【感想・ネタバレ】比類なきジーヴスのレビュー

あらすじ

ぐうたらでダメ男の若旦那バーティーと、とんち男の召使いジーヴス。
世界的に有名なこの名コンビと、オマヌケなビンゴやお節介屋のアガサ伯母さんたちが繰り広げる抱腹絶倒の人間喜劇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

偉大なる古き善き大英帝国の知性、P・G・ウッドハウスのジーブスもの。上皇后美智子様が、ご公務を離れた後に読みたい本として「ジーヴスも2、3冊、待機しています」と仰られたことでも有名。

のんべんだらりの生活をこよなく愛する、自他ともに認めるおバカの若主人バーティ・ウースターと、彼が生活の全てを依存する召使のジーヴス。この二人の掛け合いだけでも楽しいのに、いつも厄介ごとを持ち込んできてバーティの私物や金をさも当然のように巻き上げていく大学時代の友人、傍若無人な振る舞いでバーティを翻弄する従兄弟、問答無用でバーティを支配する伯母さんなどが絡むことで、話が一層面白くなる。時折、友人や従兄弟の理不尽さに腹が立つこともあるが、ジーヴスの活躍によって溜飲が下がることもしばしば。

このシリーズ、話の展開もそうだが、とにかく表現が秀逸で、思い出してはまた笑える。枚挙に暇がないが、いくつか挙げる。以下の表現を読んで、そのおかしさを少しでも感じられたなら、この作品を探して読むだけの努力をするべきだ。

(恋心を抱く女性が現れた場面で)「ビンゴはポプラの葉のようにぶるぶる震えた。それから男の子が現れると、奴はゼリーのようにふるふると風れた。…(中略)…奴の顔は紅潮し、白いカラーと風に吹きさらされて青くなった鼻とあいまって、他の何よりもフランスの国旗に似ていた」

(酷い仕打ちに怒り心頭の地主が)「老トレシッダー氏は-僕は彼を責めない-着席したまま、毎秒ごとに、膨張し、鮮やかな紫色に変色していった」

(錯乱して部屋に飛び込んできた友人の様子を)「実際、奴は何か固いもので太陽神経叢を強打されたような顔つきだった」

ただ単に「怒り心頭の地主は~」とか「奴は見たことが無いほど取り乱して~」などと書くより、よほどユーモラスで魅力的になる。こういう表現が満載の小説が、面白くないわけがない。

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2022年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

#国書40th 国書刊行会40周年フェア開催中の某本屋さんで一度ぱら読みした時はこのじわじわくる面白さが分からなかったが、ちゃんと腰を据えて最初から読んでいくと陽気で人のいい主人公バーティーとその完璧な執事ジーヴスの活躍にどんどん引き込まれていく。
(正確には執事ではないのだけど、訳者あとがきにある「(家僕、従僕という訳語が)いかにも軽々しい」という感覚はよく分からない。私は従僕の方が分かりやすいように思うけど)

二十世紀初頭のイギリス、もう電話はあり人々の移動には車が使われ、不労所得で暮らす富裕層がまだ存在し、しかしバルカン半島はきな臭くなってきた時代。気ままな独身者として日々遊び暮らすバーティーはたいていビンゴ(愛称。犬の名前っぽいけど人間)が持ち込んでくるやっかいごとに巻き込まれて/あるいは嬉々として飛び込み、のっぴきならない立場に追い込まれるものの、デウス・エクス・マキナのごとく全てを治める「比類なき」ジーヴスのおかげで命拾いをすることになる。

読んでも読んでも続きがあるシリーズなので、気楽に読んでしばらく楽しめそう。

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2012年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バーンズが面白いと言っていたら友達に勧められた。バーンズとはあまり似た雰囲気ではないけどなかなか面白かったです。

最初バートラム(貴族)を書いてある通りのどうしようもない馬鹿だと思って読んでいて、ついつい風采の上がらない道楽息子を思い浮かべてたんだけど、途中で間違いに気づいた。
馬鹿ってこれ、頭の出来ではなくてばか騒ぎとかの馬鹿だよね。
というわけで思考を切り替えて、まず顔は可愛い系のハンサムで、お洒落好きで優雅で執事には劣るものの教養と知性を身に付けた人物像にしてみたら急に面白くなった。いやはや、貴族だしね!
ちなみに恋多きビンゴ氏もセクシー系の美青年だと想定してます。たぶんそれで正解なのではないかと。

訳がちょっとお粗末な部分がありますが、何しろ昔の訳なのでそれも味かなーと思うことにします。みなが落ち着きを取り戻すシーンで「昏睡に陥った」とか言われるとぎょっとしますけどね。

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2014年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛すべき執事もの。
面白いけど一気に読む感じではなく、ふとした時に一話ずつ読みたい。一度に沢山読むと、お友達のオバカさんぶりにちょっとイラッとさせられちゃった。

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2014年06月22日

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