【感想・ネタバレ】チ。―地球の運動について― 4のレビュー

あらすじ

どれだけ絶望すれば、人は救われるのか?

「天動説」の大家・ピャスト伯から研究を託されたバデーニは、「地動説」証明へとさらに没頭する。一方、オクジーは一連の体験を物語として執筆し続けた。それぞれが希望を胸に行動する中、圧倒的絶望が音も立てずに彼らの元へと忍び寄るーーー
眼を塞げ、耳を塞げ、凡庸であれ。それこそが知性に対抗する唯一の手段だ。

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地動説は美しい、命をかけても惜しくないほどに。

皆さんは地動説:太陽を中心として地球など惑星が回っているという学説を当たり前に知っているかと思いますが、それが当たり前ではない時代がありました。

それまでは天動説:地球を中心に太陽などが回っている説が当たり前という認識でした。
天動説は宗教的にも正しいとされ、それ以外の考えは異端思想であり、最悪火炙りの刑に処されてしまうこともありました。

この作品はそんな時代に生まれながらも、地動説の美しさを信じ、時代に抗った人々の物語です。

この作品の一番の魅力は地動説を信じ、己の意志を貫こうとする登場人物たちであり、読んでいて胸にこみ上げてくるものがあります!
歴史や科学好きだけではなく、現在に生きるあなたにきっと刺さる作品です。どうぞお手にとって読んでみて下さい。

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面白い

誰でも自由に文字をつかえるようになって
ゴミのような情報が増えたって言葉は印象に残ったな
インターネットの情報も嘘多いもんな

1
2021年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

泣ける
◯文字というのは特別な技能、言葉を残すのは重い行為だ。扱うには一定の資質と最低限の教養が要求されるべき。誰もが簡単に文字を使えたらゴミのような情報で溢れ返ってしまう。そんな世の中目も当てられん。
◯並の人間が知を欲すると悲劇を招きかねない。
◯知
◯血
◯なんというか夢ってのがあると、とりあえず一週間くらいは悲劇に耐えられる気がします。
◯『自らが間違ってる可能性』を肯定する姿勢が、学術とか研究には大切なんじゃないかってことです。第三者による反論が許されないならそれは信仰だ。

0
2025年11月05日

匿名

ネタバレ 購入済み

 

面白かった。
バデーニさんとオクジー君のことがどんどん好きになっていく。
あんなに恐ろしかったノヴァクが一人の娘を持つ親であったか。

0
2025年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バデーニが気持ちいいくらいに差別的で笑えてしまう。
皆が書くことを学んだら、ゴミのような情報で溢れか
えってしまう… 確かにそうかもしれない。
でも、情報を「ゴミ」と判断するは「誰」?
政府がネット情報の規制(検閲)の必要性に言及して
るけど、政府に判断させるの?
有識者?TVで偉そうに話してるコメンテーター?
バデーニの言うことは検閲以前のことだし、確かにゴ
ミのような言葉を吐く人もたくさんいるけど、様々な
アイデアを持った人や違う考え方をする人がいて、そ
ういう人から学ことも得ること多い。
そこが人間の面白いところでもあると思うんだよね。
学術や研究に大切なのは「自らが間違っている可能性
を肯定する姿勢」と言ったオクジーにバデーニは少な
からずハッとさせられたはず。
ろくに読み書きができないとしても、人は皆、思考力
がある。侮ってはいけない。
ある人が言ってた、「最高の量子コンピューターは人間
の脳」だって。

0
2025年04月20日

ネタバレ 購入済み

オクジーさん

文字もまともに読めなかったオクジーさんが学ぶことに意欲的になり、自分で書いて後世に残そうとする姿勢に感動しました。

#感動する #ダーク #アツい

0
2025年01月31日

匿名

ネタバレ 購入済み

色んな意味でのチ。が集まっていてタイトル回収がドーンじゃなくて、ドン、ドン、ドンって踏み鳴らしてくる感じで近寄ってくる感じでとてもぞわぞわして良かった。

0
2024年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
この作品のテーマである地動説を象徴する「地。」
地動説を解明するために必要なものである「知。」
異端を許さないため、今の形を守るための「血。」
この三つの要素から「チ。」は形作られている。
自らが間違っている可能性を肯定することは自分の人生を否定すること。だから人々は異端といい、その可能性を抹消してきた。けどそれは意味が無い。自分を肯定したいならその意見を抹消するのではなく、その意見を破綻させ、間違っていると示すべき。


0
2024年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰もが簡単に文字を使えたらゴミのような情報で溢れ返ってしまう。そんな世の中目も当てられん。

文字跋扈する現代、乱世、混沌、無秩序。原初地球を想起させる。混沌から偏りがミニ偏が組み上がる。理想像の生まれ合い。真理探求者にとって、これ程自由で笑みこぼれる謎に満ちた世界は無いだろう。尽きぬことない宇宙、将棋もそうなのだろうか。

託すの本質。
託すとか任せるとか一見 聞こえはいいけれど、思い通りにいくわけじゃない。でも実は、寧ろ反論や訂正をされることが託すことの本質というか、自分の思い通り行かない誤解とか事故とか予想外の存在とか、教会にとっての異端者が。天動説にとって、地動説が。そういう他者が引き起こす捻れが現状を前に向かわせる希望なのかもしれない。

前、なんで本なんか書くんだって聞かれましたけど、それは俺が地動説の意味を知った時、多分、感動したからです。そして、それが日に日に強くなってる。つまり俺は、ちょっと前までは早く地球を出て天国へ行きたかったけど、
今はこの地球を守るために地獄へ行ける。

天動説の教会を、神を殺すために、神に祈りを捧げる。アーメン。

0
2024年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チとは。
地であり、血であり、知である。

「他者が引き起こす捻れが、現状を前に向かわせる希望なのかもしれません。」

「間違いを永遠の正解だと信じ込むよりマシでは?」

オクジーの成長、と言ったらなんか違うな。
オクジーが思っていたことを、知識を得ながら言葉にしたことによって、そして信仰を持てたことが、なんだか響いた。

0
2021年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オクジーはもしかすると地球が動いているなんて考えもせず、天国を求めて一生を終えたかもしれない。強く引き付けられ、感動することが人の価値観を変える。そのさらに莫大なムーブメントが世界の変化。
チ。(知)が向き合うのは世界中の人々の、ひとり一人の価値観。自分が常識だと信じて疑わないものと向き合うというのは面倒で恐ろしいと思う。

0
2021年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やっと少し面白くなってきたかも!な4巻。
ヨレンタさんのお父さんが、あの異教徒を始末するノヴァクだったとは。。。

にしても、夢を抱いて生きることや
研究は心理の追究でありながらも、間違えも素直に認める視点を持つことなどこの巻は読み応えがあった。

0
2022年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バデーニは試行錯誤の末、ようやく地動説を完成させる。

ノヴァクは新米の異端審問官に、容疑者への拷問を通じてその精神を叩きこむ。

バデーニとオグジーは酒場でヨレンタに接触。そこに二人が怪しいとの密告を受けたノヴァクがやってくる。ノヴァクとヨレンタは親子であることが判明。バデーニはノヴァクの求めに応じて研究をしているあずまやを見学させる。そこで地球儀のネックレスを発見されてしまう。

ノヴァクはひとたび小屋を去る。証拠隠滅と脱出の準備を始める二人のところに、手下を従えて帰ってくるノヴァク。バデーニが脱出する時間を稼ぐために、オグジーが身を挺して立ち向かう。

この作品、面白いんだけれど、パースがきちんととれていなかったりと、絵柄が苦手。

0
2022年12月29日

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