【感想・ネタバレ】くらげ色の蜜月のレビュー

あらすじ

倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある――。

初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。
新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。
アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。
女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。

光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。

文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集です。戸川昌子、やはりぶっ飛んでいる。
「隕石の焔」、「くらげ色の蜜月」、「聖女」がいい。
特に「聖女」はエグい。読後、呆然とした後、えぐみがせり上ってくる。登場人物への悲哀と同情とそれにも勝る嫌悪感。凄い。

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2023年07月05日

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