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過去を遡っていく構成と語り口が映画のようであった。様々な時代が描かれ、その時代時代の空気が漂ってくる。60年代の煙たそうな喫茶店や騒がしい旅館が色々な映画のワンシーンとリンクして一層映画みを増していく。もう映画化してくれと願うと同時に、これが完成形かもしれないとも思う、素晴らしい作品でした。
Posted by ブクログ
結末からスタートし過去へと遡っていく形のストーリー。時代を過去にすることによって同性愛に対する風当たりの強さを物語に組み込むことができる。
とは言え、彼女たちの結末はスタート直後に明かされているし、指の謎も物語を牽引するほどの強さは持ち得ていないように感じた。
さらに、貴代子のことを好きになれず、「まあ、人には色々物語があるよね」という突き放した感情しか持てなかった。興味の持てなさの原因は、結局、現実を取りヒロインを捨てたことがあらかじめ分かっていたからかもしれない。
とはいえ、昔の日本を舞台にするのはとても良い。その時代の雰囲気が出ているように思い、そこは面白かった。
エモい·····
昔は世間体やら理解してもらえない事などがあって、自分に正直になれない人達が沢山いたんじゃないかと考えさせられました。(現代はどうかといったら微妙なところだけど···)
現代から過去へ時代を掘り下げていく展開がまるで映画やドラマを観ているかのように感じました。
是非実写化してほしいっ·······!!!
匿名
時代に翻弄される
2018年、85歳を迎えた伊藤貴代子は認知症を患い孫のことを娘と間違えてしまうこともしばしばあった。
そんな彼女のもとを旧知の仲の園田ミツが時々訪ねてくる。
娘や孫には友人同士として通っている二人ではあるがかつては恋人同士だった。
しかし時代がそれを許してはくれず、貴代子の見合いと結婚によって二人は別れの道を選び以後手紙のやりとりがメインの状態だった。
認知症のため時々自分の家族のことすらわからなくなっていく貴代子に対してミツは最近の記憶はうすれても昔の記憶は覚えているものだと励ます。
そして貴代子が忘れても自分が覚えている、あなたの記憶は私の記憶も同然というのだった。
しかしその後、ミツはよそ見運転をしていたドライバーによって事故で命を失ってしまう。
そして絶望の中で過去をさかのぼっていくのだった……。
時代が二人の仲を許さない中、仕事でなんとか身を立てていくミツと、それすらかなわず藁にもすがる思いで家庭に入った貴代子が切ない。
キヨコに。
キヨコに凄く感情移入しました。
私もこんな風に生きてます。
こんなドラマチックじゃないし、相手の人に受け入れられたわけでもないけど。
その点ではキヨコかなり羨ましい 笑
共依存関係とも言われる、母子関係の癒着を友人間にシフトでやる人々ってのは実際にたくさんいる。
女性というのはもともとコミュニティで子育てしてきたわけだから、そういう関係性が作られることは昔から連綿と繰り替えされてきたことと思う。
現代の社会制度から抜け出せない苦しみに、本当の望みを叶えられぬまま生きる人間の、表面上の幸せをなぞる心境を胸に収めながら読みました。
私も、死ぬ間際には、、、と。
儚い望みを託して。
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