あらすじ
恋も愛も裏切りも、すべてが詰まっていた――。
井上荒野が昭和の歌謡曲をモチーフに書いた短編集。
病院で出会った男と女の行き場のない愛(「時の過ぎゆくままに」)、
カルト宗教の男を愛してしまった女の悲劇(「あなたならどうする」)、
冷酷非情に女を乗り換える男の理屈(「うそ」)。
他に「東京砂漠」「ジョニィへの伝言」など昭和歌謡曲の詞にインスパイアされ生まれた9つの物語。
解説・江國香織
※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
*恋も愛も裏切りも、すべてが詰まっていた――。井上荒野が昭和の歌謡曲をモチーフに書いた短編集。
病院で出会った男と女の行き場のない愛(「時の過ぎゆくままに」)、カルト宗教の男を愛してしまった女の悲劇(「あなたならどうする」)、冷酷非情に女を乗り換える男の理屈(「うそ」)。他に「東京砂漠」「ジョニィへの伝言」など昭和歌謡曲の詞にインスパイアされ生まれた9つの物語*
個人的には大好物系です!
ねっとりとした昏さと諦観さが根底に漂う、大人の男女ならではのお話たち。
だめだとわかっているのに、自分ではどうしようもない感情。
そして、それを冷静に眺めて、受け入れてもいるもう一人の自分…
その描写がとにかく巧いです。
希望の見えるラストでもないのに、読めば読むほど何かがじんわり染みてくるような、クセになる読後感です。
そして、このお話たちは、出来れば単行本で読むのがお勧め。
装丁が内容にぴったりで本当に素敵なのです。
一見華やかで楽し気なのに、よく見るとモノクロの中に哀しさを秘めた表情の女性たち…
本を閉じるたび、物語とリンクしてため息が出ます。