あらすじ
いま、学校の授業が実用化とディズニーランド化に向かっている。だが、きちんと知識を吸収し、深い学習を促さなければ、AI時代には生き残れない! 学校教育のあり方に警鐘を鳴らす。
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Posted by ブクログ
「教育現場は困っている」というタイトルであるが、「筆者が教育現場に対して困っていること」がメインに書かれている印象を持った。筆者の意見は概ね賛同することができた。しかし、全てに賛同できるわけではなかった。筆者の意見の概要としては、「何でもかんでもグループワークだ、アクティブラーニングだ言っていないで、内向的に考えることを重要視するべきなんじゃないか」と言ったものであった気がする。現代の教育現場ではアクティブラーニングに重きが置かれていることは間違いない。そして、アクティブラーニングをしたからと言って深い学びになっているとは限らないということも十分理解できる。しかし、本書の中でも述べられていたように、アクティブラーニングは、そもそもは学力の低い生徒を救うために考案された授業形態な訳である。つまり、アクティブラーニングは、学力が低く、勉強・授業に対するモチベーションが低い生徒には有効な授業形態であると考えられる。筆者の主張にも一理あるとは思うが、やはり学力の低い生徒にはグループワークやアクティブラーニングを駆使して、授業に参加させるきっかけを作ることが重要なのではないかと思う。学力が低い生徒に対するアプローチとしてああb、一概には言えないものの、まずはモチベーションを高めて授業に参加している感を出させるような授業形態にするのも一つの手なのではないかと思った。筆者の主張が当てはまるのは、ある程度学力の高い生徒であって、すべての生徒に当てはまることではないのではと思った。しかし、内向的な思考というものを促すような授業を展開していくことも考えなくてはならないことは間違い無いと思う。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章 「授業が楽しい」とは、どういうことか
第2章 「能動的に学ぶ」が誤解されている
第3章 学力低下にどう対処すべきか
第4章 楽しいことしかやりたくない!
第5章 学校の勉強は役に立つ
おわりに
<内容>
学校現場の教師の立場に立つ著者による、今の教師を勇気づける本。至極もっともなことが書いてある。「アクティブ・ラーニング」だ「学校の授業は役に立たない」、「主体的・協同的に学ぶ」だの、学習指導要領が変わるたびに、文科省は何かと押し付けてくる。前の提案が正しかったかの検証もなしにだ。「総合的学習」も「ゆとり教育」もしかり。まあ大体どれも一義的には正しいのだが、あたかも前回の提案はなかったかのように、新しいことを言ってくる。
この本では、それを指摘し、従来型の日本の学習スタイルで問題はないことを指摘している。むろん、どの教え方でも、無能な教員は一定数いる。そこを考えずに、短絡的な指導法を見つけてくるから、こうなるのだ。現在の日本は本当に教育の危機だと思う。この本は、そうした中、正統的に頑張っている教員を勇気づけるものだろう。