あらすじ
勉強すればするほど、人生は楽しくなる!
還暦でライフネット生命を創業し、古希で立命館アジア太平洋大学学長となった著者が、学ぶことの面白さや大切さと、学ぶことをやめてしまったらどうなるかを、歴史や哲学、科学、経済などに関する豊富な知見から書き下ろした待望作。
海外のケースに造詣が深い『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリさん、学習能力の発達について研究している脳科学者の池谷裕二さんなど、「学び」の専門家5人との対談も収録!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
対談の中で、出口さんの自論、経験、知識を分かりやすく知ることができた。
出口さんの著作は、全ての持論に「なぜ」があり、その根拠も数字や事実から多面的に考察されているので納得力があると思う。また、対談されている方にも、上記のポイントは抑えられた書き方(話し方?)になっており、全体的に「ふむふむ」言いながら読み進めることができた。
日本の教育システムと終身雇用型の雇用形態などによる、日本の衰退への危機感や、勉強し続ける・考え続ける重要性、「旅・人・本」「タテ・ヨコ・算数」の考え方や重要性など、基本的な内容については特に、他の出口さんの著作と重なるものもあった。
■印象に残ったフレーズ選りすぐり
・モノを覚えるとき、僕が実践しているコツは一つだけ。読んだり聞いたりしたことをそのまま覚えようとするのではなく、読み聞きしたことをもとに自分で考えて、考えた結果を他人に話すのです。
(中略)
自分用のノートや日記は、いわば誰も遊びに来ない部屋。Facebookやブログは恋人が訪ねてくる部屋です。
・僕はいつも、物事を正確に判断するためには、「タテ・ヨコ・算数」で考えることが大切だと思っています。タテは歴史的な視点で、昔の人はどう考えたのかと思いをめぐらせること。
世界中の脳科学者は、人間の脳はこの1万年間、全く進化していないと見ており、昔も今も何をどう判断するか、どういうことで喜び、どういうことで悲しむかという喜怒哀楽のツボは同じなので、タテで考えることはとても大切です。
・僕が常々、古典が大事だといっているのは、そういうことです。長いあいだ市場の批判や批評に耐え、いまなお輝きを放っている古典を一つの基準として、著者の思考のプロセスを追体験して思考の型を学び、そこから自分なりのアレンジを加えていけば、間違いなく考える力がつくでしょう。
・(ヤマザキマリさんの言葉)本当の意味で立ち向かっているのは、世間体など気にせず、必要に応じて逃げることができ、いい塩梅(あんばい)で自分を甘やかしながら生き延びていくことのできる人のほうですよ。大事なことは、それでも生きてさえいれば、人生なんとかなるということです。
Posted by ブクログ
もう1点、僕が抱いている危機意識の1つに、学ぶ力の衰退があります
大事な事はノートに書くのではなく、教科書に書き込んでいたのです。何故かと言うと、そうしておけば、テスト勉強するときに、書込み済の教科書1冊を集中して復習すれば足りるからです
日本の未来を考えよう
マクロンの言葉 著書革命:文化は言葉であり、フランス語を話すものは、フランスの歴史を託されたものとなり、フランス人となる
宇宙は揺らぎから生まれて、人間は宇宙から生まれました。そう考えると、私たちが根底的に揺らぎのあるもの、多様性のあるものをありがたがるのも当然だと言う気がします
大学は、自動車産業などと同様のインパクトを持つ輸出産業になり得るのに、それにふさわしい大雪が講じられていないのです
人間がその力を存分に発揮できるのは、自分が面白いと思ったことをとことん追求する時
人間は言葉で考える生き物であり、言葉は思考の手段です。その言葉をきちんと使いこなすことができれば、物事を考えるための強い武器になるでしょう
Posted by ブクログ
出口流教育論。日本人は勤勉でもなく、教育水準も高くない。特に高等教育。処方箋は投資(最も効率的)と多様性。これら世界を見渡せば常識。劣等感と不義の関係を結んだ愛国心であるナショナリズムはダメ。いつもの論旨ですが今回も深く納得。本書では対談が楽しかった。これまであまり存じ上げなかった吉田直紀さん、加藤積一さん、ヤマザキマリさんとの対談は興味深かった。この方々の著作へも手を出そうかなと。