【感想・ネタバレ】「男女格差後進国」の衝撃 ~無意識のジェンダー・バイアスを克服する~(小学館新書)のレビュー

あらすじ

今の日本であなたの娘は輝けますか?

2019年12月、世界のリーダーに影響力を持つ「世界経済フォーラム」が発表した「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は前年度より順位を落とし153か国中121位だった。
政府が女性活躍政策を推進しても、諸外国の改善と比較する相対評価では、まったく追いついていけない。
長年ジェンダー問題について取材・執筆・実践に取り組んできた著者は「多くの人が、『日本は男女格差が大きい』と実感せずに暮らしていることが、日本が変わっていかない一番大きな原因」と指摘する。
本書では、2015年から2017年までの3年間で、女性活躍を最優先課題として本気で取り組んだ各国の女性リーダーの割合の変化を紹介、例えばカナダの閣僚の女性割合は30%から50%に、インドネシアの最高経営責任者は5%から30%に拡大している。
政府や経済界が本気で取り組めば、わずか3年間で女性リーダーをここまで増やすことが可能なのだ。
本書では、諸外国の取り組みを紹介しつつ「日本で男女格差が縮まらない理由」を考察、国内の成功例を挙げながら、次世代のためにできることを提案する。

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Posted by ブクログ

ジェンダー問題のイントロダクションにぴったりの1冊です。
男性から女性という一方向ではなく、様々なベクトルでジェンダーの問題があること、会社や家庭レベルから国際的な視点まであり、幅広くそして冷静に分析していました。
冒頭に筆者のスタンスを明らかにしてあるのも、好感が持てました。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

「男女格差後進国」の衝撃: 無意識のジェンダー・バイアスを克服する。治部 れんげ先生の著書。日本で男女格差が縮まらない理由がよくわかる良書です。日本人が持つ無意識のジェンダー・バイアスを克服しないといつまでたっても日本は男女格差後進国。男女格差後進国から男女格差先進国になるには大人も子供も無意識のジェンダー・バイアスを克服しないと。

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2021年11月28日

Posted by ブクログ

最近の「仮面ライダー」では、当たり前のように女性ライダーがいて。

スーパー戦隊シリーズにも2人の女性メンバーがいることが多くなって。

プリキュアにも男の子のメンバーが入るようになって。

中学高校では女子の生徒会長も珍しくなくなった。

少しずつ、境界線は緩んでいるのかもしれない。
そんな時代。

でも、相変わらずビジネスや政治の世界では古い枠組みや価値観が幅をきかせている。
どんなに「ジョセイカツヤクゥーーー!!」と偉い人が旗を振ろうが、社会の仕組みが、刷り込まれた役割意識が、ガラスの天井となって"その先へ行くこと"を阻むのだ。
若い世代では少しずつ変わって行っているようには思えるけれども。

無意識。アンコンシャスバイアス。
私たちが成長してくる中で知らず知らずのうちに内在化される価値観、考え、物の見方の枠組み。
私たちにはみな、意識することなく抱えているバイアスがある。
というか、バイアスはそもそもその存在を知り、意識しなければ認識できないものなのだ。

「当たり前じゃん」と思っていることを疑う。
それは本当に当たり前なのか。

「僕は常々思ってるんですが〜」ではじまる大学生の疑問を、私たちもみな持った方が、多分いい。

本書は、女性をめぐる問題について多くの著書を世に送り出している著者がデータに基づいたジェンダー問題を、主にバイアスという観点から論じているものだ。自分たちの中で無意識に、しかし確実に働いているバイアスによるがどんな問題に繋がり、何を阻んでおり、その結果何が起きているのかを冷静な筆致で語られるのを虚心坦懐に受け止めたいと思う。

システムの問題、法律や慣例の問題。
解決しなければならないことは多くあるが、今の日本社会にはまだ「そこにあるのに運用されていないもの」がたくさんある。何より、"ガラスの天井"を発生させている最大の要因はまさにこの"アンコンシャスバイアス"なのだ。

これは、私の中にも確実にある。
たとえば、仕事で出会うお子さんの母が1人で遊びに行き、父が家で子どもの面倒を見ていた話などを聞くと、ついうっかり眉を顰めてしまいそうになることがある。
逆ならたいして感じないかもしれないのに。

子どもに関わる仕事をしていると、そんな自分の中のバイアスに不意に直面しては愕然とすることもある。

ひとつひとつ、まずは自分の中にあるバイアスを意識化して取り除いていくこと。
「当たり前でしょ」の一言で思考停止することをやめ、目の前にいる人が女性でも男性でも「その人のどこを見れば正当な評価ができるのか」を考えて生きていくことが必要なのだろうなと思う。

最近、邦画では"若くない"女性たちが主役を張る作品が少数ながら増えてきたように思う。
ちょっとした希望では、ある。
子どもの相談に父が来てくれる事例も少しずつ増えてきている。
少しずつ、少しずつ、
「ねばならぬ」のこだわりから自由になっていこう。
そんなふうに思う。

ところで、1号ライダーが女性の作品、マダー?

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

ジェンダーギャップ指数は毎年発表されていて順位は気になっていたものの、恥ずかしながらどういう基準で評価されているかなど全く知らなかった。
そういう観点を加味してみると、発展途上国で案外順位が高いのは富裕層の女性は貧困層の女性を家事育児の担い手として低賃金で雇い、社会進出しているなど、ジェンダーギャップ以外の問題も浮き彫りになってくることを知った。

そのほかにも、パワハラ・セクハラをしないためにどういう基準が良いのか?という質問に対して、下記コメントがとてもしっくりきたので、ハラスメント教育で伝えていきたい。
"もし「部下にこれを言っても大丈夫か」と迷ったら一呼吸おいて「それを上司の配偶者や子どもにも言うか」と考えてみて下さい。上司の耳に入ったら、自分の人間性が疑われて不利益を被りそう、と思うなら、それは言わない方がいいでしょう。"

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2022年11月16日

Posted by ブクログ

ジェンダー関連本は多く読んでいる方だと思うけど、この本はヒステリックにも攻撃的にもならず、フラットな立ち位置から丁寧に書かれていて好感が持てた。特に日本の問題の根っこがキチンと捉えられていて⭕️

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2022年03月06日

Posted by ブクログ

ジェンダーのことを考えると、女性だけではなく、いろんな人が生きやすい世の中になっていくのではないかな。
「あなたの生き方は尊重されるべきであり、同時に、あなたと違う選択をする人も尊重されるべきなのです」
さまざまな事例から、現在のがっかりとともに希望も、ていねいに提示してくれる。自分の中のバイアス、次の人たちに譲り渡すことのないよう、邪魔をしないよう、心に留めなければ。

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2021年10月04日

Posted by ブクログ

「私達が何を当たり前と思って暮らしているか次第で、問題や格差は見えたり見えなかったりするのです。」(p19)

このフレーズが心に残った。これはジェンダー問題だけではなく、他のことにも言えると思う。
全てのものごとに対してわかった気にならず、様々な可能性を考えて、検討していくべきなのだと感じた。

ジェンダーの問題についてこの本を読んで知ったことは3つ

①自分が思っているよりも男女格差を無くすような取り組みがされていること

生活している中でジェンダーギャップを改善しようとする取り組みというものをあまり見かけなかった。そのため日本にも女性管理職を増やす取り組みがされていて実際に効果を出している企業があるということに驚き、嬉しく思った。

②北欧諸国の社会サービスが充実していること

高い税金を払う北欧諸国では、介護や育児のサービスを税金で賄っている。そのため、誰でもそのサービスを利用する権利があり、使用することで多くの女性の社会進出がしやすくなっている。
このように社会のために税金を使ってくれるなら税金が高くても構わないと思う。
一方、東南アジアなどの国では貧富の差が激しく、議員や女性管理職を担う人々は、貧しい女性を家政婦のような役割で雇っている。それだと貧しい女性達はいつまでも社会的に責任のある役職につくことはできない。
日本では、あまり家事・育児を他人に任せるということは一般的でないように思えるからこのどちらにも当てはまらないのではないかと思うが、前者のように誰でも平等に介護や、家事・育児のサービスを受けることができるようになってほしい。

③メンバーシップ型、ジョブ型の一長一短

和菓子店、洋菓子店と例に出しているところがとてもわかりやすかった。安定的な日本企業、特技を活かせる外資系企業、上司が仕事をしないと言う話をたまに聞くがこれが安定的な日本企業で起こる理由がわかった気がする。

この本を読んで、ジェンダー後進国の危険性について改めて理解することができた。日本の根強いジェンダー観を徐々に変えていきたいと感じさせる内容であった。

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2021年02月28日

Posted by ブクログ

男性の方が向いている、男性の方がいい。
ありがたいことに、私はそんな言葉を直接かけられるような環境にはいなかった。
本当はそれが当たり前なのだと思う。
学生時代までは女性であることの不利益はほとんどなかった。
けれども、それは親や教員達が守ってくれていたからだった。
一歩外に出れば、性被害もあったし、卑猥な言葉や容姿を揶揄する言葉をかけられることもあった。

周りを見てみるとどうだろう。
女性幹部が少ない大手企業、女性政治家が少ない政治、実際の不利益を見ない司法。
〇〇女子の乱発に、「男はそんな格好や考え方好きじゃないよ」と言った余計なお世話。
はっきり言ってそれら全て恥だと思う。
男の方が冷遇されている、クォーター制の導入は男性差別、女性が優遇されるサービスも多いし、結局主婦は俺らの金を使ってるだけ…思う分にはいい。
だが、機械の均等を奪っていることに目が向いていない。
そこかしこに散らばる男女格差。サービスと制度の違いもわからず、ただただ感情のみで動く。
感情は大切なモチベーションだが、それによって他者を貶めることは許されない。

なぜこんなに格差が言われているのに我が国はかわれないのか。
理由の一つに他人に優しくする余裕がないことが挙げられる。
男は男らしく、その呪縛が男女を苦しめていないか?

息子にランドセルを購入する時、彼は赤がいい、と言った。
私は赤でもいいと思った。
でも、もし、いじめられたら。私は紺色を薦めた。息子は妥協してくれた。
だから、小物類は好きなものを選ばせた。絵の具セットはハートがたくさんついたピンク色。縄跳びの紐もピンク。
誰かに言われたら、胸を張っていい、好きなものは好きでいい、みんなにいえばわかってくれるから、と伝えた。
事実、学校では、可愛いものが好きな〇〇ちゃん(学校ではさん、と呼ぶのが正式だが、子供同士仲良くなるとそう呼ぶ)と認識され、みんなと仲良くしていた。おかしい、と言い始めるのはもっと先だ。(219頁参照)
誰かに言われて、自分はおかしいんだ、と思う必要なんてないのだ。
それから、できることは男女の別なく自分で。できないものは適切なヘルプを。
男だから、女だから、ではなく、一緒に過ごす「人」として相手を尊重したい。
私にもジェンダーバイアスはあるけれど、あることを前提にして、歩み寄っていけたら思う。
「男らしい」「女らしい」ではなく、「あなたらしい」を尊重したい。

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2020年12月21日

Posted by ブクログ

ーー赤ちゃん好きの息子は早速近くに行き、あやしたり遊んだりしました。すると近くにいた同級生の女の子に言われたそうです。「赤ちゃんの世話は女の人がやることだよ」黙って引き下がる息子ではありません。「誰が決めたの?」即座に言い返すと、その子は下を向いて黙ってしまったそうです。(p.173〜174)

どもへの刷り込みは、育てる親や周囲の大人の責任。
まずは、著者さんとその息子さんに拍手。
そして、相手の女の子が、その後も良い学びを得ていますように。

それから、娘が2人いるうちの夫の頑張りにも感謝。
家事の大半を夫がこなす姿を生まれた時から見ている娘に「ケアは母親の仕事」という意識は無い。
もちろん、最初から夫が全部できたわけではない。私の長期入院や長距離出勤、キャリアの変化など、さまざまな状況が重なった結果、今の形になっている。けれど、もし、途中でくじけて夫の実家に同居していたら、夫がこれほど家事・育児に力を発揮する状況にはならなかっただろうし、夫の親離れも進まなかっただろう。何せ、姑の子離れが完了していないのだから。そして、そういう夫の姿が娘たちにとって少なくはない悪影響を与えたはずだ。
夫の実家での同居を拒み通して、本当によかった。

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2024年07月01日

Posted by ブクログ

・日本にはまだまだ女性取締役が少なく、海外に遅れをとっている。これを解決するために、社会が、会社が意図的に増加させる取り組みが必要だと思った。
・ダイバーシティーを促進することで、社会は豊かになる。
・女性差別もあるが、男性差別もある。
物語の中の、「男性と女性が会議室に入ってきた時、男性が上司だと感じてしまう」とあったが、私もそうだと思う。自分自身も、知らず知らずのうちにジェンダーバイアスを持っていないか意識する必要がある。
・女性だから、と海外転勤を諦めたりする必要はない。男女平等は私たちが実現していく。
・ジョブ型雇用とマーケット型雇用
今のことは、ジョブ型雇用が自分に向いていると思う。なぜなら、地方支社への転勤は自分にとっては厳しいから。会社が雇用を守ってくれると、自由なキャリアを描きたくても描けないと思う。

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2022年01月27日

Posted by ブクログ

勉強になった。
子供にはジェンダーバイアスを持たずに育ってほしい。日々の会話など、気をつけていきたい。

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2021年01月26日

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