あらすじ
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エドワード・バーネイズは「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれたアメリカ人広報マン。1891年ウィーン生まれ。1995年に没したが、戦争宣伝から商品の売り込みまで、ありとあらゆる宣伝活動(プロパガンダ)に従事した。心理学者ジークムント・フロイトの甥であり、多様な心理学手法を駆使して世論操作、大衆の合意形成を行う。「プロパガンダという技術をプロパガンダする」目的で書かれた本書は、W・リップマン『世論』と並び、PRマン、広告関係者必読のバイブル的な存在となっている。
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Posted by ブクログ
20世紀前半に、「広報・宣伝(PR)の父」と呼ばれた広報マン、バーネイズが著した、プロパガンダ(宣伝術)の入門書。
プロパガンダをプロパガンダするために著しているので、悪用された時の危うさとか問題点とかは書かれていない。しかしその点は訳者自身がまえがきと解説で補っているので、PR/パブリック・リレーションズ(宣伝術)の古典として読むには申し分ない。
具体的な方法は書かれていないが、それは「時代時代によって流行り廃りや有効無効があるから、基本は本書で教えるから実践に必要な物は自分で揃えなさい」ということなのだろう。
実際に読むと、本書で記されたプロパガンダを利用することで解決できる諸問題の多くが、現在(21世紀)の日本の諸問題の大半に当てはまることに驚いた。特に現在の日本の政治活動の現状が、本書に記された当時、つまり1世紀近く前のアメリカの政治活動の現状とほぼ同じで、これは今の方法で問題ないと思っているのか、法律上の規制でしたくてもできないのか、効果的な宣伝はしているけれど、私が知らないだけなのか。いずれにしろ、もしかしたら、本書の内容は今の日本にこそ必要な要素なのかもしれない。
ちなみにプロパガンダとPRはほぼ同義、つまり本書に書かれたプロパガンダ手法の原則は、そのまま自己PRの原則に通じるので、就職活動等で自己PRが求められて悩んでいる人は、試しに読んでみてはいかがだろうか。