あらすじ
【「サッカー本大賞2017」大賞受賞! 】
Jリーグを目指すクラブと目指さないクラブ、
百年構想の真実を描く渾身のルポルタージュ、ここに誕生!
Jを夢見るアマチュアクラブから、地域に密着した企業チームまで全国津々浦々のクラブを取材し、
「J3以前・以降」で変わりゆく日本サッカーの原風景をめぐる旅で、見えてきたものとは?
写真家である著者による美麗なカラー写真も満載!
【目次】
第1章 Jリーグを目指さなかった理由
Honda FC―2008年・春
第2章 幻の「石川FC構想」
ツエーゲン金沢&フェルヴォローザ石川・白山FC―2008年・春
第3章 SAGAWAに「野心」はあるのか?
SAGAWA SHIGA FC―2008年・春
第4章 いつか「普通のクラブ」になるまで
福島ユナイテッドFC―2011年・春/12年・冬
第5章 「半袖隊長」の矜持
AC長野パルセイロ―2011年・秋
第6章 なぜ今「J3」なのか?
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ―2013年・春
第7章 「今そこにあるサッカーを愛せ! 」
ホンダロックSC―2013年・春
第8章奈良劇場総支配人、大いに語る
奈良クラブ―2013年・夏
第9章 アマチュアにとっての「約束の地」
三菱重工長崎―2014年・秋
第10章 ゴン中山「現役復帰」の舞台裏
アスルクラロ沼津―2015年・秋
第11章 「ミスターレノファ」と呼ばれた男
レノファ山口FC―2015年・秋
第12章 街クラブが「世界を目指す」理由
ブリオベッカ浦安―2016年・春
第13章誰が「坂本龍馬」だったのか?
高知ユナイテッドSC―2016年・春
第14章 激突! 南部対津軽
ヴァンラーレ八戸&ラインメール青森―2016年・夏
第15章 近所にフットボールクラブがある幸せ
東京23FC&東京武蔵野シティFC―2016年・秋
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日本全国のサッカークラブの試合を観戦したり、クラブを取材したりした記録。取材した時点でJリーグに所属していたクラブは記録対象とはなっておらず、JFL以下のカテゴリーで戦っているクラブが対象となっている。
2つ感じたことがある。
1つは、サッカークラブが地域リーグからJリーグのクラブになることの難しさである。時間とお金と関係者の懸命で賢明な努力と、そして運がなければならない。この本に紹介されているクラブの多くは、もともとは都道府県リーグからスタートしている。県リーグ、地域リーグ、JFL。県リーグや地域リーグは2部制や3部制になっているケースが多いので、県リーグの一番下から始めたサッカークラブは、所属リーグでの昇格を相当数繰り返さないと、Jリーグまで到達しない。Jリーグに到達するには、サッカーが強いだけでもだめである。財政的基盤がしっかりしていないといけない、観客数がある程度の規模でなければならない、試合会場がしっかりとした競技場でなければならない、等、越えるべきハードルは多く高い。ただ、そのようにハードルが高いからこそやりがいがあり楽しいとも言える。サカつくというゲームがあるが、まさにこのような状況を模擬体験するようなゲームなのだろう。
もう1つは、企業のサッカーチームの意味合いである。Hondaやソニーなど、JFLに所属する、すなわち、全国レベルの強い企業チームはいくつかある。意味合い、とは、Hondaやソニーにとって、JFLのチームを保有している意味が何なのだろう、ということだ。企業の福利厚生的なレベルは超えている。お金も相当にかかるだろう。一方で宣伝効果は薄い、JFLの観客数は3ケタのことも多いようである。Jリーグを目指すわけでもない。企業スポーツがなければスポーツとして日本では成立しにくい競技もあると思う。例えばハンドボール、例えばカーリング、例えば長距離走(駅伝みたいなもの)などは、プロとしてチームが成立しそうにない。逆にサッカーや、例えば野球の場合には、プロスポーツとして成立しており、企業がそのスポーツ競技の振興の意味でやる理由や意味はない。ここは、著者も問題意識を持ち、取材をしたりしているが、あまり納得感のある答えはなかった。
というような事を考えながら読んだが、そんな事を考えずとも、単純に読み物として面白い。コアなサッカーファンには、お薦め。
Posted by ブクログ
この本を2021年になって読むと、状況が色々と変わっていることがよく分かる。宇都宮さんの分析や予想、あるいは当時触れられていた状況が当たっているもの、変化しているもの様々であるが、一定の時期に一定の見識を持った作家さんが全国各地のサッカークラブの状況を書き残していることの価値は非常に大きい。こういう本がしっかりと語り継がれて残っていくことが、日本におけるサッカー・スポーツ文化の発展に不可欠だと思う。
Posted by ブクログ
サッカーだけではなく、追いかけるチームは、全国にある。
ただ、それを温かく愛情あふれる視線で眺めてくれる人は、そんなに多くはないかもしれない。
Posted by ブクログ
宇都宮さんの新刊、待ってました!
「股旅フットボール」もすごい好きだけど、
こうやって丹念にJFLより下のカテゴリーにいる
サッカーチームやその地域の人々を取材し
そこに今あるサッカーを僕たちに教えてくれます。
J1やJ2の華やかな場でのサッカーばかり見ている自分にとっても
すっごく考えさせられる内容です。
Jリーグを目指すクラブ、目指さないクラブ
それぞれに多かれ少なかれのサポーターがいて
サッカーとともにある日常がある。
選手たちもそれぞれのモチベーションを持って、
自分の人生とサッカーとを考えながら過ごしている。
全国に本当に自分が知らないサッカーがいっぱいあり
どの場所も見にいきたい、そんな欲求にかられました。
いつか全国を、うん、行くかね。
Posted by ブクログ
それぞれのクラブ、それぞれのストーリーを噛み締めながら読んだ。徹壱さんの集大成(国内版)なんだろうな。
「いまそこにあるサッカーを愛せ」
改めて、とてつもなく深い言葉だ。
Posted by ブクログ
スポーツニュースなどからしか見聞きしないマクロの視点からみると分からないミクロな世界に色々人の想いや努力やそれらの歴史が詰まっているのを実感する一冊。TV番組だけど、foot brainにも同じものを感じる。
Posted by ブクログ
華やかなプロの世界の裏側でもサッカーはサッカー。
それぞれのカテゴリでのサッカーが語られている。
一部の勝者(プロになった人)意外もサッカーを、やる意義や意味を考えさせられる。
Posted by ブクログ
今を知っているからより面白い。
本田FC、ツエーゲン金沢、フェルヴォローザ石川・白山FC、サガワシガFC、福島ユナイテッドFC、AC長野パルセイロ、日本プロサッカーリーグ、本田ロックSC、奈良クラブ、三菱重工長崎、アスルクラロ沼津、レノファ山口FC、ブリオベッカ浦安、高知ユナイテッドFC、ヴァンラーレ八戸、ラインメール青森、東京23FC、東京武蔵野シティFC。