あらすじ
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
すっっっごく好きだった。
視点がコロコロ変わるけど、それがまた、2人の似ているようで全然違う内面の対比が鮮やかになっていて、
でも本当はお互いに、好きで尊敬しているんだ
という部分もはっきり浮き彫りになり
この時期だからこその、
特有の不安定な中にある、親友の関係
誰よりも相手を求めながらも、
誰よりも相手に疑心暗鬼。
不気味に美しい。
そしてその不気味さが、死への興味への不気味さにも繋がっていく。
なんとなく暗くて、でもなぜか夏の爽やかさがこちらにまで伝わってきて、じっとりと湿度が高い。
最後、全ての人間関係が繋がっていって
最悪の形でひとつの環になるのが最高
面白い上になんとなくサクサク読めたのも良かった
Posted by ブクログ
久々に面白くて一気に読んでしまった作品
高校生くらいの思春期の時代って自他の境界がなくて、正直誰が喋っているのかわからずふわふわした理解で物語を読み進めてしまったけれど、あとがきを読んでアスタリスクの数でわかりやすくどっち視点なのか示されて居たとのことで納得、すごい
"因果応報"
がしっかり登場人物たちのなかで伏線回収されてて最後の最後まで目が離せなかったなあ
Posted by ブクログ
かなりのんびり読んだ
最後の最後で1つ残らず全部繋がってめちゃくちゃすごかったし、のんびり読んでたが故に読み終わったあとに最初の数ページを読み返した
この全部が繋がってしまう感じ、コミュニティが小さい田舎特有だな〜とも思った
自殺をしたのはてっきりユキか敦子のどちらかだと完全に思い込んで読んでたからかなり衝撃だった
Posted by ブクログ
視点がコロコロ変わるから、
誰視点なのか分かりづらかったけど、
後半になるにつれて慣れてきた。
*の数で区別されているのを読んだ後に知った。
内容は、
この先どうなるんだろうとわくわく
読み進めていくにつれて
こことここは繋がるんだろうな、
というところがどんどん繋がっていき
最後に全部が繋がるような伏線回収
気持ち良すぎた。
内容は自殺や死をテーマにしていて
ダークだけれど、
物語としては構成も上手いし、
読んでいて面白かったです。
Posted by ブクログ
2人の子供の入れ替わりや遺書のミスリードにはとても驚かされ、主人公たちの少し奇妙な心を描いた語り方には引き込まれました。
全ての登場人物が死を挟んで意外なところで繋がっていること、それらの伏線には感動しつつも、ご都合主義を感じてしまいました。
ミステリーとしての完成度はとても高かったですが、主人公2人の人間性のストーリーが省かれていると感じるところが多かったです。
匿名
面白かった
面白かったが、若干消化不良かなとも思った
本来の目的である「人が死ぬことを見て、死を悟ること」の回収が、刺されたところを見て「死はただただ消えるだけ」の淡いものだと再認識する…だけというのはちょっと薄いかも