あらすじ
日本は絶対に戦争をしてはいけない。日本人ほど、戦争に向かない民族はいないのだから――。「ゼロ戦」と「グラマン」の徹底比較から見えてきた、私たちの致命的な欠点とは何か。ベストセラー『永遠の0』に秘めた、本当の想いとは。作家が「何としても戦争を回避しなければならない」という強い想いから真摯に綴った、圧倒的説得力の反戦論。
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Posted by ブクログ
とてもわかりやすく日本と戦争の位置付けを語った本です。
世界で唯一の被爆国日本。その中でたった二箇所の被爆地広島と長崎。
長崎に暮らす私は8月9日という原爆投下の日は必ず登校日で平和学習を受けてきました。少なくとも毎年、戦争の犠牲になった方のことに思いを馳せ、平和を祈るそんな少年時代でした。
進学のため、大阪に出た時にそんな登校日はないことを知った時はビックリしました。
ただ私が子供の頃に学んでいたことは戦争を始めた私たちが悪いという自虐史観によってなされていたことも本書を通して知ることができました。
外交のためにも、自分の国を自分たちで守るためにも憲法の改正は必要という認識になりました。
様々な考え方もあると思いますが、今後の日本を考える上で無関心ではいられないことを考えさせられる良書です。オススメ!
Posted by ブクログ
捕虜になるくらいなら死んだほうがマシだと考える日本軍の兵士たち。
遠方に出る際に、落下傘すら持たずに出撃する覚悟。
戻れないなら死を選ぶ勇ましさ。
それに引き換え、アメリカ軍は、パラシュートを積むのは当然。
水上に不時着することを考えて、救命用のゴムボートや救急セット、それから、海水を真水に変える装置まで積んでいたそうです。
いざとなったら生き延びるために、食用に魚を釣るため釣り竿まで用意されていたのですから、アメリカ兵士達は大事にされていたのですね。
まったく日本人の精神的強さには感服いたします。
Posted by ブクログ
「日本が平和であり続けるために何ができるのか」を考えるきっかけを与えてくれる本です。また、戦争から見てとれる日本人の性格、憲法改正の論点、百田尚樹さんが作家になったきっかけなどを知ることができ、大満足でした。本書を読むと、日本が戦後70年以上も平和であり続けたのは、運が良かっただけなのでは、という気さえしてきます。最悪な事態を想定すること、時代にあった柔軟な対応をすることが大切だなと感じました。
Posted by ブクログ
私も「君が代」を聞くと「軍靴の音が聞こえる」という人には耳鼻科、いや精神的な病を治す別の病院に行くことを勧めたい。若者には歴史を多角的に勉強して貰いたい。現実を直視することを切望する、という末尾の文が著者の意見に大賛成。
Posted by ブクログ
憲法の改正について考え方が変わりました。安倍総理をはじめ閣僚はもっと声を「大」にして言いたいのだろうけど、言っちゃうと外交上色んな国とこじれてしまうのだろうな~もっと国民に本当の事を知ってもらう良い方法はないのかな?
Posted by ブクログ
日本は戦争に向いていない民族、まさにその通りだと思う。だからこそ、平和憲法があるから平和が保たれてきたと呑気なことを言っていられるのだと思う。百田さんの主張は基本、いつもと同じ。その中でも、自身の著書「永遠の0」の場面を著者自身で解説しながら主張を進めていく部分が興味深い。自身の小説を、著者自らタネ明かしするのはどうかと思う向きもあると思うが、それを犠牲にしてでも言いたいことがあるのだろう。憲法についても、きちんと条文を記入した上で、わかりやすく主張を展開している。この人の著書の好きなところは、非常にわかりやすく、主張が明確なところ。賛否は別として、その部分が好きだ。
Posted by ブクログ
平和とは戦争を知らずに語れるものではない。そして戦争を知るとは実際に戦うことや空爆に遭うことではない。それをわからない自称論客が日本には多すぎる。今まで人類が様々な形で社会というものを構成してきて、平和を祈らなかった、平和でない状態を祈った時などない。しかしいつもそのような祈りは無残に打ち砕かれる。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ、というのは鉄血宰相ビスマルクの言だが、本書はまさしくこれが正しいことを訥々と語る。歴史的に「平和」とされたパクス・ロマーナやパクス・ブリタニカ、そしてパクス・アメリカーナはいずれも圧倒的な軍事力によって為されたもので、これが崩壊した後には例外なく戦火が広がった。三度あったことが四度目に起きないと言う論拠も示さずに、ただ祈っているだけのイデアリズム的平和主義者とは一線を画すリアリズム的平和主義が必要だと訴える名著。
Posted by ブクログ
日本にとっての戦争と平和です。おふざけはほとんどありません。大真面目な内容で私の好きな本になりました。
抑止力と集団的自衛権について、とてもわかりやすく書いてありました。
永遠の0に関して著者としての気持ちが書かれているところは泣けました。
第1章は長いですが、とても後半に効いてきます。大事なのでじっくり読んで後半を読むとより楽しめます。
「永遠の0」、「海賊とよばれた男」、「カエルの楽園」はもちろんですが、「大放言」や「ゼロ戦と日本刀」という渡部昇一さんとの対談本と合わせて読むと更にこの本を楽しむことが出来るのでオススメです。
この本の最後に百田尚樹の本ということで、フェルトゥナの瞳が紹介されてます。お話としてとても面白くラストまで一気に読める作品でこちらもオススメです。
Posted by ブクログ
読まなくてもいいかも。
「永遠の0」を通して、ゼロ戦とグラマンの戦闘から見える日本軍と米軍の違いに迫る。良く知られているようにゼロ戦は他を圧倒する攻撃力と、一たび被弾すればすぐに炎上する脆弱な防御力という長短が両極端の戦闘機だ。これを著者は日本刀に例える。それに比べて米軍のグラマンはというと、攻撃力も速度も旋回能力もゼロ戦とは比べ物にならないくらい劣る。ゼロ戦と遭遇したら戦わずに逃げろという指令が出ていた。グラマンがゼロ戦より優れているところはただ一つ。頑丈さ。とにかく何十発被弾しても墜落しないように、燃料タンク、操縦室の装甲は分厚くした。
日米の違いは機体のフォルムにもよく表れている。ゼロ戦は曲線が多い。対してグラマンは直線が多い。当たり前だが曲線を多用するほうが組み立てには熟練を要する。ゼロ戦は熟練工がいないと組み立てに苦労するが、グラマンは誰でも作れるということ。それはゼロ戦は大量生産が難しいが、グラマンは大量生産が容易ということでもある
操縦士に関しても日本は精鋭主義、対してアメリカは、誰でも操縦できるように簡素が基本。
この開戦当初の両国の哲学の違いが、後のガダルカナル戦線で、ゼロ戦の熟練パイロットを次々と死なせてしまう遠因となっているのだが、「永遠の0」を読んだ方には説明しなくても明らかだろう。
この本、「永遠の0」を簡単に要約したようなところがある。読まなくてもいいかも、というのはそういう意味。
新しい部分は、出版に至った動機、ベストセラーになった経緯、そして最も多いのは「永遠の0」を戦争礼賛だとか、右翼エンタメだとか言って非難してくる論評に対する反論。どこをどう読んだら戦争礼賛と取れるのだ、と怒っている。確かに。自分も読んだけど、戦争礼賛やら、特攻を美化してるだとか言う人たちに対しては、どう読んだらそうなるんだ、疑問に思った。
でもそうとる人たちがいることは不思議に思わない。(なんとなくそう受け取る人はいるだろうな、といったところで、深い意味はない)
最近の百田氏は作品より発言のほうで注目をされてしまっているから、百田氏本人のイメージを作品に投影してしまっている人も多いし。
たぶん、この本を読む人は永遠の0を肯定的にとらえている人だろうし、右翼的だと否定している人は読むわけないから、出版した意味はあまりないかもしれない。
Posted by ブクログ
憲法9条、護憲派、改憲派についてわかりやすく書かれている。また日本のメディアの事など、小ネタも盛り込まれていて良い本だった。戦争のことをここまでわかりやすく書いた本は無いのでないか。
Posted by ブクログ
目新しい事が書かれている訳ではなかったけど、とてもわかり易く書かれているので、いろんな方に読んでもらいたいなと思います。 日本人の中にも、いろんな考え方をする人がいるのは当たり前だし、それが健全な事だと思うけど、日本人なのに反日思想を持っている人が少なからずいる事が、本当に理解できない。
Posted by ブクログ
全体的に共感出来る内容だった。
色々な考え方があるけど、日本が幻想や前例主義に捕らわれ、変化を嫌う国というのは大半の国民が感じてる事ではないかと思う。
特にコロナ禍で顕著になったかと。
著者はリアリストで、そういった部分にかなり物申してる。
ただ言葉が強すぎて反感を買うのだと思う。
週刊誌や批判に対する弁解がかなり入ってたが、人を非難せずに表現して頂けるともう少し読みやすかったかも。
Posted by ブクログ
「永遠の0」も読んだし、8月だからこういうのも読んどかなきゃ。と思って読みました。
日本人がいかに戦争に向かない民族だったかという分析はなかなか興味深かった。歴史を省みて、日本の「いくさ」は敵方の大将の首をとれば「勝ち」。しかし人種・民族や宗教対立が続いたヨーロッパなどの歴史では、市民も含め、皆殺しにするのが当たり前。何を目的に戦争をするのか、そもそも感覚が違う。
ゼロ戦は背後からの攻撃にまったく無防備だった。できるだけ身軽に戦える戦闘機を開発して、「もし背後から狙われたらどうするのか?」ということは考えず、ちらっと考えたとしても「撃たれなければいい」ということにした。
その他、自衛隊をどうするか、憲法改正をどうするのか、多角的に考えるのに非常に参考になった。
百田氏の言っていることは本当にもっともなことで、戦後70年以上たっても一文字たりとも憲法が改正されず、誰がどう見ても自衛隊の存在と憲法に矛盾が存在する現在、改正議論が加速するのは当然だとは思うが、様々な意見を一つにまとめて憲法を改正するのは至難の業だと思う。
本書でも最後の方は、やっぱり反対派(護憲派)に対してけっこう挑発的な感じになっていて、それがまた面白おかしくもあるのだけど、こうやってけんか腰の議論になると結局はまとまらないんだよなぁ…と思ってしまう。
Posted by ブクログ
日本人の民族性から展開される反戦論。
平和ボケの日本人には必読と思います。
本書では、全3章からなっており、
第1章ではゼロ戦とグラマンの設計思想をベースに日本人の思考を明らかにし、さらに、戦争状況下の日本人の思想・行動から、日本人は戦争に向いていない民族という論旨を展開しています。
この考え方は今までなかったのでとても新鮮でした。
技術を突き詰めたゼロ戦に対して、大量生産が可能なグラマン。
職人気質で技術を研ぎ澄ます日本人に対して、合理主義なアメリカ。
攻めることばかりで守りを考えない日本人。
言霊信仰ゆえにリスクを考えない日本人に対して、対策、リスク管理がしっかりされているアメリカ。
責任が問われない高級士官。
戦闘状況にありながらも縦割りでありつづける官僚制度。
最悪の状態を想定しない日本人の性格。
などなど。
日本人が戦争に向いていない民族ということを様々な事例を基に語っています。
ここで指摘されている内容、民族性はまさに、現在の日本人そのものであり(当り前か)、戦争じゃなくてもビジネスの世界でも同じことが起きていると思います。
第二章では「永遠の0」にこめた思いが語られています。
これについては、なんら異論はありません。
「永遠の0」で語られるセリフが引用され、小説の世界観に引き込まれます。
第三章では自衛隊をテーマに、護憲派に対してのメッセージ、さらに、戦争抑止に必要なモノは何か?を強く伝えています。
そのための憲法はどうあるべきか。
我々もしっかり考えなければなりません。
ということで、戦争を回避するためにはどうすればよいか、とてもわかりやすく、伝えている内容となっています。
今まさに、必読の書です。
Posted by ブクログ
百田さんの本は様々読んだ。
同様のテーマを扱う本を複数読んでいれば内容に目新しさこそないものの、さすが、ちゃんと「オチ」がついてくすっと笑ってしまう。
日本の常識は世界の非常識。テレビでは決して語られない事実を知りたくなったら、手に取ってみるといいと思う。
Posted by ブクログ
至極まともなことを書いておられるが、その小説といっしょでわかりやすくエンターテインメントの匂いのする言動でコテンパンに護憲派を斬って捨てるので嫌われるのでしょうね。万人にわかるように、当たり前のことを凄く単純化して書かれているので、逆に誤解されるんだろうなと感じます。
記載されていることはほぼ既知のことでしたが、名古屋の三菱重工で作ったゼロ戦を一度分解して、牛に運ばせて各務原の飛行場まで運んでいたというのは知りませんでした。本当に唖然としました。
Posted by ブクログ
日本という国家がいかに戦争(特に侵略戦争)に向いていない国民性という事がよくわかる一冊。
永遠の0の副読本に近い。
我も改憲派なのだが、護憲派の頭の中の盲信的なお花畑状態は本当に心配になる。
ゲンジツを見た方イイヨ。
自衛戦争も出来ないクニ。
Posted by ブクログ
日本人ほど戦争に向いて居ない民族はない。
世界中のどれくらいの民族を比較してのことかも知らないけども、言いたいことはわかる。
向いてない。
てことは、外交にも向いてない。
気が滅入る。
技術を磨くことにナルシストで、鉾は作れても盾が作れない。おそらく、あらゆる場面を想定することが面倒なんだろう。途中でめんどくさくなるんじゃないか。
粘りがない。
そんな気がする。
こう決めたんだからら、それでいいやんて。
全体にいい本だと思った。百田さんにしては素直だ。
が、真ん中の、永遠の0への批判についての一章は余計だな。自分の本で論じる話ではないと思うよ。
永遠の0自体は、すごく好きだったけど。
Posted by ブクログ
3章仕立て。
第1章「ゼロ戦とグラマン」
・・・・日本とアメリカの兵器の特徴、兵器開発の理念の比較から、「負けるべくして負けた」という結論に導く内容。
また、それらの情報からの考察として、
「日本人は、戦争には向かない国民性を有する民族」という論法。
なるほど。まったくもって賛成できる。
たとえ話も適切だし、結果ももちろんしかり。
大賛成しながら読み進めた。
第2章「『永遠の〇』は戦争賛美小説か」
・・・・あの作品を“戦争賛美小説”と批判する声があちこちで上がっていたというのを聞いて、呆れた。護憲派も改憲派もなく、右も左もない“平和ボケした日本人”の一員でしかない自分が読んでも、あれを“戦争賛美小説”とは全く思わなかった。平和ぼけ人生を歩んできただけでは知らなかった戦争の悲惨さを知れて良かったと、心から思う。
・・・・ただし、作者の論法は、いささか過激でね。
自分のかわいい作品を擁護するためだけにこの本のこの章を書いたのではないか、という気がする。
(さんざんメディアで叩かれた件への反論の場がこの本、という感じかな)
批判された腹いせで、こちらもガツンガツンとかなり過激な論調で相手を責めている…と。
第3章「護憲派へ告ぐ」
・・・・作者の言いたいことは、よく分かる。いや、かなり分かる。
耳に心地よい理想論と、実際に外国から攻められた場合にどうするか、また、その可能性も〇ではない中でどう備えるか、の現実論。
理想論だけでは国は護れない。
ただ・・・第2章でもそうなのだけど、やはり発言がかなり過激でね。
こりゃぁ、敵も作るよなぁ…と思わざるをえない。
主張は正論だと思う。
ただ、こういう論調でぶつかれば、もちろん相手も反発しか抱かないしね・・・・。
せっかくの正論なので、相手を論破せんとする攻撃型の主張ではなく、理詰めで納得させる懐柔型の主張を張れはしないものだろうか・・・・。
★3つ、7ポイント。
2019.02.12.古。
(第1章のみであれば、★4つ9ポイント半をつけたい内容なのに、2・3章がね…残念)
Posted by ブクログ
2019年8冊目。
『永遠の0』は映画館で観たが、小説は読んでいない。
この本の第1章はとても興味深かった。ゼロ戦とグラマンの設計・構造の比較から、日本とアメリカの考え方の違いを浮かび上がらせたり、日本刀とゼロ戦の類似性が見出されていたり。
一方で、日本国憲法の条文と集団的自衛権の行使に関する内容は、授業で教えることと真逆をいくような内容だったので、戸惑った。
わたしたちは学習指導要領に則って授業を組み立てる必要があるから、それと異なる主張を目にすると、悩んでしまう。
そもそも、わたし自身が偏った考え方に縛られていたのか?などと。
いろいろな意見があって良いし、異なる視点こそ、学ぶ意義は大きい。急に見方が変わってくるし、目から鱗が落ちる感じ。
ちまちま違和感を覚えながらも、なるほどと納得する部分も多々あった。ただ、過激な言い方には気がひけてしまった。
Posted by ブクログ
日本人の特性、日本人の弱点から、反戦論を説く。「失敗の想定」をしない日本人。
誤解があるが、氏は戦争を好んでいたり煽っていないし、むしろ、悲惨な侵略戦争を行わずに、日本人が日本人として今後世界で生きていくためにどうすべきか、というメッセージを発し、平和ボケ、思考停止した日本人に警鐘を鳴らしてくれている。
言葉狩り、ではないが、少しの言葉遣いで反応してしまわず、最後までしっかり、氏の言いたいことをつかみながら読んでもらいたいと思う。
Posted by ブクログ
もっともなことをいっているなぁ、という部分も多いんだけど、相変わらず、「俺は正しい、同意しないやつじゃバカ」というスタイルと、他者攻撃をするあたりは鼻白む。