【感想・ネタバレ】「嫌いっ!」の運用(小学館新書)のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

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中野信子
1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士、認知科学者。東京大学工学部応用化学科卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教...続きを読む

理由はわからないけれど、その場所に来ると、なんとなく怖い、気持ちが悪いなど、嫌な気持ちになる、という場所はありませんか?または、初めて会った人で、 それほど話してもいないのに、どうも好きになれない、気が合わなそうだと感じたことはありませんか? そのときには、その場所には行ってはいけない、その人とはうまくいかない、とい うふうに、自分の過去の記憶、もしくは人類の記憶が無意識に呼び起こされ、警告として「嫌い」という感情を発信しているかもしれないのです。 その心の声を無視し、その場所に行ってしまったがために、怪我をしたり、命を失ってしまったりするかもしれません。「選り好みをせず、この人とうまくやっていかなければいけない」と、無理をしながら付き合いを続けた結果、振り回されてしまい、人生の貴重な時間を無駄にしてしまうということもあるかもしれません。

なぜ、「嫌い」と言いにくいのでしょうか。 冒頭でも少し述べましたが、一つは、教育の影響です。 私たちは家庭でも学校でも、誰かを嫌ったり、嫌いなものをつくったりしてはいけ ないということを刷り込まれて育ちます。 そして多くの場合、嫌いなものが少ない人のほうが、嫌いなものが多い人よりも、 先生や家族、友人から高い評価を受けてきたでしょう。 私たちは嫌いな人や嫌いなものが少ないというだけで、社会的報酬を受けるのに有利となり、好き嫌いが多い人は、それだけで社会不適合者のような扱いを受けてしまうという報酬構造の中で育ってきているのです。

これに対して、「生理的に受け付けない」「言葉にできないけれど気持ちが悪い」 という反応は、扁桃体が関与しているのです。 具体的には、こういう音がすると自分はひどい日にあう、といった恐怖条件付けが 起こるのは、神経細胞が扁桃体で回路(=恐怖条件付け>をつくることによります。 実際に嫌な日にあうという結果がなくとも、その音を聞いただけで、その回路が活 性化されて、身がすくんだり、体が自然に緊張したりということが起こります。

また、思春期の女子と同じように、子供たち同士のコミュニティを保つための、アイコンとして「キライ」という言葉が使われ、その対象として選ばれてしまったということもあるでしょう。


イギリスの心理学者・リチャード・ワイズマン(Ricard Sisenan)博士は著書『運のい い人の法則』(角川文庫)の中で、「本当に運のいい人は『虫の知らせ』(=不快の直感) を無視しない」と述べています。 直感が鳴らす警告のベルを聞き逃さず、「日の前のことについて慎重に考えろとい う合図だ」と捉え、立ち止まって考察し、推測して、正しい判断をするとしていま しかし、運の悪い人は、直感に耳を傾けようとせず、考え直すことなく、信じては いけない人を信用し、選択を誤り、失敗してから、「そう言えば」と、虫の知らせ、 不快の直感に従わなかったことを後悔すると述べています。

私の周りでも、運がよさそうだなと思う人は、「嫌だ=不快」と強く感じる瞬間があるようです。そして、その不快の直感を信じ、違和感を感じる仕事にはあえて手を出さなかったり、がむしゃらに突き進むのではなく、立ち止まって考えたりします。 そのおかげで、大きな損失や失敗を回避できているということが多いように思います。

もし自分の直感に従えるのであれば、嫌な予感がする人とは、適度な距離感を保ち、相手が自分に対してアグレッシブな態度を取ったときの準備をしておくべきです。嫌な感じがする場所を通るときには、周囲に気を配り安全策を取りながら通るということもできるでしょう。

逆に、「嫌い」をはっきりと言わない人は協調性があるとして、「褒められる」という社会的報酬が与えられたり、日本の組織では、扱いやすい人、人柄がいい人とし て、好まれる傾向があると思います。そこには、「嫌い」を言わず、黙々と頑張る人 が優秀であるという、根付いた価値観があると思います。

嫌いなことは、嫌いだと認め、程よく嫌えばよいのです。 そして、「嫌い」を肯定し、突き詰めていくと、それは「己を知る」ことにつながります。

味方しているように見せかけているけれど、なんとなく裏切りそうな気がする人、 なんとなく自分がだまされそうな予感のする人、仲よくしていたら支配してきそうな 人、情報や財産、恋人など、自分から何かを盗もうとしているのではないかと不安を 感じさせる人など、将来的に自分に不利益がかかりそうな予感がする人に対して、 「嫌い」という感情が芽生える場合があります。 今は直接的な被害はないけれど、なんとなく一緒にいるのが不安だ⋯。そんな心の 声は、無視せず、きちんと受け止めた方がいいかもしれません。なぜなら、そのほう が安全だからです。わざわざ自分の脳が警告を出し、「嫌だ」という気持ちを感じて いるのに。その気持ちを殺してまで付き合う相手なのかというのは冷静に見極めたほ うがよいでしょう。

初対面の印象は悪かったが、よく話をしてみると、互いに共通の話題が多かったり、違いがあったりしても、互いにリスペクトできる部分が多く、その後、親友になったということもよくある話です。 ただし、「嫌いだ」という直感を無視し、「嫌い」を克服するために、無理をしな がら表面上は仲よく過ごしたとしましょう。しばらくの間はうまくいっても、結局、 「最初の『なんとなく嫌い』という直感は当たっていたなあ、やっぱり合わないな」 と気づき、結局付き合いをやめたというケースも少なくないように思います。

この世の中の人をすべて好きになることは不可能です。ですから、「今は何も実害 を加えられてはいないのだから、嫌ってはいけない」などと、罪悪感をもつ必要もないのです。

なぜ自分と似ている人を嫌うのか? 誰でも「自分の欠点」を指摘されると嫌なものです。ところが、相手の中に「認めたくない自分の欠点」を見つけると、主に、以下の2つの心の動きがおこります。 つは、その人と会うたびに、自分の欠点を見ているような気になってしまうというこ すると、それを見たくないという思いが強くなり、その相手を避けたいと思うようになり、ひいては嫌いになるのです。 つまり、自分の中にある欠点を許せないから、同様の欠点をもつ相手を許せないの です。この「自分の中にある欠点を許す」ということは、実は、我々の深層意識の世界に関わる、深く難しい課題であり、容易なことではありません。しかし、こうした 心の機微も、理解しておく必要があると思います。 もう一つは、自分と同じような欠点があるのに、なぜこの人は罰を受けないのだ、 という妬みと、それをこじらせた恨みです。

集団に所属すると、同じ集団の仲間は、他の集団の人よりもよい人であり、他のグ ループの人は自分たちよりも劣等な人たちであるという内集団バイアスをもってしま うのです。しかも、自己評価が低いときほど、こうしたバイアスが強くなります。自己評価の低さを、自分が所属する集団の評価を高めることで解消しようとしてしまうのです。 自己評価は本来、心理的な尺度ですが、それが数値で表れる尺度としてわかりやすいのは、所得が低くなるときです。 不況などで社会全体の所得が下がると、自分自身の責任でないにもかかわらず自信 がなくなり、自己評価も低くなります。 下がった自己評価を埋め合わせるために「自分の属している集団は優秀に違いな い」と、根拠なく下駄を履かせようとするのです。 歴史を振り返ってみても、不況で国民の集団バイアスが強くなったとき、その圧力が政治的に利用され、他国との戦争が引き起こされたということが繰り返されていま ですから、経済が落ち込み、集団バイアスが強くなるときは、非常に危ない状況なのです。

お金持ちの家庭に生まれた人に対して、貧しい自分よりも恵まれている環境で育っ ているので妬ましい、と感じてしまう場合も、「経済的に豊かである」以外の情報を 集めてみると、必ずしも幸せだとは限らないことがわかるでしょう。 実は養子で、他のきょうだいにすごくいじめられたかもしれません。名家に生まれ たばかりに、小さい頃から後継ぎという重圧を背負わされ、結婚相手も決められてい るなど、相当な不自由を感じながら生きているかもしれません。代々高学歴の家庭に 生まれ、優秀な兄と常に比較されて、劣等感に苛まれながら育ち、それでも負けまい として兄と別の分野で認められようと努力した人なのかもしれません。

しかし、私と相手は違う人間であり、違う人生の目的をもち、バックグラウンドもよくよく考えたらまったく違っていたということも必ずあるはずです。 誰かに妬みを感じたら、自分が何に対し妬みを感じているのかをよく見つめなおし、そして相手についての情報量を増やし、その情報の精度を高めることで、「自分が本当に欲しいもの」と「その人を嫌う意味」とを分けて考えることができるでしょ う。

先生でも「正直、君と僕は反りが合わないかもしれないけれども、君のような人こそ将来、こういう分野でたくさんの人の役に立つ人間になるのかもしれないな」とさらりと伝えるのもよいかもしれません。

しかし、世間的には、子供が親のことを嫌うと親不孝と言われて非難されたり、親が子供を愛せないと、親失格というレッテルを貼られて評価が下がってしまいます。 「嫌いなのに、離れられない」という状況は、本当に大きなストレスであり、どちら にとっても抜き差しならない問題です。そしてこの悩みは、どちらかが死ぬまで一生 続きます。いや、死んでしまった後も続く苦しみなのかもしれません。

息子は成績が悪いけれど、創造力は高く、友達に優しいというよいところもある。 娘はなかなか周囲の子供には馴染めないけれど、自分の心と向き合う強さがある。 妻は口が悪いけれど、家族のためにも自分のためにも、きめ細かくサポートしてい 夫は家族には気が利かないが、周囲の人には好かれる才能がある。 父親は高圧的に見えるが、曲がりなりにも部長という役職を続けているし、仕事は できるのだろう。 など、よく観察すると、それぞれよいところがあるはずです。

程度の差はあれども、ほとんどの若者は自己嫌悪感をもっています。自分のことを気にして「どうして自分はこんなにできない人間なのだろう」「どうして自分はこん な顔をしているのだろう」と考えてしまいます。 周囲の人が「そんなに気にしなくてもいいよ」と言っても、自分の姿を客観的に把握したり、感情を処理したりできません。 わずかな失敗を人生の終わりだと大げさに捉えたり、他人と比べて劣っていると卑 下してしまうのです。ですから、自信があるように見える子供でも、実は不安定で動 揺しがちなのです。それが、子供や若者の脳なのです。 大人が励まそうとしても、自分に対する評価が低いため、大人の何気ない言葉で傷 つき、落ち込み、反抗的な態度を取ることがあります。 しかし、若者が不安を強く感じ、自己嫌悪に陥ることは、実は成長するためには意 味のあることで、大事な仕組みでもあるのです。

生涯、他人とは対立しないで生きていくことなどできませんし、嫌わざるを得ないのです。他人から傷つけられずに生きていくことなど不可能であり、自分も他人を傷つけてしまうものであり、そしてそれが人生なのだと学ぶ必要があるでしょう。 他人を嫌う自分を許せないと、自分を嫌う他人も許せなくなります。 そして、嫌いでもよいと思うことで、自分が嫌われても怖くなくなるのです。

例えば、自分は人とコミュニケーションを取ることが苦手なので、営業が嫌いだな と思っている人なら、できるだけコミュニケーションの上手な人に同行したり、食事 をして一緒に過ごし、観察して、その人のスキルを吸収するというのは大変有効な方法だと思います。話し方、領き、突っ込むタイミングなどが脳にコピーされ、自分も人と話すことが得意になったりするからです。

数学が苦手な子も、その子は別に数学が嫌いなわけではなく、競争のように短時間で計算力を競い合うというプレッシャーが嫌なだけで、本当は、数のセンスがあるのかもしれないのです。

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Posted by ブクログ 2023年08月08日

「嫌い」に関して徹底的に分析、説明されているという印象。嫌いという感情を持つ事にどこか罪悪感を感じる事があるが、その感情を受け入れても良いと言って貰えている様な本だと感じました。

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Posted by ブクログ 2023年04月13日

嫌いという感情は幼少期から嫌いを克服するような教育によって持つことに罪悪感を持つことも多いが持っても良いんだと思えた。嫌いだと思った上で自分としての嫌いなものとの付き合い方、向き合い方が重要で排除するばかりが対策ではないと感じられるし、嫌いと思っている人は実は自分に似たパーソナリティを持っている人な...続きを読むのかもしれないということにも気づかされる。「嫌い!」と思った時にどうするのか、中野さんの文章も面白いので読んでほしいと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月12日

家族との関係性、人生で最も重要なタスクですね。

・妻/夫との価値観の違いに喧嘩が絶えず、ほぼ毎日離婚を考える。
・妻を家政婦としか思っていない夫が憎い。
・長男は可愛いのに、次男を愛せない。
・社内外の人の言動は受け流せるが、家族の言動には反応し、ついキレてしまう。
・自分を見下している兄が嫌いだ...続きを読む
・母親には感謝はしているが、自分の価値観を押し付けてくるのに辟易する。
・自分を絶対に認めようとしない父親が憎い。
・子供時代に親から受けた心の傷が癒えず、今も許せない。
、老いた父を大事にしたいが、身勝手な言動に怒りを抑えられず、苦しい。

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Posted by ブクログ 2021年05月11日

誰でも 誰かを 「嫌う」
誰でも 誰かから 「嫌われる」

「嫌い」という感情と 付き合う、対処する方法が、脳化学の立場から述べられた書。

本書の最終ページ(p190)に、作者の一番伝えたかったであろう文章があるので、以下に引用します。

生きていれば、誰でも「嫌い」と出合わざるを得ませ...続きを読むん。
それこそ必ず毎日ちょっとずつ出合うものであり、それらが勝手にすべて解消されるということもないので、少しずつ溜まっていくこともあるでしょう。
その溜まった「嫌い」を、自分に生かし、メリットに変えるのも、ストレスとしてデメリットにしてしまうのも、自分次第です。「嫌い」を分析して、転換することで、あれほど抹殺したいと思っていた「嫌い」の塊を、宝の山にすることもできるかもしれません。

「嫌い」を知り、己を知り、人間を知ることで、ヒトの心の機微を味わいながら、人生を賢く生き抜いていきたいという人に、この本が役に立つことを心から願っています。

ここからは自分の感想です。

本書の感想は、人によって、思いはそれぞれだと思いますが、職場の人間関係に困っていた自分にとっては、とても役に立った本でした。それこそ、「嫌い」が溜まっていたので。

「嫌い」という気持ちも、人間にとって大切で意味のある感情なのだよ、と背中を温かく撫でてもらった感じがしました。そして、本書にあるように、「嫌い」の伝え方、戦略的活用法、実践してみたくなりました。「嫌い」という感情に困っている方におすすめします!

また、余談ですが…同じ作者の「キレる!」も、脳科学の観点から興味深いです。

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Posted by ブクログ 2022年11月30日

★まとめ
・私たちは文化的な特徴と、学校教育において、「嫌い」と言えないように刷り込まれてきた。
・「嫌い」は克服しないほうが人生は好転する。
・「嫌い」を活用する成功者の例
→嫌いな人と言うのは、自分に似ているタイプか、あるいは正反対かそのどちらかだから。
→嫌いな人に定期的に会い話をし、なぜ自分...続きを読むがその人を嫌いなのかを考える。そうやって、嫌いの理由を「深掘り」することによって、改めて自分の信念や好きなことを発見できる
・運の良い人は「嫌い」の直感を大事にする。
・いい人は収入が低い。
・「嫌い」を書いて客観視する。
・悪口には尾ひれがつき、よりネガティブに伝わる
・離婚は、制度として認められた立派な権利であり、後ろ向きの決断、最終手段などではなく、もっと前向きな合理的な判断だと捉えても良い。

☆ブックサマライザーからのアドバイス
・嫌な出来事や感情を紙に書き出す
→大幅なストレス軽減になる
・不平不満、愚痴、泣き言、悪口は言わない
→自分に返ってくる。今すぐやめよう
・「この人嫌いかも」この感覚を大切にする。
→その人とずっと一緒にいなければいけないわけではない。嫌な人間からはとことん逃げよう。

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Posted by ブクログ 2022年11月25日

女子は思春期になると父以外の大人の男性に対して嫌う。身近な男性を嫌うときグループ化する傾向にある。リベンジされないためのセキュリティ的な行動で女子同士のコミュニティづくりに影響する話は興味深く納得した。

自分を攻撃してくる人に対してはアドバイスを求めると良い。感謝や褒められたりする社会的報酬による...続きを読む快楽は性欲や食欲の快楽の中でも非常に強いから。攻撃を続ける目的がなくなる。というのは平和な解決方法で微笑ましい。

嫌うことは防衛本能であり好きより強く反応するのは身をもって感じる。ネットで悪い情報ばかり拡散されたり印象に残るのもこれと同じだろうと思う。人は危険や損することから逃げることを重要視する。片隅で意識するだけで違うと思うので今後も冷静に判断していきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月13日

「嫌い」と言う感情が実は防衛本能の一種で無理矢理抑えてつけるのは不自然、と言う事実は自分にとっては発見だった。
この本にも紹介されていたように、自分も嫌いと言う感情をなるべく否定するように生きてきたので。
対応策も内容に網羅されており価値ある一冊。
さすが中野氏。

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Posted by ブクログ 2021年04月13日

「嫌い」という感情は脳の重要な反応であり生物学的に自分を守るためになくてはならないもの、人を嫌ってもいい、嫌われてもいい、自分の欠点と思わなくてもいい。すごく気もちが楽になった。

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Posted by ブクログ 2021年02月20日

この方の文章、すごく分かりやすくてすんなり入ってきます。頭がとても良い方なのに変に難しい表現にすることもなくそれはすごい事だと思います。そしてこれなら自分にもできるのではないかと思わせるところもすごいです。

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Posted by ブクログ 2021年02月04日

「嫌い」という感情に悩まされている人、自己嫌悪に陥りやすい人に向いている。

「嫌い」という感情を深掘りすると、不快・不安・不審・違和感などあり、そしてその先には危険・恐怖・有害がある。それは人間の防衛反応であり、それを無視することは、かえって危険に晒す事になる。「嫌い」という感情は悪いものではなく...続きを読む必要なこと。しかし「嫌い」と感じたら、そのままにするのではなく、なぜそう感じるのか?どの部分が嫌いなのか?客観視することで、嫌いという感情の根拠を分析し活用する。どう向き合い、対処するべきかが脳科学の視点も踏まえて、分かりやすく書かれている。

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購入済み

2021年01月29日

嫌いという感情の捉え方や嫌いという感情に対する勘違いなど、学べることの多い本。

中野信子さんの本は、他の著書も参考になることが多い。

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Posted by ブクログ 2024年03月04日

子供の頃から「嫌い」と言う感情はよくないと教えられ、好き嫌いなくなんでも食べて、好き嫌いなくお友達と仲良くするものだと思うからこそ、「嫌い」と言う感情がでてきた時に自分への罪悪感や自己嫌悪感に苛まれてしまうことがよくありました。
脳科学からみた「嫌い」の感情の意味と向き合い方。
自分を客...続きを読む観的に見る視点で、「嫌い」という感情とうまくやっていけそうです。

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Posted by ブクログ 2022年06月17日

「嫌い」を深掘りした1冊でした。

日本人が「嫌い」という感情とうまく付き合えないのは、嫌いな事がない事が素晴らしいという教育に問題があるという見解が興味深かったです。

好き嫌いをしないで残さず食べることが素晴らしい、みんなと仲良くしていることが素晴らしいという価値観を知らず知らずに小さい時から刷...続きを読むり込まれている事に気付くことができました。

人間の進化の過程で「嫌い」という感情が不可欠でした。なければ自分にとって脅威となるものから距離が取れず、生き残れなかったから…子孫を繁栄してこれなかったから…。「嫌い」は人類の進化に必要なものでした。

なぜ「嫌い」が必要なのか、そして現在の社会でのこの「嫌い」との付き合い方を考えさせられる本でした。

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Posted by ブクログ 2022年06月05日

脳科学者の中野信子による、「嫌い」という感情について分析した一冊。

今はやりのアンガーマネジメントではなく、怒りそのものを題材にしてて面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年10月16日

人を嫌うことを、嫌になり手に取った本。
嫌うことは自然な感情で、そんなにじぶんを責めなくてもいいんだな。

嫌いってことは関心があるということで、ほんとに怖いのは無関心。

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Posted by ブクログ 2021年05月10日

伴う 陰に陽に刷り込まれ 好悪を伝え 機序が異なる 捉え 貶めて 依怙贔屓 げんせつ言説 「今あなたが感じている自己嫌悪は、脳の中に不安の回路が残っているから強く感じてしまうものであり、若者だったら必ず生じてします感情なのだよ」 「若いうちは自分が嫌いという感情を大きく捉えてしまうことがある。でも、...続きを読む自分を嫌うことによってこそ向上できる能力がある。だからその感情は成長の芽なんだよ。そして35歳以降にはなくなってしまう不安なのだから、その不安を大事にしなさい」 謙譲の美徳 やはり自分の力を記録することはとても有意義なことだと思います リファレンスを取ることも大事なことです 自分にとって困難であり、難しさを感じることだからこそ、目を逸らさず思考することで、貴重な経験や、より深い喜びを得られるはずだと捉えることが重要です。これは能力の問題というより、マインドセットの問題です。 体が頑健で 

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Posted by ブクログ 2021年04月04日

嫌いな人、嫌いなことが多いのでつい手に取ってしまった本。
「嫌い」と上手く付き合っていくヒントがたくさん見つかった。

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Posted by ブクログ 2021年01月16日

とても、わかりやすく良い本
自分がなぜ嫌われるのかが、分かる。
嫌いという感情を持っても、持たれてもそれとうまく付き合う要諦を教えられる。また、読み返そう。

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