あらすじ
人生を懸けた、恋。最後に残る記憶があなたなら、2人で生きられなかった70年も間違いではなかった――。生涯互いへの恋心を抱き続けた貴代子とミツが
仲良くなったのは、女学校中等部3年の時。心中を図る、たった半年前のことだった。卒業したら婿養子をとることが決められていたミツに、貴代子は言ったのだ。「卒業したばかりのみっちゃんを家に縫いつけるような男なんて若葉を食い漁る獣も同然だわ」その言葉から結婚への期待が薄れ、貴代子の美しい瞳と強い自我に魅了されるミツ。一方、貴代子は誰かの物になるしかない女の
自分の未来を儚み、ミツを心中へと誘う。そして、“運命の日”を迎える――。女2人のドラマチック一代記、完結!
感情タグBEST3
はっきり言って
素晴らし過ぎる。
断片的なまま、
でも自分ですら自分の事もそんな程度の把握しかできていないのかもしれない。
あえて深掘りせず、
下手に冗長に詳細に描くよりも、
印象的。
パチンコのシーン、女学生たちの旅や手紙のシーンなんかは、小津作品を彷彿とさせる。
人の数だけロマンと思い出がある。
そして、当事者も誰も去ってしまっても、
その時間があった事は決して消えない。その時間は永遠に存在してる。
娘さんが、指のことを聞かないと決めるところ。素晴らしい。
市民ケーンかのよう。
指はさながら、薔薇のつぼみ。
1人の人を暴くことはできない。
人の主観は永遠の処女地。
Posted by ブクログ
学生時代の貴代子は眩しく輝いていて、そんな彼女が最終的にああなってしまうしかない時代だったのだなぁという悔しさを強く感じる。
一方のミツは、もしかしたら「自分の中のこうあるべきだった貴代子」をなぞるように生きたのかなぁ……とも。