あらすじ
E病院で入院患者の連続不審死が発生。噂を聞きつけた週刊誌のフリー記者は、独自に調査を始める。同僚への聞き込みの結果、疑いは一人の女性看護師に。コミュニケーションが苦手で不器用。院内では問題児だった彼女。だが、証言者たちの供述に記者は違和感を覚える……。誰もが表と裏の顔を持っている。何が真実で何が嘘なのか。集団社会に潜む人間の悪意を描く長編ミステリー。
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Posted by ブクログ
噂や偏見で人を決めつけることはしてはならない、これは誰もが認識していることだが社会における人間関係には気を付けていても噂や偏見が邪魔をしあの人はあまり良くない人だ、と思ってしまったり況してや面識のない人物の事を、人から聞いた情報だけでイメージを作り上げてしまうなどといったこともある。
これが度が過ぎてしまった場合、イメージやレッテル張りにより酷く相手を傷付けることにもなりかねない。集団虐めの根底にも上記のようなことが混在しているのではないか、と思うことも度々ある。
本日はどうされました?は、そのような噂や偏見、レッテルなどといった社会にありふれた、目を背けてはならないものについて深く考えさせられる本であった。
まず目次に人の名前が羅列してあるのにまず目を引かれた。"まなちゃん"のヒントがそこに隠されているような気がしたので敢えて目次に戻って確認することはしなかったが、それをしなかったことにより"まなちゃん"が本当に真中さんなのではないか???と読んでいる自分自身も一瞬惑わされたのも事実である。
病院関係者の複数人からの異なる視点から事件を見ることができた。人をどう印象付けてしまうかは、その時の環境や生まれ育ち培った性格などが反映される気がすると感じた。
人間関係に迷った時や人付き合いが増えたときに人の何を見るか、決して他人から聞く噂や偏見によって決めつけるなんて事はしてはならないのだと改めて感じさせられた一冊だった。
Posted by ブクログ
ジワジワ来る違和感。語り手が変わる話は最近流行っているのかよく見るけど、個人的には区切りも早くて好き。膨らんだ違和感が解決した時、自分が何処から「まなちゃん」を勘違いしていたのか、違和感を感じたのか知りたくなって久しぶりに読み返しても良いかも…という本で嬉しい
Posted by ブクログ
たくさんの人から語られるとある人物。良いことや悪いことも様々な言い分があるので、いい人なのかも、でもやっぱり悪い人なのかもと見事に作者の手のひらで転がされていた。
中盤から良い印象と悪い印象の差があまりにありすぎて、違う人物のことを言っている?と分かってしまった。
Posted by ブクログ
ある看護師が勤務の時にだけ亡くなる人が多い、そんな事件を週刊誌の記者が探る。
同僚、患者、母親などそれそれがいいたくないような顔をしながら不満を噴出させる、その様子がイライラする…小説なのでそれを楽しめます。悪魔も真中さんも、そんな人いるいる…って。
面白かったです。
加藤元さん、顔写真を拝見して女性だと初めて知りました。
Posted by ブクログ
淡々と関係者のヒアリングが行われる形で物語が進んでいきますが、個人的にはその中に抑揚が少なかったのではないかと思いました。
推理という観点からは、面白みを感じれる気がしますが、あえて実名を使わずに進められる構成は個人的には好みではなかったです。
Posted by ブクログ
最初「なんだなんだ?」となりながら読み始めて、読み進めるほど状況が理解出来ていく系。
そして完全に理解出来たと思ったところで、置いていかれる。そしてまんまと衝撃の事実を突きつけられる。(それが楽しいからミステリを読んでいるところがある。)この本もそういう系でした。
人間の嫌な部分が表現するのが上手いですね。
誰かの意見だけで誰かを判断して、別の面から見たら良い人だったりして。自分の浅はかさを突きつけられました。
Posted by ブクログ
しかけや結末は予想通りで、もう一段階欲しかったところ。
それとも私が気づいていないだけで、もう一段階あるか……?記者の無自覚の悪意(情報提供者を明かしていること)から発展あるかと期待した。
悪意も悪意としてわかりやすく描かれていたので、さくさく読めるイヤミスでした。
タイトルは医者のセリフだと思っていたので、実は医者でした、とかね。