【感想・ネタバレ】私はそうは思わないのレビュー

あらすじ

「私は気分転換などしない。気分転換する必要はない程陽気で幸せな人なのではない。ほとんど常にかぎりなく滅入っている。おまけに体が怠けもので、気だけせわしなく忙しいので、ごろりと横になって先から先へと心配ばかりしていて体安まって心休まる時がない。趣味もないしお酒ものまず歌もうたわない。」だけど佐野洋子は自分のいいたいことはきちんといい、きちんと怒るのである。人間の基本を守っているのである。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

力のあるエッセイでした! やっぱし戦争を経験した世代の人の書く本というのは…戦後とか知らない人が書いた本よりかはるかにパワーに溢れている…そんな感慨を抱かざるを得ない本でしたね。

ヽ(・ω・)/ズコー

著者のエッセイはこれまでも何冊か読んでいますけれども、いくつか重複している話がありますね。まあ、いいですけれども…

エッセイについての感想って難しいんですけれども、なんというか…物質的に豊かになっていく日本。その中で生きる日本人の精神の変質というか…そういうものをかなり危惧されておられましたね、著者は。そして、著者が危惧した通り、現代日本は沈没に向かっているかのような…そんな社会情勢だと思うのは僕だけでせうか…。著者の先見の明には、してやられた感じが拭えませんね、僕などは。今後、日本はどうなっていくのでせう…そんな不安な気持ちにさせられた著書でありました。おしまい。

ヽ(・ω・)/ズコー

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2013年05月25日

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かっこよいエッセイ。
かっこつけない・こびない・良い人ぶらない、とはこういうことか。
美意識あればこそ。こんな大人になりたいものだ。

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2009年10月04日

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2024.8.3
戦前生まれで大陸から帰ってきている、というのはこういう事なのかもしれない。
異物の凸凹をそのままに捉えて解釈しないというか、自然なのである。
人智の範疇の外側みたいなものへの認知を身近なところから感じるし、それを理解出来る範囲のものへ矮小化しない感じがする。
そこに美しさを感じる。

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2024年08月04日

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ネタバレ

佐野洋子さんのエッセイは若い頃に「私の猫たち許してほしい」を読んだことがあった。その時も思ったように記憶してるけど、シンパシーを感じる。
私も「私はそうは思わない」タイプだし、「私はそうは思わない」は「私はこう思う」というのとは少し違うという見立てもガツンと来たな。そうそう!そうなのよ!と私もそう思ってしまった。

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2023年05月28日

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まえがき のかわりの自問自答 のなかの、  捨てられないものがありますか という問に、愛する男に捨てられても、人を愛したいという気持ちを捨てることは出来ないと思います。世界中の誰一人私を愛してくれなくても、誰かを愛したいという気持ちだけは(あー、これボン悩ってものですか)執念深く毒ガスの様にブツブツわいて来る様な気がします。 という答えを読み、強い、強すぎる、と思いました。

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2020年07月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1996年の本ですが。

---ネタばれ---
それにしてもテレビはどうにかならないものか。ガキのごきげんばかりとって、あれ見ていると誰でも大人になりそこなう。('83)
---ここまで---

ある種の現実が、歯切れよく綴られている。
ときには「?」な部分もあるけれど、女性の現実はこういうものか、と思ったり思わなかったり。

物事をあれこれ考えて迷宮に入りがちな方におすすめ。

払ってもいい金額:700円

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2020年02月16日

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「100万回生きたねこ」を描いた人。

私が小学校2年生の時に、母が「よい絵本だ」と聞いて私に買ってくれた。
私は読んでみたけど、別に良い絵本だとは思わなかった。
よい絵本がなんだかよく分からないし。
愛とか死はもちろん「猫が死んでかわいそう」とかも思わなかった。
みんな猫が死んで悲しんでるのに、猫は悲しまないで、なんだか猫に怒ったらいいのか、猫が死んだことをやたらに悲しむおばあさんや海賊に怒ったらいいのか、気持ちの持って行き場がよく分からなかった。
だから、何も感じていないような気持ちになった。
白い猫に死なれて、オス猫が生き返らなかったことはすごく当たり前のことのようにも思えた。

大きくなって、いわゆるサブカルっぽい友達が「100万回生きたねこ」やばい!と言い出したので、そうか、あの本はやばい(良い)本なのかとか、なんとか。思うようになっていた。

佐野洋子さんのことは「100万回生きたねこ」でしか知らない。
勝手にすみれ色のおばちゃんを想像していた。
柔らかい、でも人生を透徹した鋭い目を持っている人。

でも、この本読んだら全然違った!
鋭い目じゃなくて、鋭い心を持ってた。
決して柔らかくなんかなかった。
このエッセイを読んで、佐野洋子さんが幼かった私を諭そうとして「100万回生きたねこ」を描いたのでないことはよくわかった。
まだ子どもだったときの私には佐野さんの動揺が伝わっていたのかもしれない。
死んじゃうって…(オロオロ…)
死んじゃうと悲しいって…(オロオロオロオロ…)
佐野さんはそんな風にして自分の心伸びやかいっぱいに絵本を作ってたのではないか。
心伸びやかは決して、健康なことではない。
人が感じることには不健全なこともたくさんあるからだ。
でも、それが人だろ。

私が驚いたのは、佐野さんがあまりにもたくさんの子ども時代の記憶を抱えていることである。
私は、きっとエッセイを書けと言われても、こんなにたくさんの子ども時代を引っ張りだせない気がする。
愚鈍に生きていたのかもしれない。
でも、佐野さんが言うように、子どもの頃の私は毎日懸命だったな。
自分でも知らないことだったけど。

「100万回生きたねこ」に今の私が初めてであっていたら、
「何かを感じなくてはいけない」ことに必死になったかもしれない。(良い本だって言われてるのを知ってるから)
子どものときに初めて出会えて、漫然と感じるだけの感じ方で良かったと思う。
あの頃、出会えて良かった。

それがたぶん私の精一杯の感受性だったのだから。それでいいのだ。

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2013年11月02日

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佐野洋子のエッセイは、ファンは多いと思う。
なぜだろう?

きちんと、物事に向き合うという姿勢が感じられるからかもしれない。
斜に構えることなく、開き直るところは、しっかり開き直ったり、
感じたことをストレートに表現したり。

そのあたりが共感を生んでいるのかもしれない。
彼女が遺してくれたものに感謝です。

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2013年03月23日

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題名からしてもう、生きる力をもらえる感じ。
女の20代以降は変化ばかりで、でも気を遣わなきゃいけないのは変わらなくて、苦しくなってしまうのだけど、
私は私でいいんだと、作者のエッセイを読んで、軸を持ち直す感じ。

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2012年03月30日

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『私はそうは思わない』と言うのはなかなか難しい。

言えば角が立つし、そういう自分に確固たる自信もない。
気持ちなんてすぐ変わっちゃうかもしれないじゃん。


でも『私はそうは思わない』の蓄積がその人を形取り個性を浮かび上がらせる。

毒のない人にはリアリティを感じない。
毒こそその人、と思えば罵詈雑言も楽しい。



殺菌しすぎの世の中で泥遊びする楽しさを佐野洋子の中に見いだす。

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2011年11月12日

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ネタバレ

好きな本…「サン・ミケーレ物語」「アフリカの日々」「クレーブの奥方」「ぽるとがるぶみ」「ねずみ女房」「絶対安全剃刀」

ううんおれメロン食いたい 『野々宮』は『天使のお道具』を運ぶ 腹が立っている時は自分がまっとうである様な気がして元気が出る  「私はそうは思わない」というのは「私はこう思う」というのと少し違う。
私はどちらも選べなかった…「可愛い」ハンドバックを取り、「知的でシック」を諦めた。
私は五歳の頭と体で、「愛らしく」見えることへの自分へのおもねりは、「知的でシック」よりも低次元だったと自分の勇気のなさを残念に思うのであった
私はまたぞくっとしたいと思っている…掘って掘って堀り進めば、どんな平凡で健全な人間も己れの狂気に突き当たることが出来るのだろうか。そういうものでもないということもうすうす気付いている。
よしよし、そのままそのままー森瑤子著『招かれなかった女たち』解説

いやあ、わかりませんねェー小沢正著『こぶたのかくれんぼ』解説

やまだ紫『性悪猫』『山川先生の24時間』

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2011年04月05日

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かの有名な「100万回生きたねこ」の方のエッセイ、でしょうか。いやあ、面白かったです。この方の「俺は猫だぜ」という絵本があるのですがそれも非常に好きな絵本です。

前、この方の「右の心臓」というお兄さんのお話を読んだことがあったのですがその時この人は何でこんなに昔の子供のころの感情をきちんと覚えているのだろう、とびっくりした思い出があります。子供の頃の生々しい、非常に泥臭い記憶と感情。すごいなあ、と思うのです。

それにしてもメロンの話はおもしろかった… 自分はメロンはあまり好きではないのですが気分はすごく良く分かるのです。

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2011年08月07日

Posted by ブクログ

全体的に冗長で、ダブっている箇所も多く、読むのがしんどかった。

ただ、ハッとするような表現があった。

P12 「悲しみ」っていうのは事件ではなくて、感情の底を流れる水流みたいなものだと思います。

P65 憎むべき相手も持たない孤独と憎むべき人間を持つことの不幸を同じはかりにかけられないのではないか。

P160 同じ行為が受け手によって全く違う意味を持つのだ。さらりと流せる人間もいる。こだわり続ける人もいる。こだわり続けることで自分を創る人もいれば、流すことで生き続ける人もいる。

P242 ニューヨークのネコの話し

P296 この世はみにくく、めちゃくちゃでくそいまいましいが、しかし、限りなく優しく美しくおごそかに、衿を正してひれ伏したい程素晴らしい。

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2011年06月10日

Posted by ブクログ

質問形式で佐野さんが答える、というエッセイ。ハッキリした佐野さんの個性が全面に出ており、愉快。バッサリと物事を言う姿勢、なかなか良いです。

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2011年02月11日

Posted by ブクログ

言いたいことや思っていることをはっきり言うことはとても大切なことだと思った。自分の思っていることは
はっきり言った方がいいと感じました。私もこの人のように生きていけたらいいと思った。
自分の好きなところは、「私は気分転換などしない気分転換する必要はない程陽気で幸せな人なのではない。」
というところ。やっぱり自分の意思は貫きとうすことが一番大事だとおもいました。
これからも貫きとうせるように頑張ります。

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2009年10月04日

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