あらすじ
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
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Posted by ブクログ
本の厚みのおかげで、読み始めるのに勢いと覚悟が必
要でしたー。
でも最初から読み応えがあって、その厚みもいつの間
にか忘れてました。
久しぶりの真賀田博士は楽しそうだったのが印象的。
いくらでも話す機会は作れたと思うのに、あのような
形で犀川先生と二人きりで話したいと願うなど、凡人
のような人間らしさが微かに感じられて、少し彼女の
基準からは「遅い」としても、理解してくれる犀川先
生がいてくれて良かったと思った。
萌絵の事が気になってしまう終わり方だったけど…
あの最後のサプライズ!
すぐに最初の方を読み直してしまった。
メガネ曇ってたから?
世界情勢や政治に関するお話をするアメリカ人女性を
追っかけてポッドキャストや配信を聞いている。
時々話についていけないのは私の英語力が足りないの
かと思っていたが、同じアメリカ人でもそうだと知っ
た。彼女はものすごく頭が良いだけじゃなくて情報量
も多い。知り合いと話してても1、2の事柄を聞いて
10の結論に辿り着くので、その結論に辿り着いた過
程が意味不明で説明するようよく言われると言ってい
た。真賀田博士と犀川先生の会話を読んでいて、その
人の事を思い出した。
そして、私のような凡人がこの本のレビューを書くな
んて図々しいし、無理だとも思った。w
S&Mシリーズはこれで読み終えたので、次は四季を
読んでみようかな。
Posted by ブクログ
まさにs&mシリーズの最終巻に相応しいボリュームと内容。
劇場版s&mシリーズだった笑
真賀田博士再登場というここまでこのシリーズを読んで来た人なら絶対にワクワクする展開、、、
すべてがFになるを読み終えた時に感じた真賀田博士にしてやられた感が何ともスッキリした読後感。
また何処かで真賀田博士と犀川先生と西之園さんが相対して欲しいし、またその物語を読みたい。
Posted by ブクログ
この作品がすごいおもしろかった!って思えたわけじゃないのだけど、S&Mのペアが好きだったので、終わってしまったかあというのは残念
また他の作品も含め再読したい
Posted by ブクログ
10作目にしてこのミステリーの主題は密室など殺害方法のトリックにあるのではなくそれを通じて語られる哲学的思考にあるのだと思い至った。(肉体も脳もハードでしかあらず思考こそ本質で唯一自由)
つまりトリックの華麗さを期待して読み進めるべきではない。個人差あるけど全員共犯でした、は単なるミステリーのトリックとしてはかなり御法度な感。
四季先生、次会うときは死んでるとかいうくせに直後めちゃくちゃ生きてるし。
読み甲斐を感じるのはやはり四次元の概念(作中では連続する多面体だったけど個人的にはchが切り替わる空間だった)や、現象を単純化して理解伝達する過程、そしてそれが不要で複雑を複雑のまま理解する天才、統合されない人格、突き詰めるほどに二分化できなくなる現実とバーチャル、、といった思考。
有限と微小はラストの「有限の生と微小の死」より、「コンピューターも他の人間の頭脳も、さらに偉大なる頭脳の、有限かつ微小な細胞に過ぎない」のほうがしっくり。あと象徴するオブジェクトとしてちょこちょこ出てきたものの、パンってなんだったんだ結局。
ただ1作目が密室から一歩も出ないThe perfect insiderで、10作目が実は最初から密室には一度も存在しなかったThe perfect outsiderなのはかなり好き。
なんにせよ、読み終わってしまって今更ながらに喪失感。別シリーズ読むかなあ。
Posted by ブクログ
犀川&西之園シリーズの最終巻。VR空間で起きた密室殺人をテーマに、現実と虚構の不安定さを描いた哲学的ミステリ。第一巻『すべてがFになる』の首謀者だった天才・真賀田四季との再会でストーリーに鮮烈な印象を残し、堂々の完結である。
ミステリとして見ると本作のトリックは完全に反則だが、ここで描かれているのは事件の解決などではなく、「社会も躰も脳さえも本質ではなく装飾に過ぎない」「人間とはすなわち意志である」といった哲学なのだと思う。
Posted by ブクログ
s&mシリーズの10作目。
ナノクラフトの社長である塙理生哉に招待され長崎のユーロパークに行く萌絵達一行。そこで不可解殺人事件に巻き込まれてしまうという話。
s&mシリーズの完結作というのもあり分厚めで読み応えがあった。
今作は待望の真賀田四季の再登場でテンション上がった。タイトルもthe perfect insiderとthe perfect outsiderで対比になっている。四季が1作目では中から観ていて、今作では外から観ていたからかな。あとは今作は作中でも俯瞰で観るのが大事だと言われていたからoutsiderなのかなって思った。
実際に今回の事件は萌絵視点で観てると本当に不可能としか思えないような殺人でしっかり騙された。そこに真賀田四季が関わってるのもあってとんでもないトリックが使われてるんだろうという先入観もあってより気づけなかった。だから全てが最初から仕組まれた事だった分かった時はえ?ってなったし、スッキリ感もエグかった。萌絵ためにここまでするかって感じた。
それに最後の瀬戸千衣が真賀田四季だったのはマジかってなった。え?ってなって飲み込むまで時間がかかった。出てきた時は可愛いお隣さんだなぁくらいにしか思わなかったから真賀田四季の演技力すごいなって感じた。子供の扱いが上手いのとかなんかちょっと微笑ましい。やっぱ母親なんだなあ。
あとは今作は全10章で、1章の冒頭には1作目のセリフ、2章には2作目のセリフって感じでそれぞれの章に書かれてて粋だなって感じた。
シリーズの中でも面白い方だと思う。
s&mシリーズ面白かった。
Posted by ブクログ
森作品を読むときは天才を浴びるつもりで読んでいて、シリーズ最後となる本作は本当に見事なまでに容赦なく天才の会話が展開する。その意味で最後の種明かしも含めさすがなのだけれど、星ひとつ減らしたのは個人的には読み終わってけむにまかれたような感覚が落ち着いたら、真賀田博士がこれほどのことをした動機が犀川への恋心なのか?と訝しく思えてきた点。塙社長のことも考えるとますますそうなのではという気がしてくる。
もちろん、天才も理不尽な恋に落ちるというテーマ自体は面白いと思うけれど、この作品の中ではうまくハマって感じられなかったというか、もっとそこへ向けて話が収束するような描き方をされていれば腑に落ちたと思う。全体のトーンからは自分には動機の部分だけ急に俗っぽいものを取ってつけたような違和感が残った。私の読解力が足らないだけでそんな単純な話じゃないことを望む。
Posted by ブクログ
ああ……ついに読み終わってしまった…S&Mシリーズ…「すべてがFになる」を読み終えた瞬間、シリーズ読破しようと心に決めて最終巻の今作を読み終えるまで、本当にあっという間だった。特に、今作は私の人生でこんなに分厚い文庫本は初めてだというぐらいに分厚くて、読み終えるまでに時間がかかるなと思ったが今までのシリーズの中で1番早く読み終えたと思う。
ストーリーは、正直四季博士が絡んでること以外は「それってミステリーを根本から否定しているのでは…」というオチだった。まあそれも言ってしまえばトリックか…。(四季博士の四季シリーズも読むのが楽しみ)
もう犀川先生と萌絵ちゃんに会えないと思うと寂しくてしょうがないけど、他シリーズでまた会えると噂は聞いているのでそれを楽しみに、まだまだ森博嗣ワールドに浸っていたいと思います。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
しかし分厚い。文庫本で読んだけれど、これじゃ辞書だ。
すべてが〜を読んだ時にも思ったが、真賀田四季博士は天才とはいえまともな人格では無いみたいなのに、普通の人として潜伏できるものかなぁ?