【感想・ネタバレ】千両かざり―女細工師お凜―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

錺職の老舗「椋屋」の娘・お凜は、女だてらに密かに銀線細工の修行をしている。跡目争いでざわめくなか現れた謎の男・時蔵は、江戸では見られない技で簪をつくり、一門に波紋を呼ぶ。天保の改革で贅沢品が禁じられ商いが難渋するなか、驚天動地の大注文が入る。江戸の町に活気を与えたいと、時蔵とお凜はこころをひとつにするが――。職人世界の粋と人情を描く本格時代小説。(『恋細工』改題)(解説・細谷正充)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初西条氏の本。王道のストーリーを詰め込んだ作品で、あっという間に読んだ。
義兄の四代目が死ぬ直前に義妹お凛に遺した遺言と遺書。次の五代目は弟子の職人5人と外部の職人の合計6名を、3年後にお凛が選ぶのが遺書の内容。
遺言では外部の職人を牢から受け出す事がお凛に課せられた。外部の職人は天才的な技術を持つが、人との交わりが出来ない。お凛との結婚も絡み、弟子と外部の職人との大揉め。時は緊縮財政の水野の改革時代。贅沢な細工も禁止されて、世相も店も仕事が無くなり、更に店の雰囲気が悪くなる。親戚の大店から個人的な千両の仕事で何とか店が纏まる。完成するも贅沢禁止に引っ掛かり、職人が牢に繋がれる。2つ目の遺書が開かれ、5代目が明かされるが、遺書の通りには成らず。その理由が最後に実る形になる。目出たし。
千両細工の経緯等疑問点はあるが、全体としては面白く読ませて貰った。

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2021年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

意外な展開で、最後じんわりしてよかった。雪華の香炉を見れるなら実物をみてみたい。
「日々の暮らし道具を拵えるのがそれが職人だと宇一がいった。」「技や意匠をいくら精進してもひとりよがりではやさしい品にはならない」「百年にひとりの傑物だ。だからこそ職人にはなりきれねえ。奴には才がありすぎるんだ。」

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2021年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

締め付けられれば反発したくなる、意趣返しを見事にやってのけたところはスカッとした
結末は二転三転、予想を裏切られ切なくも光は見えた感じ
お凜は自分の恵まれた境遇を“ずる”と言っていたけれど錺に対しての真剣さ、才能を皆が理解してくれたからこそ
ますます精進していくのだろうな
そして何より四代目宇一さんの先見性に唸らされた…ここまで見通せる人、そうそういないと思う!

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2021年01月28日

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