あらすじ
キスクでの激動を経てファルサスに帰還し、子供用の言語教材を作成する仕事についた雫。エリクと協力して引き続き日本帰還の手立てを探り続けていたが、その鍵となるはずの外部者の呪具、秘された歴史を記した本の一冊が予想外な場所から見つかることに。
一方、もう一冊の呪具を保持する邪悪な魔法士アヴィエラは、突如として大陸全土に向けて宣戦布告する。
「私の名はアヴィエラ。七番目の魔女。時代の終わりと始まりでお前を待っている」
決戦の地は、禁呪によって異界化した亡国ヘルギニス跡地。ファルサス王ラルス率いる連合軍が結成され、呪具の片割れを所持する雫も否応なく戦いに巻き込まれていく。
神話の時代に遡る言語の由来、子供達が言葉を失う流行病、この世界を観測する外部者の存在、そして現代日本からやってきた雫が言葉を解する意味。その全ての謎が一点に収束して明かされていく。長い長い旅の果てに、少女が知る真実とは――。
言葉と人間を巡るロードファンタジー、堂々完結。
感情タグBEST3
言葉をめぐる旅
凄かったです。
キャラクターも張り巡らされた伏線もストーリーも、全てが素晴らしい。めちゃくちゃハマりました。
異世界に迷いこんだ普通の女子大生雫と、彼女の保護者エリクの旅。
二人と一緒に異世界の言葉の謎に迫っていくのも楽しかったし、全ての謎が解き明かされるラストはハラハラドキドキさせられました。
面白かった~。
Posted by ブクログ
この4巻で、Babelは最終巻。
謎の題名のない本の謎と、雫が何故この世界に喚ばれてしまったのか、そして、何故言葉が通じるのか、その謎が解き明かされます。
しかし、いきなり第7番目の魔女が出てきたり、傭兵の皆さんが再登場したり、ちょっと展開が雑だなあと思いつつも、「言語」というものにここまで着目してストーリーを展開するのは、なかなか凄いなあ、と。
文庫版は2巻までだったということで、なるほど、ここまで来ないと何で「Babel」なのかはわかりませんね。言葉の話なのかな、くらいで。
ここで「unnamed memory」のお二人も再登場ですが、話の展開上致し方がないとはいえ、もうちょっと早く出てこられないものかなあ、とか(笑)
主人公が成長して変わっていく物語は、秀逸な作品が多いです。いやあ、面白かった。
★★★★☆
Posted by ブクログ
面白かった。こういう、きっちり着地するラノベというかファンタジーは良いねぇ。4冊ぐらいというのもいい長さ。Unnamed memoryのずっと後の物語。とうとう、雫がなんなのかはっきりとわかってスッキリする。そして、悪者らしい悪者が居ないのも優しい設定。最後のバトルはそれなりに盛り上がり、そしてラストがやっぱりな、という感じ。言語学やら言語発生学とかそこらへん、学生の頃にあんましちゃんと勉強してなかったが、また新たに修学したくなるねぇ。こんな形で小説にいい感じにさらっと使われていると、大変刺さりますわ。
ラノベカテでなく、一般書籍で取り扱われると、もっと多くの人に読んでもらえそうな作品かと思うんだが、どうだろう。