【感想・ネタバレ】夏への扉〔新版〕のレビュー

あらすじ

ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──新版でおくる、永遠の名作。解説/高橋良平

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きなSF
昔の表紙も好きだけど写実的過ぎてちょっと怖かったような思いでもある。優しい色味の絵柄になって手に取りやすくなった。
細かい筋は忘れてしまったけど主人公が賢くて、未来の世界でも上手に立ち回る。頭脳派で機転も利いてかっこよかった思い出。非力だからか嵌められてピンチになるけどピートのおかげでなんとか逆転する。うまいこと元恋人と元友人をやりこめて姪っ子と結婚する。姪っ子がコールドスリープから目覚めてくる場面は救われる。今になって振り返るとロミオとジュリエットも元ネタなのかな?アメリカ小説だからそこまでおしゃれではないか?
王道すぎるし、過去に飛ばされてしまった学生がレオナルドダヴィンチになっていたというのもやりすぎなきはするけど、SF古典だしそのくらい王道で良い気もする。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夏に読めてよかった〜

思ったよりエンタメ作品で読みやすかった。
主人公の性格が良くも悪くも内向的でちょっとムズムズしながら、だからこそ共感もできた。

コールドスリープものかと思いきやタイムスリップもしてガッツリSFしながら、いちばん楽しかったのは、1956年から見た1980年代、2000年代が垣間見れたこと。実際とは全然違うけどむしろ新鮮で面白かった。早く家政婦ロボットとかでてきてくれないかなあ

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2025年08月31日

K

ネタバレ 購入済み

過去と未来を行き来して、過去や未来を変える話はたくさんあるけど、この話はプロセスに他とは違うリアリティがあり面白かった。登場人物たちが全員現実にいそうなキャラクターで、特にベルとタイムマシンを発明した博士はこういう奴って居るよなという感じだった。飼い猫のピートは最後まで可愛いなって思えたし、リッキーもなんだかんだ可愛かったけれど、主人公は可愛くなかった。ベルにメロメロになっておきながら、すぐさまリッキーに鞍替えするっていうのは都合が良すぎる。総合的に見れば月は無慈悲な夜の女王の方が面白かった。

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2023年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

兄が最近読んで「結局、創作には想像力が大事」だとの結論を得たというので、読んだ。学生時代に読んだことがあるような気がするが、読み直してみてほぼ記憶になかったから、『夏の庭』か何かと間違えていたのだろう。
愛猫家で技術者のダンは、家事ロボット〈万能フランク〉を開発するが、婚約者のベルと、親友のマイルズの二人に騙されて、自分の発明と会社での職を奪われ、30年間の〈冷凍睡眠〉をさせられることになってしまう。〈冷凍睡眠〉から目覚め、1970年から2000年へ、半ばタイムスリップのような経験したダンは、未来のロサンゼルスを目の当たりにすることになる。そこは、自分が開発していた〈万能フランク〉に限りなく似たロボットの普及した社会であった。
一体、誰がこのロボットを開発したのか? 調べてみると、特許を取った技術者は、自分と同姓同名の「D・B・デイヴィス」だった。実は、タイムマシンで過去に戻ったダン自身が、未来で見た光景を元に、自分で開発したものだったのである。

SFの古典みたいな認識で読み始めたが、物語としての面白さは、「冷凍睡眠」「タイムマシン」「ロボット」といったSF的なアイデアであるというよりは、どちらかというと主人公ダンの逆転劇にある。他人の発明と仕事を奪ったマイルズが数年後には死んでおり、ベルが見るも無惨に年老いていたという未来が分かる一方で、ダンは理想のロボットを開発し、最愛の姪と猫と幸せな家庭を築く。この結末の痛快さが、シンプルに楽しい。
SFであること自体がテーマなのではなく、SF的なアイテムをもはや自明のものとして、別のことを描いているところが、逆に、この物語が古くならない理由なのではないかと思ったりする。

ピートのためには、天気の悪いときに使うようにと思って”猫式トイレ”を作ってやった。全自動式で、自動的に砂が入り、清潔で無臭である。ただし、ピートは、どの猫でもそうなように、どうしても戸外へ出たがって仕方がない。彼はいつまでたっても、ドアというドアを試せば、必ずそのひとつは夏に通じるという確信を、棄てようとはしないのだ。
そしてもちろん、ぼくはピートの肩を持つ。(p393)

主人公の飼い猫ピートは、冬になると、家にあるドアのどれかが、きっと暖かい夏に通じていると信じて、家にあるドアというドアを飼い主に開けさせる。物語は、このエピソードに始まって、このエピソードに終わる。

だが彼は、どんなにこれを繰り返そうと、夏への扉を探すのを、決して諦めようとはしなかった。
そして一九七〇年十二月三日、かくいうぼくも夏への扉を探していた。(p9)

冬にどのドアを開けようとも、夏へと通じているはずはないのだが、それでもダンは、「ピートの肩を持つ」のである。それは、自分自身もあるはずのない「夏」を探していたからであり、三度に渡るタイムトラベルを経て、扉の向こうに「夏」がある可能性を知ったからでもあった。
この物語にとって、タイムトラベルというのは、日々出入りをしている扉のようなものである。言い方を変えれば、気軽に開け閉めのできる扉ぐらいに、気軽に行われるものなのである。しかし、その扉の向こうには、厳しい冬が広がっているかもしれず、あるはずのない夏が広がっているかもしれない扉なのだ。
物語に出てくるトウィッチェル博士が発明したタイムマシンは、何年移動するかは正確に決められるけれども、未来に行くのか過去に行くのかが分からないというギャンブル的な要素があるタイムマシンだった。それは、まさしく外が冬なのか夏なのか分からない扉そのものである。タイムトラベルというのは、気軽に開けられる扉である一方で、その先に何が待っているか分からないギャンブルなのである。
にもかかわらず、語り手のダンは、未来に対してだけ、ある一つのことを信じている。

そして未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなりつつあるのだ。人間精神が、その環境に順応して徐々に環境に働きかけ、両手で、機械で、かんで、科学と技術で、新しい、よりよい世界を築いていくのだ。(p391〜392)

ここまで科学による世界の進歩を、2025年のぼくたちは、どれくらい信じることができるだろうか。スマホと生成AIが、日常にある自分たちからすると、こうした「科学と技術」による「よりよい世界」を純粋に信じられた時代こそ、すでに懐かしくあるように思う。あるいは、今でも同じことを信じられるのかもしれないけれども。
SF小説の古典的名作という触れ込みで知ったけれども、それ以前に話が面白い。であるがゆえに古典的名作なのかもしれないけれども、そんなことはどうであれ、面白い小説ですと紹介したい。

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2025年12月18日

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ネタバレ

ピートという可愛い猫が登場する、タイムリープ系のSF小説。中盤以降、ピートが物語から離れてしまってからは、「ピートはどうなったんだろう」と気になって仕方がなかったが、最後には綺麗に伏線が回収されていて胸がすっとした。時間軸がぐるりぐるりと回りながら、一筆書きのように繋がっていく展開が読んでいて心地よかった。
SF小説を読むのは初めてだったが、「SF×動物(猫)」という組み合わせはあまり見ない気がした。ふとドラえもんを思い出したが、猫的な存在がいると、どこか人間味が増して、科学の世界にも温かみが生まれるように感じた。
また、作中で未来の機械として登場するものの中には、現代で実際に実現しているものもあり、SF作家の想像力の高さに改めて驚かされた。

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2025年10月06日

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ネタバレ

これでもか!ってくらい踏んだり蹴ったりなダンの状況。
これが後から、オセロがひっくり返るみたいに
パタンパタンと逆転していく気持ちよさ。
いきなりのSF的要素てんこ盛り。
ピートの存在も大きいですね。「あっピート!」と嬉しくなりました。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイムトラベルやコールドスリープをテーマとしたSF小説の金字塔と言われる作品。
SFの古典的名作と言われるだけあって、なかなか面白くはあったのだが、初出が1956年ということで致し方ない部分はあるものの、2000年の未来予測的な描写が全然当たっていないこともあり(ロボットなどが実際以上にきわめて高度に発展しているのに、インターネットや携帯電話はまったく想定されていないなど)、個人的には期待したほどではなかったかなという印象。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冷凍睡眠、タイムマシンが出てくるSF小説。発明家のダニエル・ブーン・デイヴィス(通称ダニー)が友人の裏切りで自ら興した会社を追われ、復讐を試みるも返り討ちに遭って意識を失い、30年間の冷凍睡眠に入れられる。目覚めた未来(2000年)でタイムマシンを使って30年前に戻り、過去を変えていく。よくわからなかったことが徐々に明らかになり、色々丸く収まったなと思いつつも後半は読むペースが早かった。1956年に描かれた作品だが古さを感じずに違和感なく読めた。SFはほぼ読んでこなかったけど、これを機に読んでみようかな。

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2025年09月05日

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