あらすじ
珠は窮地を救ってくれた男・銀市の店で健気に勤めている。
ある偶然から、珠は以前の勤め先の華族令嬢と再会。友人と呼べる初めての関係に戸惑いながらも、珠は令嬢を通じて少女の”普通の幸せ”を知っていく。銀市はそんな少女を優しく見守り、ときに助言し、彼女の成長に寄り添っていた。
しかし朗らかに見えた令嬢も、華族の娘ならではの哀しさと決意を抱えていた。友人として彼女を助けたいと願う珠に、銀市は――。
同時に、華族子弟にまつわる”人ならざる者”の事件の裏で、銀市の過去に関わる闇がうごめき……。
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Posted by ブクログ
銀市が穿狼と戦うシーンは、読んでいてとても迫力がありました。
終章の最後で、銀市の珠への想いが描かれていて少し切なくなりました。
珠と銀市が幸せになれるといいな。
Posted by ブクログ
「普通の幸せ」とは何ぞや。
元生贄だった珠には「普通」もそもそも「幸せ」もよく分からない。
まあ今もあやかしまみれの生活で、全然普通の生活はしていないのだけれども。
珠にやっとあやかしにも理解が深いお友達もできて「普通の幸せ」やら趣味やらを考える余裕が出てきたところで、そのお友達を巻き込む騒動に。
そこで珠はお友達に頼ってもらえない寂しさと、それでも救いたいと強く願えるようになった。
感情の起伏をどこかに置き忘れてきたような子が、ちゃんと望めるようになったし、泣けるようにもなった。
銀市ではないけれど、それはとても喜ばしいことだと思う。
だから銀市もつい甘やかしたくなるのだろう。
……今のところ、いい保護者だもの、彼。
まだ珠に色恋沙汰に目を向けるまでの余裕はないし。
でも、そのお友達の恋の応援が図らずも異種間の恋愛も上手くいくかもしれないという展開になっており、これはやはり銀市とのそういうフラグになっていると期待したいところ。
彼女のお相手は今回なかなかのキーパーソンになっているので、ちょっとドジ踏んでも温かい目で見てやってほしい。
本当にうまくいって、是非主役二人の先輩になっていただきたい。
前作でお気に入りといった櫛の彼女は今回も健在。
前ほどの活躍ぶりはないけれども、彼女も珠を見守ってくれているありがたい保護者。
皆に見守られながら、お友達も見つけて、趣味も見つけた。
まだ彼女にとっての「幸せ」は具体的には見つかっていないかもしれないけれど、少なくともその欠片は集めることができた。
その欠片集めを、彼女がもっと幸せになっていく姿を今後も見守ることができたなら本当に嬉しい。
という訳で、3巻も期待しております。
Posted by ブクログ
少女時代からの境遇のせいで感情の薄いヒロイン。今回は昔勤めてた屋敷の令嬢と再会。交流を深めていくうちに、彼女の想いを知り銀市への想いを深めていくのが印象的だった。
お嬢様でも芸者の娘に生まれても大正女性は大変だな…と切なくなったけど、最後に冴子さんが幸せになって良かったと思った。