あらすじ
同居人の春希に、密かな想いを寄せていた康。けれど春希は、康の叔父・月彦への想いに未だに囚われていた。康は気分転換も兼ねて、春希を山の上のリゾートホテルへと旅行に誘う。ところがその道中で、なんとバスが事故を起こし、谷底に転落してしまった──!? 死んだと思った康だけど、なぜか乗客は一人も怪我をしていない。しかも、彼らの前に現れたのは、地図にはない古めかしいホテル。そこにはなんと乗客に縁のある死者たちが次々と現れて…!? 行きたいと強く願う者だけが辿り着ける「天国ホテル」。そこでは、亡くした愛する人に、もう一度会うことができる──大切な人と永遠の時を生きるのか、愛する人との現実に戻るのか。人々の死者への想いが創り上げた幻想のホテルで、彼らの愛が試される──!! ※本文イラスト収録あり
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私は、ホラーだと思う…
面白かったです。
春希は長い長い片想いを抱えたまま、相手の死を消化できずに拗らせていた。生と死の間の世界で再会することが叶ったけど、相手は死者なので一緒の未来を紡いでいくことはできない。執着しながらも、辛い時いつも一緒にいてくれた康への気持ちに気づき、生の世界へ戻ってくる。
康の優しさ、力強さ、暖かさ。ぐっと来ます。いい男です。
でもなかなか春希くん 素直にくっついてくれなくて、じれました。
響子さんの覚悟は痛々しかったな…
重いテーマと全体的に美しい情景。それだけに、不気味さも漂う作品でした。
Posted by ブクログ
抒情的な文章で、主人公春希の繊細な恋心や、康のまっすぐな愛情が交互に語られていく。
主人公たちの話だけではなく、バスで乗り合わせた人たちの話もあって物語として過不足もない。
BLというより良質なSFの佳作。まるで映画のよう。
素敵なお話でした。