【感想・ネタバレ】坂本龍馬と高杉晋作 「幕末志士」の実像と虚像のレビュー

あらすじ

幕末・明治維新に活躍した人物の中でも人気ツートップの坂本龍馬と高杉晋作。生い立ちも志向も行動様式も異なる2人のキャラクターを著者が三十余年にわたり蒐集した史料を基に比較し、彼らを軸に維新の礎を築いた志士群像の正体に迫る。

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Posted by ブクログ

幕末・明治維新に活躍した人物のなかでも人気抜群の二人、坂本龍馬と高杉晋作。生い立ちも志向も行動様式も異なる二人のキャラクターを30年にわたり蒐集した著者の資料を基に比較し、その姿を描く志士群像の正体。

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2021年11月30日

Posted by ブクログ

坂本龍馬と高杉晋作。明治維新の立役者のふたり。龍馬は海援隊で新作は奇兵隊を組織した。龍馬が下級武士の出身で、晋作は高級官僚の出身ながらも、ワクをを超えて、日本中を飛び回り、ネットワークを構築していく姿は凄いと感じました。
黒船を見たことで二人の運命が動き出したこと。龍馬も新政権に対して、決して欲がないわけではないということ。時代が人を作るのだと思います。

「面白きこともなき世に面白く」の晋作の辞世の句は、コロナのこんな世の中だからこそ、考える1句です。

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2020年12月11日

Posted by ブクログ

幕末に活躍した志士の中でも人気の二人。よく言われる司馬遼太郎史観に対し、本書は当時の手紙などの資料や証言をもとに、実像を解き明かそうとした本。特に夢が壊されるでもなく、脚色された部分と実際の所が識別され、歴史好き、幕末好きとしても楽しめる内容。

坂本龍馬の姉とのやり取り、妻りょうとのエピソードだけではなく、りょうが語る坂本龍馬像などリアルな部分が覗き見れる。高杉晋作の生涯を紐解くにあたっては長州藩の動き、松下村塾についても避けられない所だが、吉田松陰や久坂玄瑞との関係なども記載される。

ー 獄中で一年二カ月を過ごした松陰は六一八冊の書籍を読み、四人相手に「孟子」などを講義した。安政二年(一八五五)一二月、病気保養を名目として獄を出された松陰は、親元である萩郊外松本村の杉家に帰り、幽囚生活に入る。

吉田松陰の618冊と自らと比較をしてしまうが、やはり読書は精神修行にも最適だ。

ー 「天下はひとり(天皇)の天下なり」との神国思想に基づく松陰の教えは、確実に松下村塾を中心に長州藩内にも浸透しつつあった。実際、異国の釈迦や孔子(明倫館には孔子を祭る聖願があった)よりも、日本人にとってはその世界観を受け入れてしまえば、神国思想ほど居心地がよいものはない。なにしろ天皇は自分たちの先祖とつながっているとされる、神なのである。それに長州藩毛利家は古来、皇室との繋がりが他の大名家よりも強い。神国思想に共鳴する土壌は、十分備わっていた。毛利家の先祖は平城天皇の皇子阿保親王とされ、皇室の流れをくむ家と伝えられている。

藩の中に閉ざされた忠義に生きてきた武士たちが脱藩してマインドセットを変え自らの命を賭けた。それ程外圧に対する危機感が強かったという事だろうが、同時多発的に志士たちが動いた歴史はドラマである。今、世界を変えるような熱量は必要性と共に消えてしまったのかも知れない。

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2024年12月29日

Posted by ブクログ

幕末の英雄である2人の足跡を探る本。数々の歴史小説やドラマなどの影響で彼らの人物像が作られているが、果たして実際はどうだったのかを各種資料や時代背景から追いかけている。

本当のところはわからない、故に歴史物の面白さもあり、見る立場からの見方の違いもいろんな解釈を生む。本書では残された資料に対しても「贋作である可能性」や、後の世に創作されたであろう部分を客観的に分析することに努めている。創作は、祭り上げた人達の都合によって創られたものもある。第二次大戦期の軍部にも利用されている。

それにしても、第二次大戦が終わって価値観がひっくり返ってしまっても彼らの英雄譚が語られ続けるのは、やはり彼らが時代の変革の中で果たした役割は大きかったということだろう。

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2023年01月21日

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