あらすじ
※哲学書ではありません。お笑い書です。中毒性がありますので「笑い」に弱い方は、服用にご注意ください! ――ホモルーデンスとして生まれた諸君。笑うべし、遊ぶべし。楽しみの先に疑問があり、それが思索へとつながり、哲学へ至る(かもしれない)。へ理屈は楽しい。詭弁は愉快だ! 「笑う哲学者」土屋賢二のエッセンスがつまったエッセイに、英国留学時にやりとりされた絶品「滞英往復書簡録」が収録された、生活がうるおう1冊。
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Posted by ブクログ
雑誌のコラムで読む土屋賢二のエッセイはおもしろい。
だけど、一冊の本にまとめた時、この本の中にも書いてあるけど笑いの畳み掛けがしつこくて、結構くどいのよ。
ところがこの本は、エッセイと言いながらも哲学的なエッセンスが今回は多くて、「ふむふむ」とうなづいたり、どういうことだろうかと悩んだり、それは違うのではと突っ込んだり、こらえきれずに噴き出したりしながら読んだ。
やっぱり電車の中で読むには危険な本である。
“人間性に反するようなことをすることもまた、人間性の一部である。実際、人間は、食べ過ぎる。過度に仕事を増やす。処理し切れないほど人間関係を複雑にするなど、人間性に逆らって、苦しみやストレスを招くような行動を繰り返してきた。人間は楽しみよりも苦しみを求めているのかもしれないとさえ思える。”
これは私も時々思う。
仕事の効率化を図って生まれた余剰時間以上の仕事がどんどん降ってくるというのは、一体どういうシステムなのか、と。
所有の概念というのも、面白かった。
たとえ自分に必要がなくても、超格安だったりすると争って自分のものにしようとする。
これは一体どういう心の働きなんだろうね。
“しかしそもそも所有者が自分であろうと他人であろうと、そこにどんな違いがあるのだろうか。自分が持ち主なら、税金を払ったり、管理したりしなければならないし、人に盗られないよう用心しなければならない。場合によっては、管理と防犯に追われる生活を強いられることもある。(中略)どうしても所有したいのなら、美術館の絵画や公共の庭園や大自然を自分のものだと思ってみてはどうだろうか。管理は他人にやらせていると考えればよい。このように簡単な思い違いをするだけで、所有欲は十分に満たされるのだ。”
ふむふむ。
そして、所有欲を断ち切るために貴重品を捨てるときには、ぜひ一報していただきたい、と。
様々な事柄が、このように考え方を変えるだけで脱力モードになる。
勉強になるなあ。
でも、やっぱり本を買いこんでしまうのはなんでだろう。