あらすじ
やがてブームは終わり、世間は彼らを「一発屋」と呼んだ。大ブレイクを果たしたのちテレビから姿を消した彼らの人生はしかし、その後も続いている。自身も一発屋芸人と呼ばれた著者が、コウメ太夫、ジョイマン、波田陽区、キンタロー。、スギちゃんなど12組の芸人に取材。不器用ながら一歩ずつ前に進むそれぞれの今に迫った。編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞受賞の、感涙ノンフィクション。(解説・尾崎世界観)
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Posted by ブクログ
2021/7/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2023/2/6〜2/8
自らも”一発屋”である髭男爵、山田ルイ53世が、一発屋芸人たちにインタービューした記録。
レイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandトモ、ジョイマン、ムーディ勝山と天津・木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー。、スギちゃん、髭男爵と錚々たる面々。山田ルイ53世の文才もあって、上げ下げが心地よい。名ドキュメンタリーである。
Posted by ブクログ
一発も当てることなく芸人の世界を去る人たちも多いのだから、一発あてたこと自体がすごいことのはず。
だけど世間は、一発しか当てられなかったやつという目で彼らを見る。
ブームの時はちやほやして、ブームが去ると見向きもしない。
「あいつら、どこいった?」「死んだらしいよ」
無責任なうわさが飛び交う。
「あいつら、どこいった?」
――ここにいるよ
「死んだらしいよ」
――生きてるよ
ネット上を走るうわさに一つ一つ答えたのはジョイマンのラップの方(高木晋哉)だが、答えようと答えまいと、テレビに出なくなっても生きていかなければならないのだ。
どっこい生きている一発屋たちのその後を、髭男爵の山田ルイ53世が丁寧に取材し、適度な距離感をもってその姿を描く。
適度な距離感。
近すぎてなあなあではないということだが、近いからこその辛口コメントがちょっと気になる。
その後の関係に支障はきたさないのだろうか。
お笑い芸人ということを充分に意識した文体は、ちょっとうるさいなと思わないでもないけれど、おちゃらけた文章の陰には冷静な分析がしっかりと存在しているので、お笑い芸人に興味のある人は一度読むといいと思う。
ちなみに私は、テツandトモと髭男爵は大いなるマンネリと言われても、そのスタイル一本で勝負していいと思っている。
テツトモは芸達者で面白いんだけどね。
それは営業で見せればいいと思うよ。←なに様?
Posted by ブクログ
とても面白かった。単なる仲間内の褒め合い、傷のなめ合いではなく、非常に分析的で、かつ仲間への愛がしっかり伝わって、文章としても読みやすく、男爵様の筆力は相当なものだと感じた。
これからこの本に登場した一発屋芸人の皆さんをテレビで見かけた時、彼らの芸の鑑賞ポイントが良い意味で確実に変わると思う。芸についての分析で、私が特に唸ってしまったのは、とにかく明るい安村とアキラ100%の裸芸の比較についてだった。たかが裸芸と侮るなかれ。こういう解説を、他の芸人さんについても読んでみたい。また、男爵様は自身の学生時代やお子さんとの関係についても本を書いているので、それらも読ませてもらおうと思う。