あらすじ
13世紀末、現在のトルコ共和国の片隅で誕生したオスマン集団は、やがて三大陸をまたにかける大帝国となった。1453年ビザンツ帝国コンスタンティノープル陥落、1529年ウィーン包囲など、世界で最も強大な国家を築き上げ、イスラム世界の覇者として君臨した。世界史上稀にみる600年もの長きにわたる繁栄の理由は、さまざまな出自を持つ人々が活躍しえたことにあった――。優れた改革を推し進めたスルタン達、西洋列強に劣らぬ文化を確立した芸術家、そして政治に影響を与えた女性たちの活躍。多様な経歴の10の人生を通して、大国の興亡をひもとく一冊。
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Posted by ブクログ
青学史学科、東大文学博士
九大准教授
君主、女性(王室、革命家)、芸術家(建築含む)を取り上げる
●創始者オスマン一世 在位1299頃〜1324
・事跡やひととなりについて、確かなことはあまりわかっていない。
・二つの説
ルーム・セルジューク朝の後継者
ルーム・セルジューク朝の権威を認めず強引に独立
・ルーム・セルジューク朝のスルタン、アラエッティンには子がなかった。
・オスマン帝国の年代記は、建国から1世紀以上のち、15世紀に入ってからようやく書かれるようになった。
● コラム イスラム世界における奴隷
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奴隷はイスラム法(シャリーア)において一定の権利を保障されており、奴隷の所有者といえども、そのきまりを逸脱することは禁じられていた。
さらに、もし奴隷が君主など有力者を主人としているならば、一般人よりよほど強大な権力をふるうことができた。