【感想・ネタバレ】美術展の不都合な真実(新潮新書)のレビュー

あらすじ

フェルメール、ゴッホ、モネ――屈指の名画が来日するのは、有数の芸術愛好国だから? 否、マスコミが主導し、大宣伝のなか開幕する「美術展ビジネス」が大金を生むからだ。「『〇〇美術館展』にたいした作品は来ない」「混雑ぶりは世界トップレベル」「チケット代の利益構造」「“頂点”に立つ国立美術館・博物館」等、新聞社の事業部で美術展を企画した著者が裏事情を解説。本当に観るべき展示を見極める目を養う必読ガイド。

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Posted by ブクログ

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新聞社やテレビ局などのマスコミに頼らざるを得ない日本の美術界。学芸員が「雑芸員」となっている現実。お金を出して日本美術展をやってもらうという国際交流基金による土下座外交の弊害。などなど。まさに美術展の裏側に潜む闇を覗くことができた。

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

連休中に優雅にクラシックを聴きながら芸術に触れてみるかと手に取ったが、本の題名の通り、美術展の不都合な事情というか、日本の常識は世界の非常識ということが分かり、かつ、自分も有名展示会は見に行っていたので、マスコミに踊らされていたのがよく分かった、という本。
美術館は確かに●●美術館展と称した、イベント的なものしか行っておらず、ビジネスパーソンとして、アートも知らないと恥ずかしいとか意識高い系を、無意識に気取っていた自分が恥ずかしい。常設展示などで質の良い近代美術にも触れないといけないかな、と反省したものの、尖った・現在に物議を醸す近代美術にあまり惹かれないことも改めて認識したので、ま、いっか、と自分で突っ込みました。
自分も見に行った、フェルメール展(2回ほど)、ツタンカーメン、カルティエ展、ブリューゲル展などが書かれていて、ちょっとだけうれしい感じでした。

気になった点
・新聞社やテレビ局がスポンサーになって、海外美術館からドンと供用料払って「●●美術館展」が定着したのはバーンズ・コレクションから。たまたまバーンズ・コレクションは門外不出だったが、インフラ工事のために貸し出されたということ。そもそもマスコミが借用料を払うこと自体が海外では異例で、良い作品を持っている美術館同士、無料で貸し借りを行っている。
・地方の美術館は、現在、入場者数が少なく苦戦しているとのことだが、いわゆるハコもの行政で、そもそも観客が行きたくてもアクセス悪いところに作った行政の責任は重大である。不便な場所で、最終入場が17時とか、お役所仕事的な運営では観客は増えるわけがない。
・東京国立近代美術館、国立新美術館は通常、文科省の天下り先。

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2021年04月30日

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