【感想・ネタバレ】近現代史からの警告のレビュー

あらすじ

激動の時代を生き抜くために、これだけは言っておきたい――。

私たちは、近現代史から何を学ぶべきか?
ノンフィクション作家・保阪正康による、歴史の大局観を養うための迫真の講義。

★緊急書下ろし「コロナと近代日本」を収録!

なぜ日本は「たった14年」で壊滅したのか?
高度経済成長が「戦争の失敗」を繰り返したのはなぜか?
明治日本はなぜ「帝国主義国家」以外の道を選べなかったのか?
戦前の日本が軍事学を軽視した背景とは?
「天皇がいるけれどいない」大正の5年間は私たちに何を教えるのか?
日本のファシズム体制を形成するプロセス「三段跳び理論」とは?
「コロナ危機」を前に歴史から学ぶべきこととは?

私たちが必ず知らなければならない「歴史の教訓」が、ここにある。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

昭和の恐慌とそれに対する無策が国民の青年将校の国家改造運動へ正当性を与え、軍ファシズムへとつながっていった

0
2023年01月29日

Posted by ブクログ

最近ときどき「関口宏のもう一度!近現代史」という番組を見ている。学校の授業ではおろそかになりがちな近現代史をじっくりたどってくれる番組なんだけど、解説役として出演している保阪さんの書いてる本を読んでみたいと思って読んでみた。
番組では関口宏の言うことを「そうですね、そうですね」と受けている好々爺って感じなんだけど、やっぱりそれは識者の余裕ともいうべきもので、この本のなかでは言うことちゃんと言っているというか、明治以降で日本は成功したようで実は迷走していたんじゃないかなとか、個人としての明治・大正・昭和・平成天皇の実像とか、やっぱり軍事をのさばらせちゃいかんなとか、いろんな示唆を与えてくれる。
大要としては「歴史から学べる」ということなんだと思う。よく言われることではあるけれどこの本を読んで思ったのは、歴史から学ぶとは、かつての失敗を振り返り分析することで、いま直面している課題を乗り越えられる策が導ける(ことが多い)ということ。 ところが、わりとかつての成功にすがるかのようになぞることで物事を進めてしまうことって、私にも、安倍君にも、日本の会社や社会にもよくある気がする。大切なのは、失敗したことにしろ、成功したことにせよ、確固たる思想……とまでいかなくても考えの軸をもって振り返りとらえ直すこと。
2020年のコロナ下で書かれたので、太平洋戦争の反省点を踏まえたコロナ克服の展望としてこんなことが挙がっている(p.227)。
①相手方(「敵」となるのだが)の実態をくまなく知る。
②対抗する手段(戦略、あるいは戦術)を考える。
③対抗しうる国力、戦備を持っているかを検討する。
④開戦を国民に納得させる。
⑤戦いの現状とその経過を正確に伝える。
⑥戦いの終結の目処を伝える。
いったん新型コロナウイルスの蔓延が落ち着いたような2021年11月のいま、上記6点を踏まえてこの2年ほどを振り返ると、どう考えたって「できてない!」って思っちゃうよね。特別なことをせずに過ごしてきたつもりの自分としてあえて客観的にいえば、日本政府も日本の多くの国民もあの頃と変わらず同じような轍を踏んだんだねと思う。
小見出しがふんだんについていて、細切れで読めそうだけど、これはたぶん編集者が勝手につけたんだろう。ひとつの話がぶつぶつ切られているような箇所が散見され、かえって読みにくい。ひとまとまり読み終えたつもりが読み終わってなかったみたいなことになる。だいたい、小見出し以降の文の冒頭が、小見出し以前に出ていたものの代名詞で「この○○は」「あの△△については」みたいになるってなしでしょ。

0
2021年11月20日

Posted by ブクログ

明治以降の出来事を様々な角度から分析し、現代に生きる我々が、今をどう考え、生きて行くかを考えさせる。

0
2021年01月10日

Posted by ブクログ

☆☆☆2020年9月☆☆☆



社会全体の倫理観が損なわれていることが恐ろしい。
「五・一五事件」でテロリストが礼賛されたことを指している。「動機が正しければ殺人も許される」という空気。それが毎年のように繰り返されるテロやクーデターにつながり、軍国主義が収まらなくなった原因の一つと考えられる。


僕は、「赤穂事件」が美化されているところにも
日本人の倫理観のおかしさを見る。
翻って現代はどうか? 「自粛警察」など、相互監視社会は続いているし、ちょっと変わった人を皆でたたいて「スッキリした」なんて番組もある。
弱いものいじめ、空気を読めない人の排除、それが日本社会に根付きつつないか?



歴史を学び、私たちはどのような心構えでいるべきか、それをもっと社会全体で共有しないといけない。

0
2020年09月13日

Posted by ブクログ

14年で世の中の雰囲気が大きく変わること、日本人は過去からも熱し易く、覚めやすい性格を持つことがわかった

0
2020年08月12日

Posted by ブクログ

日本のコロナ対策は近現代史から学んでいない、
と言いたいようだが、学べばどんな形になるのか、
良くわからなかった。

0
2021年02月27日

Posted by ブクログ

歴史とは所詮人間の意思や行動の積み重ね。法則が出来上がってくる。歴史は繰り返すとはこういうこと。前後の歴史学分野の考え方は答えありき。筆者は実証で検証すべきと。でも物理や数学と違って、歴史は語る人や登場人物それぞれに事実があって、どれも正しくどれも間違いなのだと思う。近代歴史が14年周期で展開するというのは面白い。前半は短期現役士官制度出身者や、戦中戦後の著名人を中心に話が進められるが、私は、彼らが凄かったのではないと思う。戦国時代ならいざ知らず、複雑な政治経済外交関係がある中、たまたまその時それができる位置に居た、という流れのもたらす結果だと思う。中盤は天皇制を主軸に戦争を、後半はファシズム、排外主義など、体制中心に描かれており、現在のコロナ騒動へ繋げている。天皇制の記述は予想外だったが、大正末期の空白の五年間の話は面白かった。天皇不在では正式な軍が動かせず=軍が天皇を利用できず、また共産主義や市民運動が生まれる。緊急事態宣言はある意味私たちの権利に踏み込んでいるのではないかと思っている。よって後半のファシズムへの懸念は同意するが、コロナ対応を戦争と表すのは断固反対。戦争は何があってもやってはならないと学んできた。学者ぽい文章なのでなかなか読みづらいかったが、はじめにの内容を意識しながら読むと、より身につくと思う。

0
2020年08月22日

「学術・語学」ランキング