あらすじ
今から160年ほど前にこの国に起きた未曾有の危機。欧州列強に不平等条約を結ばされ、江戸人口のおよそ7人に1人が死んだといわれる疫病・コロリが大流行。経済は傾き、人々は倒れる。そんな憂国にあって“ある農民”が立ち上がった。男は、長州志士や水戸浪士たちと繋がり攘夷運動に身を投じ奔走する!! その男とは後に、「資本主義の父」と言われる渋沢栄一であった…。
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Posted by ブクログ
安政の大獄、桜田門外ノ変と歴史が大きく動き出した頃、渋沢栄一は桂小五郎ら長州藩の面々と知り合います。その中の伊藤俊輔、のちの伊藤博文が一癖ある容貌をしていていい。幕末を生き残り、明治の日本の舵をとるひとりとなる彼。残っている明治の写真を参考にしたとは思いますが、いい味です。
幕末の動乱で、真に優秀な人物は皆死んでしまって、生き残ったのは二流、三流ばかりだ。というセリフを何かの作品で見た覚えがあるのですが、あの見た目の印象はそれですね。
栄一より早くに、倒幕運動に参加していたいとこの長七郎。栄一が桂小五郎に勧誘されたとき、咄嗟に遮ったその思いはどこにあるのか。
嫉妬と羨望かなぁ。奥底には、栄一がいったような優しさがあればいいのだけど。
今生の別れとなったであろう、2巻最後の場面。
あの瞬間には、優しさがありました。
巻末のおまけがじわじわおもしろいですね。きっと、渋沢栄一の生涯を知っていれば、よりニヤニヤできるんだろうなぁ。歴史ものだからできる遊びですね。