あらすじ
悪いと思いながら少女は母を蹴る。性欲のまま早熟な体を安売りする。死病に冒された女は夫ではない男に身を任せ、夫は当てつけのように女を買う。貞淑な祖母は孫を見捨て、清らかなはずの女は「一番愛している」からと悦楽に溺れていく。口には出せないたくさんの秘密。それは他人の痛みに手を差し伸べる“桜井さん”の中にもあった。R-18文学賞読者賞作を含む、日常への裏切りに満ちた連作集。(解説・彩瀬まる)
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Posted by ブクログ
就活のために買ったけどそんなこと抜きでおもしろかった本。そういう本じゃないんだけど結構エッチな描写でてきておいおいまじかよってなった
表面で見るとよろしくないとされるであろうことをしてる人も出てくるんだけど、そういう人たちにも共感してしまうし各々の心情を慮ると勝手に切ないきもちになる
人って無意識に自分にも他人に対しても社会的に暗に示されている「正しさ」を求めてしまってるけど、でも色々な経験を積んで「ただしくない」=悪、ではないということに徐々に気づいていくものなんだなあ、と思った
主人公の桜井さんのかげがうすい。平凡な感じ。けれどそれがまた正しいと正しくないを我々に考えさせるいいきっかけになっているような気がする。
Posted by ブクログ
ただしくないひと、ばかりが出てきた。
でも「ただしいひと」なんて存在するのか。
そもそも「ただしい」ってなんだろう、誰のものさしではかっているんだろう…
自分が選んだことならば、それはその人にとってただしい。それで良いんじゃないかな。
Posted by ブクログ
本屋さんでちょっと気になり購入。「ただしくない」というのは、犯罪ではないけど「不道徳」というような意味かと思う。いわゆる「いけない関係」のいろいろが出てくる。潔癖症の人にとっては不愉快な話かもしれないが、人間というものの弱さを突いている気がしてなるほどと思った。弱い人間が、弱いながらも頑張って生きている姿に共感を覚えた。
Posted by ブクログ
短編集。学童に勉強を教えるボランティア活動で知り合った丸山さんと桜井さんとの関係に関する連作が表題だと思うが、嫁に嫌われて孫と会えずにいるおばあちゃんと若い男と付き合う「いくつになっても私には、」がよかった。おばあちゃんが若い男とラブホに行く場面にちょっと衝撃を受けた。
Posted by ブクログ
正しいひとなんでどこにもいない。
みんな程度はあれ正しく無い一面を持ってる。
人って簡単にはつかめない。
だから深く深く関わればいろんな一面が見えるよ。
自分の物差しだけで人を見たらいけないよね。
Posted by ブクログ
自分が切実に助けを求めている時に、確実に正しい人を選びなさいという問いは、高尚な拷問だと思う。
誰か友人がいたら、誰か大切な人がいたら、そうはならなかったのにというコメントには、正しく友人たる人、正しく恋人たる人が想定されている。
でも、ただしくない繋がりに救われている人は、きっと沢山いる。
欲を制御できない女子中学生を買うオジサンがいて、孫のような年齢の青年とホテルに赴くオバアサンがいる。
オジサンには病床につきながらも不倫しているオクサンがいて、オバアサンには孫のいる家に寄せ付けないムスコノヨメがいる。
全てが正しいものだけで繋がれている関係は、どこまで続いているのか。
そう言いながら、フィクションにおいては清廉潔白な世界もちゃんと好きな私だけど(笑)
中村文則とか読んでたら、しばらく立ち上がれないくらい、真っ暗になる私だけど。
この作品に漂う、呼吸のしにくさは、いやではないなと思った。