あらすじ
原子力施設の事故はなぜ繰り返されるのか? 国の政策や原子力産業の問題を問い直し、安全性の考え方、これからの技術と人間のあり方を語る。生涯をかけて原発問題に取り組み、ガンで逝った市民科学者・高木仁三郎が、壮絶な闘病生活のなかで最後に残したメッセージ。
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Posted by ブクログ
原発事故を生む精神的土壌にまで踏み込んでいる
公共性とはなにか、アカウンタビリティーの本来の意味は何なのか、それをどう日本や日本人は履き違えているのか、ということに言及した哲学書だと思う。
Posted by ブクログ
JOCの臨界事故の後に出版されたこの本では
原発事故を引き起こす理由を明解にしてくれる。
著者は元原発の技術者だけに、
企業内部や現場での状況に詳しい。
そもそも原発はアメリカの技術をコピーしたものに過ぎず、
ブラックボックスも多いので企業内での
自発的な安全性の追求がむつかしく、またその気もない。
その予算規模や事故時の想定賠償額の大きさから
単独企業ではリスクが大きすぎ、国が主導した
寄り合い所帯となるので互いの、
あるいは設計と現場の間の意思の融通に欠ける…。
など、構造的に問題を抱えている。
政府、電力会社、メーカーの、誰も責任を取らなくていい
システムが、福島の惨状にまっすぐに繋がっている。
既に予言されていたことが、いとも簡単に起きてしまった。
残念である。