あらすじ
死者を蘇らせる術で発展した亀珈王国。儒艮が塾を開くために買ったのは札付きの幽霊屋敷。引っ越し初日から怪奇現象が多発し、同居する金魚小僧をおびえさせていた。そんな折、瀕死の炎龍が飛来。王都を大混乱に陥れる。神をもたない亀珈王国にとって、炎龍は至高の存在だ。龍語を解するのは蘇った死者と生きた人間の間に生まれた界人だけ。そこで急遽儒艮が通訳官に指名される。彼はいまや大切な家族となった金魚小僧のため、ある目的を胸に役目を引き受けるが……。独特の世界が読む人を引きつけて放さない〈忘却城シリーズ〉第3巻。/解説=井辻朱美
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Posted by ブクログ
儒艮と金魚小僧のその後の物語。
平和に暮らしているのかと思えば、幽霊屋敷に引っ越して開塾するわ、炎龍の騒動に巻き込まれるわ、挙げ句の果てには命狙われたりと、相変わらず平穏無事とはほど遠い二人。
今回は、母子の愛、家族の在り方、親友との絆を主軸にして、金魚小僧の成長物語でもあったのだな、と思う。
こじれて縺れきった糸を、少しずつ解いていって、でも全部はほどけない。頑張る金魚ちゃんの回でした。
しかしな、金魚小僧が「儒艮はズレてる」ってことあるごとに言うけど、金魚ちゃんだって相当ズレてると思うよ…(笑)。
最後のあの場面であのセリフは……まあ、そこが、金魚小僧の金魚小僧たるところだし、儒艮ともウマが合うのだと思うけど。
今回、金魚小僧から儒艮への思いで締めくくられていて、ふと1巻の終わりを思い出した。あの時は儒艮が、金魚小僧の笑顔に安堵していたな、と。
どちらも互いを大事に思ってる。そういう絆の物語。
ということで、面白く読みました。
続きも待ってます。