あらすじ
深夜、整形外科医・棚田のもとに松雪颯太という青年が運び込まれた。
階段で、誰かに後ろから突き落とされたという。
身寄りもなく、謙虚で穏やかな青年と打ち解けていった棚田は、松雪が病院内で心配なく過ごせるように勤しむ。
だがある日、看護師から信じがたい話を聞き――。
『箱の中』『嫌な奴』の著者がおくる、人間の心の深いところをえぐるような、傑作短編集。
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Posted by ブクログ
4つのお話が入った短編集です。
総評
木原音瀬先生、変態ですか…?(ガチ褒め言葉)
ここからネタバレ注意です!
罪と罰
こういう話は好きだが、後味はものすごく悪い。なぜ人を殺しておいてその現場の動画を撮っているんだろう。殺人の事実より殺し方より、それが一番こわいかも。
この青年を助けてあげたい。からの、疑い…からの、恐怖…心理描写がすごかった。
消える
この話は手紙の内容から始まる。最後まで手紙っぽく終わるのか?と思うほど長い手紙だった。内容も重い。手紙が終わった時、ああ、手紙終わるんだ。と思った。手紙を読んでいる人物が、手紙を宛てられた人物でないことを知る。それで、まさかの、差出人の弟へ会いに行くという…兄から弟への歪んだ愛。想いを伝えられない。罵ることしかできないのか…かわいそうに……そして、本当は大好きな弟には本気で嫌われるという…不器用でかわいそ〜><
ミーナ
もしかしてこの本、1人ずつヤバ人物が出てくる…?
嘘つく子って一定数いるのかしら。嘘をつくのを悪いことだと思ってないところがめちゃくちゃサイコパスっぽくてヤバかった。でもそれで有名なサッカー選手と結婚できてるのすごいな…ヤバ女ヤバすぎる
虫食い
すっげーBL読んじゃった。なんて感情ですか?
大好きな親友に虫を食べてるところ見せちゃう。「変態」って言われるの喜んでるんでしょ!!!!!変態!!!!!大好きな親友がいじめられてるのを阻止!!大好きな親友の指舐めたり噛んだりしちゃう!!重い〜クソデカすぎる〜〜〜見た目めちゃくちゃ優等生の委員長なのクソやばいですね。てか、こんなヤバいやつなのに、親友も優しいな…
Posted by ブクログ
最近ハマり始めた木原音瀬さん。
何とも言えない嫌な感じの、心がザワつく短編集だった。
虚栄心から呼吸をするように平然と嘘をつく「ミーナ」と、人から気味悪がられる秘密を持つ学級委員長の「虫食い」が印象的だった。
特に「虫食い」は、虫食べた事あるよね?ってくらい生々しい描写で、気持ち悪いしゾワっとするのに、怖いもの見たさでページを捲る手が止まらなかった。最後もねぇ‥この後味の悪さがクセになる(笑)
Posted by ブクログ
最後の虫食いが一番好きでした。生き物を咀嚼する趣味のある男の子が、ラストシーンで幼馴染の指を恍惚の表情で口の中で味わう場面が衝撃的でした。「お前、すっげ優しいのに……どうしてなんだろな」と嫌悪の表情を見せながらもそれを辞めさせようともしない関係性は、依存なのかはたまた別の何かなのか。感情が揺さぶられました。
Posted by ブクログ
「虫食い」は、気持ち悪くて、食べてる描写はだいぶ飛ばしました。猫もいってるし、そのうち人もいくなと思わせるところが気持ち悪かったです。踊り食いはだめだな。