あらすじ
ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケットの知人で、工務店経営者ブッチの所有地から、2人の男の射殺体が発見された。殺害されたのは合衆国環境保護局の特別捜査官で、ブッチは同局から不可解かつ冷酷な仕打ちを受けていた。逃亡した容疑者ブッチと最後に会っていたジョーは、彼の捜索作戦に巻きこまれ……。大自然を舞台に展開される予測不可能な追跡劇の行方と、事件に隠された巧妙な陰謀とは。手に汗握り、一気読み間違いなしの大迫力冒険サスペンス! 全米ベストセラー作家が贈る大人気〈猟区管理官ジョー・ピケット〉シリーズ新作登場。
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Posted by ブクログ
いやー、面白かった。正直であろうとするジョー。薄汚いマクラナハンや異常者バティスタなど、多彩な人物が登場し、物語を盛り上げる。最後は悪魔の化身、ネイト! 素晴らしい! この存在感はどうだ! へなちょこ暗殺者(灰色男)を懲らしめてやってくれ、ネイト!
人間の邪悪さ、忍耐強さ、人を信じる強い心、親子の情愛、何度目頭が熱くなったことか。傑作です。
Posted by ブクログ
ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十二弾。
何かいかにも殺されそうな連邦の役人たちが出てきたなと思ったら、
あっという間に殺されてしまった。
次女の友達家族がその事件に巻き込まれる。
といっても、今回はジョーの家族が巻き込まれていないので、
落ち着いて読めた。
ファーカスは小狡くて全く持って「いい奴」ではないが、
こんなに何度も登場したせいか、
毎回ひどい目に遭うせいか、
ちょっと同情しても良い感じがして来た。
一方、元保安官が悪事を極めて、
とうとう死んでしまったのには、
このシリーズの一つの区切りを迎えた気がした。
山火事の中を逃した馬のトビーが無事で良かったし、
ジョーが急流下りを(ある意味)楽しめて良かった。
「オールドタウン」が出てきたのも。
最後にネイトが登場したのは個人的には嬉しかったが、
話の展開としてはどうだろう。
ネイトがいなくても、
ジョーだけで問題を解決できたような気がするのだが。
次回作への布石なのだろうが
ジョーは猟区管理官を辞めて、どうするのだろう。
Posted by ブクログ
全くノーマークだった、C・J・ボックスの「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズ。これまた、なんで今までアンテナに引っかかってこなかったのか不思議。俺のアンテナの感度ってまだまだ穴だらけやわぁと思う。
実に面白い。大自然の描写、官僚どもの小人物こすさぶり、田舎親父たちの骨太さ、主人公一家の家族愛…どれもこれもが実に読ませる書き方で、そういう細かい部分を丁寧に大切にしながら、物語の航路は時に大胆に舵取りする。
前半のジワジワくるストレス「あぁ、これアメリカカントリー版池井戸潤かなぁ」、と思いきや、タイトル曰くの発火点を迎えてからの疾走感。メリハリの利き方よ!
筋書き追うのにハンデにはならないけど、物語の過去がちょいちょい描写されるのが、たまらない。過去作絶対おいかけたい!2020年最終月になって、これからの読書に大きな柱をみつけてしまったようである。
Posted by ブクログ
猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズを読み始めて何年になるだろう?
子供たちも成長してシェリダンなんか大学生だよ。
ワイオミングの大自然の中で過ごす猟区管理官という職業をこよなく愛し、家族を大事にし、正義と誠実を貫く馬鹿正直な男。
いつもいつも貧乏籤と言うか災厄が身に降りかかってくる(小説だからね)
官僚組織を利用した陰湿な陰謀に翻弄され絶望の淵に立たされた家族、ブッチがブチ切れて連邦特別捜査官2名を殺害して逃走。
彼の所有地からは2人の男の射殺体が発見されていた。
そして単身山中に逃走、それを追う連邦捜査官と協力させられるジョー。
主人公や妻のメアリーベスが善良な一方、ヤな奴も結構な割合で出てくるのがお約束。
宿敵ともいえるマクナラハン元保安官、新局長、曲者ルーロン知事、さらにその上を行くパティスタ、部下のアンダーウッド。
最後は溜飲が下がる展開なんだが、最後の5ページでまたホロ苦い真相が出てくる。
個人的にはメアリーベスのビジネスの行方がどうなるかが気になる。
金欠家庭としては、まだまだ頑張らないといけないしね。
ジョーは、知事の口利きかなんかで、次作も猟区管理官になってるよ(たぶんね)
またはガイドかな。