あらすじ
若き大学教授とその付き人という関係から一歩踏み出し、新たな生活を送り始めた黒猫と私。ある日「本が降ってくる奇妙な夢を繰り返し見る」という女子学生の相談を受けた私は、黒猫と共にその言葉の真意を探り始める。だが、まもなく当の女子学生が詩集に“降られ”昏倒する事件が……巻頭作ほか芸術展への脅迫事件、覆面画家が残した風刺画の真実など、現代アートをめぐる5つの謎に黒猫と付き人が迫る書き下ろし短篇集
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Posted by ブクログ
最初のふたりのシーンからにやにやが止まらず、マスクしててよかったと思いました。もやもやしてる付き人もずっとプレゼントするために準備してた黒猫も可愛いです。謎解き面も付き人は成長が見られているし、このまま進めばひとりで解決出来る日もくるのでは。黒猫も追いついてくるのが楽しみであり、でも頼ってほしい部分もあるでしょう。
まだまだふたりを見ていたいので、ずっと続いてほしいです。
Posted by ブクログ
駆け抜けるように読むのは惜しく、少しずつ味わうように読んだ。色や匂い、ドーナツの甘さが小説のスパイスになっているように思う。
誰と過ごしたいか、あるニュースを自分はどう解釈するのかをじっくり考えてみたくなった。ミステリーでもあり少し自己啓発の要素もあると思う。読む人の背中を押してくれるような小説だった。黒猫と彼女の会話だけの見開きがあり、言葉で二人の距離を確かめ合うシーンに美しさを見た。この二人なら大丈夫だと思うし、これからも二人の歩みを見たい。
Posted by ブクログ
発売日当日に買い、ちょっとずつ読み進めてようやく。一言でいうなら「黒猫シリーズはいいぞ~」。
今回もポーの作品が絡んでいるのは嬉しい。しかも「黒猫」は遊歩でも扱ってましたね……。そして今回は割と最近の話題やニュースを取り扱ったものが下敷きになっているので、黒猫シリーズの中では取っ付きやすい1冊。
「本が降る」
奇しくも読んでいるときにTOKIOの元メンバーが捕まるという……。太宰治も同じようなことを書いていたし、どうしても太宰が好きっていうとなんか暗い?自殺しそう?みたいに感じられる(最近はそんなことなくなってきてるけど)と思ってたから、黒猫の言葉は救われた気になった。
誰かの代わりに……は後述の贋作の話にもつながりそう。
「鋏と皮膚」
冷花さん回は黒猫の私生活が分かるのでありがたき(?)。<皮膚>は<被服>の語感の類似を考えたり。まさかね。
「群衆と猥褻」
黒猫がいろんな意味で一番ひやひやした回では?食わず嫌いではないけれど、猥褻という概念の見方が変わってくる。
そして戸影クン頑張って!
「シュラカを探せ」
え、まさかと思ったら……。私も理解できる日が来るのだろうか。
灰島が息吸うようにドーナツ食べるのは一体……。そして補講読むと黒猫やっぱり拗ねてるよね。ナデナデまでなんかいいよな~~と思ふ。
「偽と贋」
模倣の話(遊歩)ともまたつながりそう。そして最後~~!!黒猫はずっと恋ですからねえ。付き人ちゃんはそうでもないみたいだけど(安定)。
「実業家」「鋸山奇譚」「悪魔に首を賭けるな」は未読なので読みたいと思う。
Posted by ブクログ
冷花のはなしが特に好き。
黒猫の「弟」の顔が見られるのも良き。
「結局人生は行動が全て」と黒猫は言う。
「言葉は揮発性」とも言う。
はんぶんは賛成。
黒猫にとって言葉は、大切なことを伝える手段ではないのかな…と思ったり。