみたいに
パタンパタンと逆転していく気持ちよさ。
いきなりのSF的要素てんこ盛り。
ピートの存在も大きいですね。「あっピート!」と嬉しくなりました。
Posted by ブクログ
タイムトラベルやコールドスリープをテーマとしたSF小説の金字塔と言われる作品。
SFの古典的名作と言われるだけあって、なかなか面白くはあったのだが、初出が1956年ということで致し方ない部分はあるものの、2000年の未来予測的な描写が全然当たっていないこともあり(ロボットなどが実際以上にきわめて高度に発展しているのに、インターネットや携帯電話はまったく想定されていないなど)、個人的には期待したほどではなかったかなという印象。