あらすじ
累計150万部の大ヒットファンタジー『八咫烏シリーズ』の外伝集。
異世界「山内」の壮大な歴史の流れの中、主要人気キャラクターたちは
どんな風に育ち、一方でどんな関係を結び、事件の裏側でなにを思っていたのか。
美貌の姫君へのかなわぬ想い、愛を守るための切ない大嘘、
亡き人が持っていた壮絶な覚悟、そして、「命をかけた恋」……
本編では描かれなかった、「恋」の尊い煌めきが満ちる魅惑の短編集。
2020年ついにスタートした第二部『楽園の烏』の前に必読!の書。
※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
潤う
追憶まで読みました。それぞれの良い時間を通り越してしまったような気がして寂しい思いでしたが、ここに喜びが記されていました。これを読まずして先には進めないですね。外伝があって良かった。
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気になってた!っていう人たちの話でとても面白かった。
特に、松韻の「まつばちりて」と雪哉の二人の母たち「ふゆきにおもう」が好き。
「まつばちりて」は、松韻の成長による気付きが切ない。なにも知らないままだったら、生きていけたとかもしれないのに⋯。
純の想いも辛い。愛が憎しみに変わるとはこのことだ、を体現したような話。
そして女性と男性との平等とは何か、というのも考えさせられる。
「ふゆきにおもう」は、なぜ梓が冬木のことを悪く言わないのかがすっきりする。
冬木は雪哉みたいな人で、本質的なものを見ることができるとても賢い女性だった。
梓はそんな冬木が大好きで、冬木も梓を可愛がっていて。この2人だけで世界は完結していたのに。
そこに本人は不本意とはいえ、突如割り込んできた雪正。最初から梓が好きだったから仕方ないとはいえもうちょっとうまくできんのか!と思ってしまった。
でも冬木の心を持って、梓に育てられたから雪哉は捻くれつつも家族を大事に思う男に育ったんだろうな。
これから第二部読むけど、梓に育てられた部分を支えに、雪哉が闇落ちしないことを願う。
Posted by ブクログ
それが気になってた!なエピソードばかりでした。
特に、落女は『烏は主を選ばない』でちらっと出たときから気になっていたものの、その後登場が無かったので、今回深掘りされて嬉しかったです。
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八咫烏シリーズ外伝 烏百花 蛍の章
本編シリーズで「ここ気になる」というところを狙ったような短編集。
1.しのぶひと
『弥栄の烏』で出てきた、真赭の薄と雪哉の縁談話にまつわる話
2.すみのさくら
『烏は主を選ばない』で出てきた、浜木綿の両親にまつわる話
3.まつばちりて
後に記載
4.ふゆきにおもう
雪哉の実母と養母にまつわる話
5.ゆきやのせみ
シリーズ3作目『黄金の烏』の後、4作目『空棺の烏』の前までにあった、若君と雪哉のエピソード
6.わらうひと
第一シリーズ終了後(弥栄の烏後)の真赭の薄と澄尾の話
の6話構成です。
【ピックアップして感想】
3話目の『まつばちりて』は非常に最近散見される議論ような内容につながるなぁと思った話です。
金烏の妻である大紫に使える女性の中で、女性としての性を捨てて、男性として宮中にはべる「落女」という存在があります。
(いうなれば、宦官と逆の存在かな?)
その落女としての主人公である“松韻”と、
その同僚である男性文官(蔵人と呼ばれる)の“忍熊”の物語である『まつばちりて』なのですが、
忍熊は落女という存在が気に入らず、松韻に対して難癖をつけてくる。
↓ネタバレ注意↓
その言い分としてp.129〜
「どれだけ男の格好をしようが、お前達はどっからどう見たって女だぞ。しかも男であるとされながら、後宮には出入りできるし、断髪まで強制されている。建前ですら男扱いが徹底されていない状況で、女扱いするなと本人ばかりが息巻いている」
p.230
「女であることを誇るなら、女の格好のまま、女の官人のして働けばよいではないか」
この言い分の主張というのは、
フェミニズムをどう捉えるかという問題でもあるのですが、、、
現在日本では、
“男は仕事をして稼ぎ、女は家庭を守るもの”という考えから“男女平等として、働きたい女性は平等に働ける社会へ”に変わり、
その結果、女性が働く機会が増え、働くことの方が一般化し、
一方で、女性の性としてしかなし得ない出産関連はそのまま負担がありつつ、
子育ての面・家庭での面も、男性に振り分ける割合として、働きに対する“男女平等”と同等までは達していない。
その“男女平等だから社会へ”という主張と
実際に女性が請け負っている負担のねじれの問題を、
忍熊は突いているんですよね。
またトランプ大統領が、「性別は男女のみ」と発言し話題になりましたが、
そういう部分での、どうしても性別による体の向き不向きもあれば、脳の仕組みによる向き不向きもあるところでの、
性別という区別の問題の話でもあるなぁと思いました。
それがスルッと受け取りやすく読めるのは、
そもそも昔の日本のように、八咫烏の世界がそもそも男の役割・女の役割で当たり前の世界の話だと認識してるからでしょうね。
【全体として】
本編の中で気になったところを補う短編で、
特に真赭の薄と澄尾に関しては、本編で気になるのに描ききれないところだったので、
この烏百花の初めと終わりに描いていて、第一シリーズが落ち着いた気持ちになりました。
Posted by ブクログ
外伝、短編集
「しのぶひと」…真赭の薄と済尾の話
そんな事があったとは!と驚いてしまった。
千早も良く人を見てるね。
「すみのさくら」…浜木綿が浜木綿になるずっと前、
若宮の悪友になるまでのこと。
子どもの頃に一緒の二人を想像すると楽しい。でも、
今もきっと変わらない関係なんだろうなというのが、
真赭の薄の描写でわかる。
若宮のさくら、見てみたい。
「まつばちりて」…二人の能筆家の話
これは悲しかった。でも、若宮・雪哉・澄尾が飛び
回る山内の世界ではこうして他の八咫烏にもそれぞれ
人生があり、必死に生きてるんだと、山内の世界観に
深みを与えた。
「ふゆきにおもう」…雪哉の実母と育ての母の話
雪哉のあの優秀さと性格がどんな人から受け継がれた
のかを知る事ができ、雪哉がますます愛おしくなる。
同時に、梓がどれだけ雪哉を想っているかも知ること
が出来て温かい気持ちになれる。
「ゆきやのせみ」…雪哉が蝉を食べるだけの話
とあとがきで阿部先生が書いてありましたが、その
通り。でも、雪哉が若宮を叱ってる様子や、若宮と
済尾が小さく(若宮はそうでもないか)なってる様子、
雪哉と若宮が雨宿りしてる様子を想像すると、とても
楽しくなる。読者の知らないところでも、確実に3人の
信頼関係は築かれていたんだと認識させられる。
「わらうひと」…再び、真赭の薄と済尾
済尾に幸せになって欲しい!
気持ちを素直にまっすぐに相手に伝えられるところが
かっこいいし、惹かれたきっかけが済尾らしくて、内
面も魅力的だと思った。
Posted by ブクログ
澄尾さん、好きすぎて……。
「しのぶひと」で泣いて、「わらうひと」で真っ直ぐさに貫かせる。
どの短編も好きだが、「まつばちりて」で松韻が出てきて「おや、意外」と思ったら、素敵な話で松韻さん見直しました。
雪哉の母、冬木についても梓視点で明かされて、きらきらしてるなと思った。
あとがきを読んで、もっと「ゆきやのせみ」的なエピソードも読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
短編集だったこともあり、あっという間に読めた。
本編を補完してくれる内容でとても楽しめた。
中でも墨尾と真赭の薄の話は本編の後日談で、気になってた部分でもあったので、二人の会話にちょっとニンマリしてしまった。
Posted by ブクログ
いやいや、本編に関係ないとはいえ、珠玉のエピソードの宝庫ではないか!
特に真赭の薄!
1巻の『烏に単は似合わない』のときは、あんなにいけ好かない女だったのに、こんなに格好いい人になるとは思ってませんでした!
「しのぶひと」
『弥栄の烏』でチラっと出てきた、雪哉と真赭の薄の縁談エピソード。
しかし、真赭の薄はどうしてそこまで拒むのかな。
やっぱり、浜木綿が好きなんかな。
「すみのさくら」
浜木綿と若宮の幼少期のエピソード。
彼女は最初から、若宮の妻になる気はなく入内していたのか……。
結果的には浜木綿が正室になり、これ以上の伴侶はいないと思われるのだが。
「まつばちりて」
誰の話かと思ったら、藤宮連で確かに"松蔭”という人がいたな、と思ったり。
けど、彼女が登場するシーンの記憶があまりないし、突然出なくなったとかも全然覚えていない。
「ふゆきにおもう」
今まで(多分)名前すら出てこなかった雪哉の実母、冬木と養母、梓の話。
雪哉の狡猾さと性格の悪さ、そして賢さは母譲りだったのか……。
最後まで、冬木を真に理解しているのは梓だけだったし、冬木の思いに涙が止まらない。
「ゆきやのせみ」
蝉を食べる描写がなんとも……気持ち悪い。
「わらうひと」
一話目の「しのぶひと」と対になる話。
澄尾の想いにこれまた涙がちょちょぎれる……。
澄尾は今は勁草院で教えてるっぽいけど、まさか山内衆に復帰するのか!?
Posted by ブクログ
本編が好きになるほど外伝が嬉しくなる。
【しのぶひと】
気になってた雪哉と真赭の薄の縁談の話。
身分やら政治やらの話をしたらお互いちょうどいい相手なんだろうけどね。
若宮夫妻は似たもの同士で仲がいい。んでもって二人とも人が良い。
真赭の薄に良い縁談をと考えてるから優しいと思う。真赭の薄の事は無視してしまってるけど。
【すみのさくら】
浜木綿と若宮の出会いはもっと野性的な感じかと勝手に思ってた。八咫烏の姿で山の中とか。
でも実際は色々と危ない出会いですね。ばれたらどうなってたか。
浜木綿は姉の様な目線で登殿したけどまさか夫婦になるとはね。
【まつばちりて】
あの人はもう居ないのか。
大紫の御前に無いものを得た。
亡くなったけど、ある意味大紫の御前に勝ったと言えるのはこの人だけでは?
【ふゆきにおもう】
雪哉はだいたい生みの親譲りだったんですね。特に賢さ。体が丈夫であれば本当に将来有望な人だったのか。
育ての親の梓さんは冬木さんの事、嫌いでは無いだろうと思ってたけど主従関係だったとは。
主従関係だけど良い関係。
いいものでは無いだろうけど側室に選ばれたのは梓さんて良かった。
兄弟仲が良いのは梓さんが大切に育てたからですよね。
まさかここで若宮と雪哉が出会っていたとは。
雪哉の父は参謀になった息子に対してどう思っているんですかね。
【ゆきやのせみ】
墨丸の戸籍に驚きは無い。
けど何をしてきたんでしょうね。
若宮が後ろで頷きながら拍手してるのは面白い。
若宮って凄いと思うんです。捕まってしまったのはしょうが無いと思うんです。思うんですけど蝉は食べれるかそんな真剣に考えないで欲しい。笑ってしまう。
【わらうひと】
同期は誰も縁談相手に雪哉を勧めない。
勁草院で言った相手に求める事だけが原因じゃないですよね。
私はシリーズ4で楽しそうに煽りながら喧嘩してたのを思い出す。
澄尾さんは凄くかっこよくて凄く良い人。
左手足が無くなっても弱くなったとは思えない。
身分が必要だと思う時もあるけどこういう時、身分が煩わしく思う。やるせない。
Posted by ブクログ
八咫烏シリーズのファンにとってはたまらない一冊。登場人物それぞれにまつわる短編が6章収録されているんですが、どれも良かった。
「ふゆきにおもう」と「わらうひと」の章が特に好きです。
Posted by ブクログ
異世界「山内」の壮大な歴史の流れの中、主要人気キャラクターたちはどんな風に育ち、一方でどんな関係を結び、事件の裏側でなにを思っていたのか。
美貌の姫君へのかなわぬ想い、愛を守るための切ない大嘘、亡き人が持っていた壮絶な覚悟、そして、「命をかけた恋」……本編では描かれなかった、「恋」の尊い煌めきが満ちる魅惑の短編集。
「文藝春秋BOOKS」より
外伝.この話は、あの時の!と分かるあたり、本編の描写がしっかりしているからなんだろうなと思う.読み進めるごとに、作品への理解が深まり、物語が分厚くなっていく.
本編で詳しく描かれていなかった部分のエピソードもあって、それもまた物語を奥深いものにしている.
Posted by ブクログ
『恋』にフォーカスをあてた短編集。
【しのぶひと】
真赭の薄と雪哉の縁談の裏話と澄尾の切ない恋心。
冒頭すっかり大きく成長した雪哉に貞木かと思いきや、霜試との発言があったのでまだ草牙の頃の話でしたね。一年半で真赭の身長を越すほど成長したのね…。
澄尾は山内衆としてものすごい実力を兼ね備えた人なのに、人間味が溢れてていいですね。
千早くん、察しが良すぎませんか?
【すみのさくら】
浜木綿の過去の話。
青嵐の想いに泣ける。
融殿はシリーズ通してずっと考えが読めなくて怖いです。
【まつばちりて】
まさかの松韻のエピソード!
『主』でちらっと登場したキャラをここまで掘り下げるとは…!切ない。
【ふゆきにおもう】
雪哉の産みの母、冬木の話。
雪哉の頭の良さや兵法の上手さは母親譲りであるとともにやや捻くれて世界を見るところもそっくりでしたね。
でもその裏には誰かに理解してほしい、という孤独な気持ちがいずれもあるんだよねぇ…
またコミカライズを読んでからずーっと気になっていた幼い頃の若宮との会合シーンがここに来てようやく分かったのが嬉しかった〜!
【ゆきやのせみ】
異色エピソード。
若宮、雪哉、澄尾の珍道中話。
時系列としては「黄金の烏」と「空棺の烏」の間。
相変わらずの若宮に振り回される雪哉たちを描いたドタバタ劇でこの流れで切ない話がくるもんだと思って構えていたので、「うそ!?ここで終わるの?」という感じでしたが、めちゃくちゃ笑えました。
雪哉の薄情っぷりに呆れる澄尾すごい好き。(「黄金の烏」の『悪い男になるなよ…』もすごい好き)
久しぶりに若宮に対して辛辣な雪哉がいっぱい読めてニコニコ。
【わらうひと】
「しのぶひと」のアンサー的おはなし。
時系列的には「弥栄の烏」の後の話。
真赭にも澄尾にもほんと幸せになってほしい。
読み終わった後はすごく爽やかな気持ちに。「しのぶひと」から始まり「わらうひと」を最後に持ってきた収録順が完璧すぎて思わずため息が出ました。
明留くん苦労人になりそう…笑
千早くんほんと察しが良すぎませんか……!???
次から第二章!!
あ〜〜〜〜〜楽しみ!!!!
Posted by ブクログ
阿部智里の筆による『烏百花 蛍の章』は、八咫烏シリーズの本編を支える豊潤な土壌を照らし出す外伝である。本書に収められた物語は、単なる“余話”にとどまらず、既に馴染み深い人物たちの心の奥に潜む情念や葛藤を細やかに描き出し、読者に新たな気づきを与えてくれる。
特に印象的なのは、各短編に漂う静謐な哀感である。それは決して救いのない悲劇ではなく、登場人物たちが背負う弱さや矛盾を真正面から照らす光であり、物語世界に深みと厚みをもたらしている。澄尾の忍耐と孤独、真赭の薄と仲間たちの関係の変化、そして松韻の凛とした選択は、読者の心に長く残響する。これらのエピソードは、本編で描かれる壮大な物語の裏側に息づく小さな声をすくい上げ、シリーズ全体をより多面的に輝かせている。
読み終えたとき、そこに残るのは哀切と同時に確かな充実感である。著者が生み出す世界は、単に英雄譚を語るのではなく、人の心の複雑さや儚さをも織り込みながら、読者に「生きるとは何か」を静かに問いかける。本書は、八咫烏シリーズを愛する者にとって欠かすことのできない一冊であり、また文学的にも高い余韻を残す短編集である。
Posted by ブクログ
先輩からお借りした本の続きです。
私の苦手な短編でございました(^◇^;)
私の苦手なファンタジーで短編ですけれども、貸して頂いたものに文句を言ってはいけません。読みますともっ (๑˃̵ᴗ˂̵)و
『しのぶひと』
端午、桜花宮前の馬場において競馬が行われる。神事の中で、選りすぐられた大烏の背に乗ったまま、土器で作られた赤い鹿の像に向けて矢を射る儀式が行われる。
その儀式に抜擢されたのは雪哉だった。
そんな折、若宮のお后候補だった美女・真赭の薄(ますほのすすき)に縁談がもちあがり、、、
『すみのさくら』
南家の姫でありながら、両親が政権争いに敗れて殺されたため山烏として育った過去を持つ浜木綿の幼い頃の話。
『まつばちりて』
こちらは完全に独立した短編。
これまでの八咫烏の物語の登場人物ではない世界。女郎宿で生まれた男嫌いの娘は、やがて書にのめりこむ。男として宮中に上がる。ある日、「忍熊」(おしくま)と署名された美しい文字に出会う。
『ふゆきにおもう』
雪哉の出生にまつわる物語。北領・垂氷郷の郷長の下の息子二人が行方不明になる。
雪哉の母、冬木と、雪雉の母梓の過去が語られる。
最後の場面に既視感が。
あ、これアニメの一番最初の場面だっ!
『ゆきやのせみ』
(笑)だから蝉か!
若宮と澄尾が食い逃げで捕まってしまった。
二人を救出する雪哉。
珍しく、ちょっと砕けた印象の一話。笑ったけれども(笑)
『わらうひと』
澄尾の告白と、結と千早の喧嘩。
身分違いの恋♡
澄尾さん、かっこいい(*´∇`*)
短編だったのですが、結構面白かったです。
多分内容は直ぐに忘れてしまうけれど、その時楽しければまぁ短編も有りですね♪
毛嫌いせずに、たまには短編も読みますか (๑˃̵ᴗ˂̵)و
Posted by ブクログ
八咫烏シリーズの短編集。
いつもは主役にならない浜木綿や、雪哉の生みの親冬木と育ての親である梓の話など、どの話も面白かったです。
ほとんどが過去の話でしたが、最後の「わらうひと」は弥栄の烏の後の話でした。
Posted by ブクログ
「八咫烏シリーズ」外伝。
恋愛のお話が多かったです。
『まつばちりて』が良かったです。
「落女」となった松韻、女であることをなめられまいと強い態度をとるのですが、忍熊という男はことあるごとにつっかかってきて…。
松韻と忍熊の愛に胸を打たれます。
『ふゆきにおもう』も良かったです。雪哉はお母さん似ですね。梓に育てられたことは雪哉にとって幸運だったと思います。雪哉の母、冬木の性格を知っていたから、雪哉のことも理解できるのだと思いました。
Posted by ブクログ
短編、楽しく読みました。
弥栄の烏で雪哉が性格が変わってしまったのではないかと思うほど辛い思いをした話の後にこの外伝「ゆきやのせみ」の若宮と雪哉のやり取りはホッとします。笑えました。
澄尾はかっこいいね。「わらうひと」でこんなにいい男だったのかと気持ち持っていかれました。
1番好きな話は「ふゆきにおもう」ですね。
Posted by ブクログ
八咫烏シリーズの7冊目だが、メインストーリーの裏側な巻。
登場人物たちのそれぞれの関係や、メインストーリーでは描かれなかった気持ちの部分が描かれている。
ストーリーの中では目立つことはない?彼らにも人生があること、を大事に描かれている巻だと思う。
人を好きになるって、思い通りにはいかないもの。
短編で綴られているそれぞれの章を読むと、やるせない思いもしたし、せつなく、悲しい気持ちにも。
浜木綿とますほの潔さはカッコイイですね。
澄男の恋はほろ苦いけれど、彼のまじめさと一途さを感じました。
前巻から一転して、穏やかに読める巻でした。
Posted by ブクログ
八咫烏シリーズの外伝1巻。
短編が6作収録されている。
本編のキリキリとした緊迫感ある情景とは違った、本編からこぼれ落ちた恋愛に関する短編たちー。
ますほの薄と澄尾の話が最初と最後にあって、ふたりの関係が印象に残ると思いきや、『まつばちりて』と『ふゆきにおもう』は別格だった。
どちらの主人公も、本編では誰?あ、そういえばそんな人いたなくらいの印象だったけれど、とても凛とした素敵な女性の生きざまに心がふるえた。
その重い話の後の『ゆきやのせみ』も最高だった。
雪哉の冴え渡るツッコミと、若宮のせいでやっぱりまあまあ酷い目に遭う雪哉の様子が可笑しくて、思いきり笑えた。
順番も練られた構成になっているので、外伝集としてよく出来ていると思う。
Posted by ブクログ
一部読み終わった後、この外伝読んだらなんかココロがほぐれる感じ。
若宮と雪哉のじゃれ合いみたいなやりとりで、なんかちょっと泣きそうな気分になった。
物語の世界がぶわっと広がるような短編集。
Posted by ブクログ
番外編として本筋の間に何があったかという作品集ですね。
これはねぇ、いろいろこじらせてるなぁと思いつつ読んでました。
平安時代もそんな感じだったのかなぁ。
Posted by ブクログ
今回は外伝…ということで気楽に読めました。
ほんのちょっとしか出てこなかったひとに
スポットライトが当たっていて
華々しくなくてもどんな人にも
その人なりの人生があるんだな
って、当たり前のことをしみじみと
思ってしまう1冊でした。
Posted by ブクログ
多くの登場人物を緻密に想定しながら
書かれている作品なのだなと感じた。
母や育ち、環境を知ることは
その人なりがいっそう浮かび上がり
物語にいい肉付けがされて楽しく読めた。
次、いってみよう!
Posted by ブクログ
再読
「ゆきやのせみ」は笑えました!笑
基本八咫烏シリーズって暗かったりお堅かったりするけど「ゆきやのせみ」は面白かったなあ…
クライマックスが特に最高。
最終話、「わらうひと」は、ますほのすすき様とすみおさんの関係が少し良くなっていく話。
このお話も好きだったな。最後の方、すみおさんの純粋な想いがますほ様に伝わっていくから今後が期待。
Posted by ブクログ
蛍が猿襲撃まで、白百合が追憶の烏まで、といったかんじ。
正直読まなくても差し障りはない。このシリーズが好きなら、作中のキャラクターをより知ることができるようになる、という番外編だと思う。
こちらの方が第1部の内容ということもあり、気持ち楽しく読めた。