【感想・ネタバレ】日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫るのレビュー

あらすじ

墜落現場の特定と救助はなぜ遅れたのか。目撃された戦闘機の追尾と赤い物体。仲間を失った元客室乗務員が執念で解き明かす渾身のノンフィクション。事故ではなく事件なのか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

日航123便墜落事件。
国内で、満席のジャンボジェット機が墜落するようなことが起きるなんて!と、とても衝撃的な事件でした。
この事故を題材にした本も多く出版されています。
私も小説を何冊か、ノンフィクションも数冊読んでいました。

それでもこの本を読んだとき、自分が何も知らなかったことに気づかされました。
著者は元日航のスチュワーデスで、事故でなくなった乗務員の直接の同僚です。
事故当時は国際線乗務に替わったばかりで、それがなければ事故機に乗っていたかもしれないはずでした。
だから余計に、耳に入る情報と実際に発表される報道との乖離をもどかしく思ったのだと思います。

不審な、そして解明されていない謎が数多くあります。
1.超低空で飛んでいるジェット機を追いかけるように飛んでいたファントム2機の正体。
  それぞれ別の場所で目撃した複数の人たちが、自衛隊機だと証言していますが、その時間その場所を飛んでいる自衛隊機の記録はありません。
  
2.機体の胴体下部に見えた赤い物体
  煙やすすが見られないことから炎ではないと判断された赤い物体とは?
  著者は、戦前から日本が開発研究していた吸着型のミサイルではないかとしています。

3.墜落場所特定の遅れ
  墜落直後から事故現場の村長がNHKを始め関係各所に「ここに落ちた」と電話しているのに、翌日昼まで墜落場所不明と報道され続けたこと。
  偶然墜落を目撃した米軍の飛行機がすぐ救助しようとしたら、「自衛隊が救助する」と連絡が入り、現場を去るように指示されたのに、その後半日以上も墜落現場不明と報道され続けたこと。
  また、地元の人たちが捜索隊員を案内して山に入った時、異常に捜索隊の進む速度が遅く、絶えず道をそれようとしたこと。
  結局捜索隊を見捨てて地元の人たちが向かった先で生存者が見つかった事実。  

4.事故原因の意図的な漏洩
  墜落原因は隔壁の修理ミスであるとのアメリカからの発表により、少なくとも私は「またアメリカの顔色を窺って、事故原因の発表を躊躇していたんだな」とそれで納得しました。
  最初は修理ミスを否定していたボーイング社が一点ミスを認めたことで、この件は落着しました。
  しかし、事件後も日本の航空業界ではボーイング社が圧倒的シェアを維持し続け、事件の翌月の「プラザ合意」で猛烈な円高(1ドル240円が1ドル120円以下へ)となり、輸出産業が大打撃を受けることとなったと、解説の森永卓郎氏が書いています。

その他にも、エンジン部とともに機体から離れた人たちから生存者が出たのに、エンジンのない機体部分が炭化するほどの高温でやきつくされたことや、現場不明だったはずの事故当夜に現場上空で自衛隊機が何らかの作業をしていた目撃情報があること、現場検証をする前に機体を破砕したり片付けたりしたことなど、不審な点は枚挙にいとまがありません。
さらに、新しく発見された遺品についても、検証する必要はないと政府が発表しています。

こういう大きな事故・事件が起きると陰謀説が出てくるのはいつものことですが、この事件(もはや事故とは言えないレベルと思います)については、陰謀はさておき何かを隠蔽しているのは明らかと思います。

著者は目撃者の証言、文献の読み込み、科学者への確認などを経て、自衛隊機の訓練で発車したミサイルが123便に付着し、当初横田基地に向かおうとしたけれども何らかの理由で断念せざるを得ず、どこか安全な場所に着陸しようとして失敗したのではないかと推測しています。
その推測を言うと、報道陣も役人も「そんなことを言うと殺されるぞ」としり込みしたという事実が、逆に真実を伝えているのではないか、と。

そんな中、事故から30年以上たってから再会した当時の運輸大臣は、明言こそしなかったものの否定をしないことで著者の背中を温かく押したのではないでしょうか。

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2022年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

森本卓朗著『書いてはいけない』で紹介されていた本書。すぐに読んでみた。

事の真偽は今後の推移を見守る必要があるが、本書の著者も、事実を隠蔽することによる国益の心配をしている。

「国でいえば、ずっと主権や国益を失い続けている状態といえよう。それでは戦後の政治はまったく機能してこなかったということになってしまう。
これはよく言われるような国の軍隊が強いか弱いかの問題より、むしろ国家間の交渉過程における毅然とした態度そのものが重要なのではないだろうか。矜持ある振る舞いや真摯な態度は驚きと尊敬をもたらし、それが結果的に国益を守ることにもつながる。」

だとしたら、全てを明らかにして、間違いを正すべきだ。

「反省なき未来はいずれ崩壊する。」

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2024年04月02日

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