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Posted by ブクログ
総合内科医の國松淳和先生の新書。
医者が患者を見たときに、どのように「診断」をしているのか。一般的な「診断」という言葉の定義を示したあと、國松先生個人の頭の中で行われている診断方法を言語化した本。
この本は、もしかしたら診断医さんに向けて書かれた本なのかな?いや、やっぱり患者側の立場である私のような一般人に向けたものなのかな? そのへんがちょっと不明だったけど、後者である私にもわかりやすくて面白かった。
「病気の診断」に限らず、いろいろなことにも当てはめる事ができそうですしね。
読みながら、以前にNHKで放送していた「総合診断医ドクターG」を思い出していました。あのような経験をたくさん積み上げて、現象全体を俯瞰的に(そして同時にミクロな現象さえも)見ることができる回路を組み上げていく医師ってすごいスキルの人たちなんですね。
読んでいたときに書いたメモを貼っときます。自分のメモだから網羅してないよ。
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・「自分の中で言語化されないまま実践だけしていること」をあえて言葉にするということをしたい(p102)
・三次元と四次元
二次元を三次元の私たちが「見下ろす」ことができるように、四次元からは三次元を見下ろすことができるのでは?
(『四次元が見えるようになる本』)
・「ラプラスの悪魔」の優しい利用。
診断…時間が経てば診断しやすくなるが、早く診断できたほうが対処しやすくなる。
・一般論より経験。他の医師の経験(症例報告)を読んで想像する。「臨床的な想像力」。
・守破離
・診断よりも治療が大事。「診断名」がついていない症状でも、メカニズムを推定して治療する。それが大事。
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Posted by ブクログ
第1章で出てきた画像診断、病理診断、臨床診断の話は納得できるもので、第3章の事例解説、第4章の"斬りかた"の話も楽しめた.が、第5,6章は意味不明.第7章と"おわりに" では話が結論めいた形になってほっとした感じだ.治療が第一で病名を決めることは二の次だという主張.納得できました.
Posted by ブクログ
CTやレントゲンを見て患者を診断する医者の視点は、財務諸表や信用調書を読んで企業分析をする与信審査や投資判断に近いのではないか?と思って読んでみた。
実践と座学の往復が有効
他人の経験をどこまでリアルに自分のものにできるか
「直観」も大切に
最終的には職人的に把握する
はっとさせられるね。共通する視点はやはり多い。
「四次元が見えるようになる本」(日本評論社`2012)
→多分すでに絶版になっている。ただ、面白そう。読んでみる。絶版になりつつ引用される本には良書の可能性が高い。
Posted by ブクログ
医師と患者の間には大きな溝がある。
患者は間違いなく当事者なのに、診療の場では医師との知識の差により疎外される。
ではどうしたらいいのか。
しかし、それは実は本書の中心的な主題ではないようだ。
症状が出るメカニズムがわかっていれば、病名も診断名もなくても、治療はできる。
やる意味のある検査かどうかがは、検査の診断特性とその病気らしさの判断を掛け合わせて決まる。
闇雲にやっても意味がない。
患者として本書から学べることは、これに尽きる。
ここだけを知るためなら、もしかすると、買って読むまでもないのかもしれない。
この本は、いったい誰に向けて書かれているのだろう?
読んでいて、何度かそんな気持ちになった。
これから専門教育に入る医学部の学生向け?
やや、読んでいてつらいところがある。
"これまで言語化されていない、診断医としての意識に働かせ方を書いた。"
途中で、その旨のことをご本人もおっしゃっている。
見えないものを、想像力を働かせて見ようとすることに大切さが説かれていた。
凄腕の職人さんの意識を言語化するという営為は、医学に限らず、興味があり、これまでにもそういう書物を読んだことがあったりするのだが…。
頭の中で時間軸を操作するというあたりまでは、何とかついていけた。
微視的、巨視的に視点を変えてみるというのもわかる。
が、四次元的に見るというのは、中々難しかった。
たぶん、再読はしないな。
Posted by ブクログ
医師が診断を行う際、どのように意識を、判断力を使っているのかが説明されています。
ソーシャルワーカーの私が読んでも参考になる視点の持ち方、意識の動かし方が紹介されていて、とてもおもしろかったです。