あらすじ
夫・宏基と別居中の弓子は、アパートの隣人・楓と時々一緒に食事をする仲だ。別居後すぐに宏基は失踪したのだが、ある日義理の母から、故郷の島で宏基を見かけた人がいる、という話を聞かされる。執拗に言い寄ってくる社長がいやになり会社をやめた楓と、職探し中の弓子は、気分転換と休息を兼ねて島への旅に出ることにした。女二人の旅の行く末は――。
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Posted by ブクログ
主人公が36歳と40歳台ということで、自分の年齢より年上だったこともあり、内容の理解はできても少し入り込みにくいところはあった。
再婚した夫が、前妻の元にいる娘の支えになろうと奔走したり、遁走されてしまったり。はたまた、大好きだった男性と、別れの予感がしていたからとあっさり別れてしまったり。
人生経験豊富な女性2人が、「綺麗に生きる」物語ではなく「泥臭く生きる」ことを描いた物語だった。明るい希望というより、暗雲から差し込む光を感じるストーリー展開だった。読破にちょっぴり体力がいりました。
Posted by ブクログ
個人的にこの物語の重要な部分は、登場人物の弓子と楓がともに失業中であるということに感じる。普通なら、40前後で職がないとなると旅などしている余裕もないはずなのにこの2人は旅している。そこに私は励まされた。普通という言葉に、悩み苦しんできたからこそ。人と違うところに劣等感も感じなければ誇らしさも感じない。そこが凄くいいなと思った。
Posted by ブクログ
最後まで読み切って、タイトルそのものだなと感じた。
寂しいけれども
ひとりという響きが凛としていて好きだ。
それは20でも、30でもなく40代だからではないだろうか
交互に出てくる弓と楓の2人がお隣で住んでいる時よりも、島へ旅に出てからは、読んでいてしんどかった。何度も途中でやめようかなと思った。
おかしい、寺地はるなさんなのに
もう読みたくないとか思うなんて。
最後の最後まで旅の目的である夫に会えた辺りから
読み切って良かったと思った。
旅に出たからといって主人公の心境に何か大きな変化があったわけではないけれども
タイトルにも繋がる孤独について
そして、以下の表現が心に残った。
いくつになっても自分の欲しいものを獲得する権利があること、
他人が心から欲しいと思うものを価値がないと嗤ったり否定すまい
と弓子が誓うところ
主人公たちと同世代ゆえ
他にもあったけれども忘れてしまった。
これがもうおばさんなんだろうと思う
否定的な意味ではなく、ゆるやかな変化を受け入れたい
そんな時にこういう友人がいたらいいと思う