あらすじ
【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子
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Posted by ブクログ
正直言って面白すぎる。
前作であるメインテーマは殺人がそこまでハマらなくて、本作を読むまで1年くらい期間が空いていたけど、もっと早く読めばよかった。
「この時点で、私はすでに手掛かりを3つ見逃し、2つ読み違えていた」
この1行がとても粋な読者への挑戦状なんだよね。「あなたは見抜けていますか?」って
そこの章をもう一度読み返して考察するんだけど、真相を知ったときは「やられた!!」と叫ばずにはいられなかった。
フェアプレーで騙されるほど悔しくて爽快なものはない。
Posted by ブクログ
ホーソーンシリーズの2作目。実直で手強いと評判の弁護士が殺害された事件を追う、ホーソーンとホロヴィッツのコンビ。
かなり前半でホロヴィッツは「この時点で私は手掛かりを3つ見逃し2つ読み違えていた」と書く。そこからその見逃しと読み違えが錯綜し、他の情報や余計な横やりなんかも入ってきて…後半の謎解き部分でもどんでん返しがあっての結末。なるほど、してやられた!確かに怪しいやろコイツ…。
と真犯人を充てるところは当然面白いのだが、それ以外もなかなかに面白い。ホーソーンが読書会、それも斑の紐?とか、エゲツない手法でホロヴィッツをはめようとする女警察官とその部下とか、洞窟探検事故に隠された真実とか…。
ホロヴィッツ(登場人物の方)が翻弄される紆余曲折の一つ一つが読み処なのである。ミステリーのテクニックである目くらましなんだろうけど、目くらましがこんだけ上質だと、騙されても卑怯とは思えない。
正攻法、正統派の謎解きを評価されるこの小説、このシリーズ。ただ単に真っ向勝負なだけじゃなく、相当な技巧に裏打ちされた真っ向勝負なんであり、それだからこそ面白いのである。
Posted by ブクログ
アンソニー・ホロヴィッツ作品を読むのは3作目。これまた最高に面白かった。(この人の本にハズレは無さそうだ。)
犯人像や、英語ネイティヴで無いと一部面白味が感じにくいところなど、エラリー・クイーンの「Yの悲劇」に通じるものがあった。(雰囲気はクリスティへのオマージュだそうだが。)
昔の洞窟の事故が殺人の動機に絡んでいるのは間違いない、と誰もが分かっているのに、犯人が絞り込めないまま、最後の犯人当てに突入して、すべての伏線が一気に回収される、という展開はミステリー読み冥利に尽きる。
Posted by ブクログ
『メインテーマは殺人』を読んでそのまま一気にこちらも読んでしまった。ホーソーンの暮らしも少し垣間見えたり、読書会とか意外な一面が見えたり面白かった。事件の方もとても面白い。シャーロック・ホームズとの関連とかも面白くて良いな~。
Posted by ブクログ
「相棒」って、原文では何と言っているのだろうな。“brother”かな。“partner”じゃないような気がする、なんとなく。オーストラリアだと“mait”なんて言ったりするって、昔どっかで読んだことがある。アメリカの吹替ドラマをよく観るけれど、そういうタイミング、つまり台詞のお尻で相手に念押ししたかったり呼びかけたいときは「相棒」じゃなくて「でしょ」って言ってて、たぶん“don't you?”とか“right?”とかじゃないかと(確認していないけれど)。
ネタバレですよ
万引きの件が解決していないけれど、次の巻でなんとかなるんだろうか? アンソニー(作中人物としての)って、人気ドラマの脚本やベストセラー小説を書いている才能あふれる大作家なのに、コントかよ? って言いたくなっちゃいそうな間抜けっぷりが楽しい。でもあと8冊かぁ。今のところ翻訳で4冊目が出たっぽいけれど、先は長いなぁ。どうかそれまで、紙の本が自由に手に入る平和な世界が続きますように。(2024-04-16L)(2024-05-07L)(2024-05-28L)
Posted by ブクログ
・あらすじ
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ二作目。
弁護士殺人事件と数十年前に起きた洞窟での事故。2つの事件の解決がメインに進められていく。
・感想
これは残り1/3のところで犯人分かった!トリックはわかんなくてとあるセリフでピンときただけなんだけど。
ホーソーンは相変わらず謎な人物。
私は絶対アンソニーの本の読者、なんならファンなんじゃないかと思ってるんだけど…わからんけど。
シリーズ3作目は先に読んでしまってるから早く続きが読みたい。
Posted by ブクログ
先月・今月と立て続けに読んだホロヴィッツ作品。今回はこれで3作品目、そして、探偵ホーソーン・シリーズとしては第二弾です。
いやはや、今度は離婚弁護士が殺されたという話。
今回もまた容疑者は多く、しかも謎のメッセージまで現場に残されている。果たして犯人は…。
・・・
前回読んだシリーズ第一弾『メインテーマは殺人』では、どうにもホロウィッツ氏と探偵ホーソーンの仲が良くなくて、それがちょっと気持ち悪く感じました。
今回もどうかなと思いましたが、ちょっとした衝突は相変わらず。
でも何というか、そういう衝突もこなれてきた?というか、ホロウィッツ氏もホロウィッツ氏で、どうにかしてホーソーン氏の素性を探ろうとして暗躍?するなど、頑張っていましたね。
攻められつつも、ちょいちょいやり返す!?ようで、前回のような居心地の悪さもそこまでなく、むしろ面白く読めました。
ただ今回も、ホロウィッツ氏は迷推理をかましたり、ちょっとずっこけた立ち位置でしたが、前回と今回を両方読んで、ホロウィッツ氏は言わば読者の投影として自らを描いているのかな、と思いました。
いくら脚本家と言えども本職の警察官とは違うし、そのあたりは実力にギャップがあるわけで、そのギャップをホーソーンが鮮やかに回収するところにwho’d-done-itの面白さも光るのだと感じた次第。
でも筆者はちょっと自分役を意図的に落とし過ぎているかもしれませんね笑。
そうそう、本作で結局殺人事件に絡まなかったインド系の筋ジストロフィの少年がいました(ホーソーンの友人とか)。どうやらホーソーン・シリーズは10作くらい予定しているそうですが、将来的にきっと他の作品で登場するのだろうなあ、と思いました。
なお、今回もあっと驚く展開で締め括りますよ。
・・・
ということで、ホロウィッツ氏のホーソーン・シリーズ、第二弾でした。
楽しく読ませて頂きました。名前がこんがらがるのを除けば、ぐんぐん楽しく読める絶品エンタメ推理小説だったと思います。是非シリーズを順番で読んで欲しいと思います。
大矢博子さんの解説も、シリーズ全体を俯瞰できるような説明になっており良心的であったと思います。
Posted by ブクログ
1巻を読んで、そのままズルズルと引き込まれて、2巻もあっという間に読んでしまいました!
1巻と2巻を比べると、似ている点があります。
過去の事故または事件が、今の事件に深く関わっていること。
ストーリーの終盤で、主人公が犯人と対峙する場面。
ハッピーエンドではないこと。
どれも、シリーズものにはよくあることかもしれませんが、
私には、これが続くと物足りないなという気持ちもあります。
個人的な好みのレベルの話ではありますが…
ちなみに、犯人は途中でわかりました。
動機とか細かいところはわからなかったけれど…
あと「補遺」のところに書かれていたことから、この事件全体にうずまく、
悪意、嫉妬、保身などの人間の醜さが垣間見えて、おもしろかったです。
考えさせる内容でもありました。
でもその反面、「補遺」の内容をもっと深掘りして書いてほしい!とも思いました。