あらすじ
混迷の深まる現代に、何らかの指針を求めつつ、現実世界をひたむきに生きる人々にとって、文学は「即興性のない教養」として魅力的、かつ有用な存在ではなかろうか。「光文社古典新訳文庫」を立ち上げた駒井稔が、その道の専門家である翻訳者14人に初歩的なところから話を聞いた。肩の力を抜いて扉を開け、名翻訳者達の語りを聞くうちに、しだいに奥深くまで分け入っていく……。紀伊國屋書店新宿本店の大人気イベントの書籍化。
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『ソクラテスの弁明』
日本では知らないことを知っているという「無知の知」が非常に有名だが、実はそのような記述は1行もなく、本来は「私は知らないので、知らないと思っている」という趣旨。納富氏は「不知の自覚」と呼んでいる。
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2006年9月に創刊された光文社古典新訳
文庫の初代編集長が、過去に出版した翻
訳者との対談などをまとめた本です。
対談の中では、その出版書のエピソード
はもとより、翻訳の対象となった著者を
研究することにより、従来の訳本とは違
った背景が浮かび上がってくることが知
ることができます。
原本の言語に忠実に訳してしまうと、日
本語では意味不明になってしまいます。
かと言って、あまりに簡略化して「意訳
」にしてしまうと、軽い印象を与えてし
まう「超訳」となります。
光文社古典新訳文庫はその中間を位置づ
けることにより、非常にヒットしている
と言います
亀山郁夫氏による「カラマーゾフの兄弟
」が代表ですね。
世界の文学の入り口を知るには最適の一
冊です。
Posted by ブクログ
光文社古典新訳文庫の翻訳者とのトークイベントを纏めた本書。正しい訳と絶妙な意訳の境界線を模索してお仕事されている翻訳者の方々のこぼれ話に興味津々。かなりボリュームがある本だが、興味深く読めた。個人的には英米文学以降の章から読みやすく、紹介されている古典への興味が増す内容だった。ソクラテスの無知の知について、ほとんどの日本人が意味を間違った解釈で多用しているという説明にびっくり。「私は知らないので、知らないと思っています」と繰り返しているだけで、「知らないということを知っています」とは一言も言っていないのだとか。