【感想・ネタバレ】夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMERのレビュー

あらすじ

T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは? 『幻惑と死と使途』と同時期に起こった事件を描く。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった!
萌絵の親友のお話だったので、犀川先生不足に加え、いつもの萌絵らしさが欠けてましたが、それでも楽しめました。
犀川先生の登場が少なくて、四季のような登場人物もいないので、あとがきにあったように、文章にさらり感がありました。
と言っても、私は犀川先生のあの難しい話し方や話も好きなので、良し悪しではなく、単なる感想です。
あっという間に読み終えてしまいそうだったので、あえて休憩を取ったりしました。

素生のことは、もう少し詳しく知りたかったけど…
何はともあれ良かった。

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2023年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読です。
これは、偶数章しかない物語。
前作の「幻惑の死と使途」と同系列に起こっている事件。
萌絵の高校からの同級生、簑沢杜萌の話である。

彼女の家族、そして彼女が誘拐され、500万円というはした金が盗まれる。
はした金、と表現したのは、彼女の父親が政治家であるためだ。
しかも、3人いた犯人のうち2人が何者かによって射殺されてしまうという謎の事件。
そして、事件に関係あるのかないのか、目の見えない兄の素生がその事件の直後に姿を消していることに気がつく杜萌。
兄のことが大好きだった杜萌は、自身に降りかかった誘拐事件のことよりも、兄の行方が気になって仕方ない。
そして、今回も萌絵はこの事件に関ることになる。
親友として・・・。

初めの方に7つ年上の恋人には抵抗がある、と杜萌は零している。
これが、まずヒントになるでしょう。
杜萌も萌絵も恋に溺れるような人物ではなかった。
ではなかった、というのが人の解らないところ。
同じように好きな相手に溺れてしまっても、先を見誤ってしまったのは杜萌。
どんなに頭脳明晰でも、こればかりは自身でコントロールはできないのでしょう。
そして、彼女たちにとっての悲しい結末がやってくる。

杜萌は、萌絵との約束を破ったことはないし、萌絵の頼みごとを断ったこともない。
だから彼女は、親友を信じた。
結果は記されていないけれど、自首したと思いたい。
そして、自分が殺してしまったと思っていた兄が生きていた証拠を萌絵は杜萌に渡したはず。
それを彼女が受け取ることによって、杜萌は少しだけでも救われる気がする。

余談だが、犀川の妹。
儀同世津子に双子ができる。
10月終わりに出産予定と知らされ、犀川は少なからず動揺していた。
そして、そこに足しげく通っているお隣の奥さんである「瀬戸さん」は、四季である。
この人物の正体に犀川が気づくのは、もう少しあとのこと。

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2023年05月31日

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ネタバレ

杜萌と萌絵の関係性が素敵。杜萌と素生の話を聞いた時、萌絵が「あなたが悪いです」とはっきり言ったところでさらに萌絵が好きになった。

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2024年07月17日

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ネタバレ

『幻惑の死と使徒』と連続して読んだ。前作が奇数章しかなかったので、偶数章があるのだろうなと思っていたけれど、パート2や番外編などではないこういった作品の形はとても好きだと思った。
ミステリ好き、そしてシリーズのファンとしては、そろそろこのタイプの犯人(ストーリー)が出てくるだろうという予想があったので、犯人は何となく予想できたがそれでもやはり驚くものがあった。萌え絵や犀川先生目線の章が、これまでの作品より少ない分、少し読んでいても張りがなく、事件も中盤から最後の最後まで進展しないため、だらだらとした印象を受けるが、『夏のレプリカ』というタイトルも最後まで読んでからなるほどな、と納得したのでそこが1番楽しめた部分だった。

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2024年05月27日

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ネタバレ

幻惑の死と使徒の裏で動いていた事件のお話でした。萌絵ちゃんと杜萌のチェスのシーンが良かったですね。最後、殺されたはずの人物が登場しますが、??となりました。どなたかわかる人教えていただきたいです。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

理系に憧れる。難しい数式を滑らかに解く自分を恍惚と幻想しながら、読み進めるのが、楽しい。子どもの時に読んだハリーポッター、現在視聴中のNetflixのドラマ「クイーン・ギャンビット」に続き、本作でもまたチェスが登場した。これは流石やってみなければいけない。「メイト」と言ってみたい。でも勝ち越しの西野園萌絵がこれを最後に行っていた。だからもしかすると、負けることになる人が言うセリフなのかもしれない。

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2023年10月17日

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ネタバレ

読み終えてすぐの感想は切ない、、、だった。
トリックはなるほど!とはなったものの解決編を見ている時の心境はトリック云々よりも「マジか、、、」と心の中で呟きながら読んでいた。

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2023年08月26日

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ネタバレ

シリーズ唯一、主人公が犀川でも萌絵でもなく、萌絵の親友である杜萌。
そして、殺人犯(の一人)が杜萌だったという、叙述トリック的な?作品。

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2023年07月28日

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ネタバレ

「幻惑の死と使徒」の姉妹作なのかな、前作読んでなくても読めるけど前作読んだほうが楽しめると思う。
事件としてはS&Mシリーズの中では至って地味。
萌絵の親友の杜萌が強盗殺人事件に巻き込まれる。
事件の最中失踪する兄の存在。

チェスのシーンはかなり衝撃的だったし、
それまでのグダグダ恋愛話がなぜ必要だったかわかってゾッとした。恋はあの西之園萌絵もバカにしてしまう。そしてそれに例外はない。

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2023年07月11日

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ネタバレ

 N大工学部の犀川助教授と学生西之園萌絵のコンビが事件の謎を解く森博嗣のS&Mシリーズの7作目。萌絵の高校時代の友人杜萌は、夏休みに帰省した実家で誘拐事件に遭う。同時に実家にいたはずの兄も行方不明となってしまった。萌絵は友人の話を聞きながら、事件に興味を持ちいつもの行動力でどんどん関わっていくが・・・。
 ネタバレになるが、サイコホラーだった。読者に対してもずっと感情を隠していたのね。
今回犀川はほんとうに先生だった。萌絵にすぐ仮説を教えるのではなく、客観的に見るように伝えて、謎が解けた帰りの新幹線では萌絵に大人になったねと言う。今回は犀川先生のペースだったので、次は萌絵にペースを乱してほしいと思った。笑

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2023年06月30日

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ネタバレ

なんたって最後のチェスのシーンでの緊迫感
仮面のトリックとか途中は、まあ、という感じ
動機もイマイチ

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2025年07月30日

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ネタバレ

s&mシリーズの7作目。
有里匠幻の事件と同時期に起きた蓑沢杜萌の事件について描かれた話。
これまでの作品とはややテイストが異なる感じがした。他作品と比べると理系要素はかなり薄めだと感じた。
事件自体がおまけというか、あまり事件にフォーカスした内容ではないと思った。どちらかというと杜萌の過去だったり杜萌自身について描かれていた。
杜萌が殺していたというのは分からなかったけど部屋に入ったのが赤松ではない事や恐らく杜萌の彼氏が関わっているという事は分かりやすかったと思う。
萌絵がチェスを通して杜萌が殺人を犯した事に気づくシーンは悲しかった。親友の犯罪をこんな形で知ってしまうっていうのは辛かったと思う。
ただ素生が生きていたというのは杜萌にとっては救いになると思う。
この萌絵が杜萌の殺人に気づく→杜萌は自分が素生を殺した事に気づく→実は素生は生きていた、という流れは感情を揺さぶられた。
s&mシリーズの中でもスピンオフ的な立ち位置なのかな?
この後杜萌の話がまた出てきたらアツい。

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2025年04月23日

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ネタバレ

少し癖があり、慣れが必要だと思った。
偶々古本屋で手に取ったためなぜ偶数章のみなのか?と疑問に思ったけど奇数章だけの前編?がある事を知りなかなか面白い表現だなと思った。順番は逆だけど今度は奇数章を読みたい。

そこまで奇数章を意識して読まなかったが、それでも物語としてミステリとしてはとても楽しめたし、最後までモトキが犯人もしくは家族の誰かがグルだった(トモエ以外)だと思ってたが普通に騙された。
夢や少し犯行日のトモエがとった行動の不可解さ、大学にアカマツが現れ何もしなかった事等のヒントがあったのにも関わらずトモエを疑えなかった。トモエの記憶を信じ兄に対する思いを根拠に勝手に犯人候補から外してしまった。

記憶の見せ方や日常の行動からトモエを活動的で嘘偽りがなく男に対する目もキツいと勝手に読者に思い込ませ最後の最後でその認識を変える。とても面白い小説でした。


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2024年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

分からないけど分かってしまう。そんな感覚。

なんでこんな複雑な人間を描けるのか。

チェスのシーンは、杜萌が子供から大人へと変化してしまったこと示す印象的なシーンだった。
しかし、好きな人を手に入れたいと言う動機は、少女の時に抱いていた夢や純粋への憧れが感じられ、大人になることへの抗いが起こしてしまった事件なのだろうと思う。

変化しつつも純粋さを持つ萌が眩しく見える。

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2023年05月01日

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