あらすじ
めくるめく上質。芥川龍之介「羅生門」、村上春樹「ノルウェイの森」、シェイクスピア「ハムレット」、トールキン「ホビット」……。翻訳の世界を旅しよう! AIにはまねできない、深い深い思索の冒険。山本史郎(東京大学名誉教授)翻訳研究40年の集大成。
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Posted by ブクログ
異化翻訳と同化翻訳の違いや、「意味は言語に先行する」ということもあるというのを学びました。
ただ、そんなに面白い内容とは思えず、「当然そうですよね」というふうな確認作業をするような本でした。
翻訳「論」というよりは、文化的な知識や英語の知識は必要だとしても、もうほぼ感性の世界に近いような気がしました。
・面白かった点
英米の小説では三人称(「神の視点」)で書かれることが多い。それ故に、翻訳の際は認証の変化がなされることが多い(「同化翻訳」)。p73,ルース・レンデルの例が秀逸で、英米の小説らしく「神の視点」で書かれた翻訳には全く良さを感じず中学生が訳したのかと思えるほどだが、日本小説らしく一人称(妻リンダの視点)から翻訳すると、スッと入ってくる。