あらすじ
【電子版巻末にはカズキヨネ先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】
怨鬼のとり憑いた「神楽面」を取り逃がした美郷たち「広島県巴市役所特殊自然災害係」。
事件の起きた安芸鷹田の市役所や警察官などをはじめ、これまでにないレベルで「一般人」を巻き込み、事件解決へとむけて再始動するが、まさにその一般人である大学生の由紀子にも、怨鬼の魔の手は忍び寄って来ていて――。
「知らしめましょうぞ。ここに、怨みのあることを」
誰からも、自分からも知られることなく、それでも確かに在り続けた想いの化身に、
美郷と怜路、そして広瀬が真正面から向かい合う――!
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Posted by ブクログ
「普通」である自分が、「特別」な美郷の友人でいていいのか悩み続ける広瀬。一方、「普通」であることに感謝しつつも周囲の期待する「普通」が苦しい由紀子。怨鬼に付け入れられた由紀子に届くのは「普通」である悩みを共有した広瀬の声。「普通」の広瀬が由紀子を救い、同時に美郷の過去を救う。「普通」と「特別」、それから「自分」――悩むのは自分ひとりではなく、躓くことも間違うこともあってもいい……「自分」を生きていく背を慰撫し支えてもらえる一冊(二冊か?)でした。
前巻だけでなくそれ以前から、ずっと隣に寄り添い続けた怜路の存在に美郷が自覚的になり、また怜路も巴市で暮らす中で新たな人間関係ができてきたことに思いを馳せるようになり――寄る辺のなかったふたり、それから彼らと周囲とのこの先が、また気になるところです。