あらすじ
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!? 人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。究極の森ミステリィ第2弾。
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Posted by ブクログ
S&Mシリーズの二作目。
1作目の「すべてがFになる」よりも、本作の方がトリックや動機が人間らしく想像しやすかった為読みやすかった。(前半の実験してるあたりは文系の私にはチンプンカンプンだったが)
市ノ瀬と増田が恋人関係であり、酒の席で丹羽が市ノ瀬を襲ったことを知った増田が失踪・自殺。
市ノ瀬の実の父である木熊教授に、丹羽が服部との婚約を報告。憤怒した市ノ瀬と木熊が犯行に及んだ。
実験等の専門的なシーンはチンプンカンプンだがそれでも文章としては読みやすい。S&Mシリーズを制覇してみたくなった。
Posted by ブクログ
S&Mシリーズ2作目。
今回もおもしろかった!!
密室で起こる事件、地下で見つかる死体…トリックだけでなく動機まで突き詰めてくれるのがスッキリして良かったです。
犀川先生の着眼点が鋭くて毎度ハッとさせられます。
前作「すべてがFになる」よりも分かりやすい感じがしました。
萌絵と犀川先生のなんともいけない関係も気になるし、3作目もたのしみだな~。
Posted by ブクログ
最初から疑いの目を向けなかった人物が犯人だった。アリバイがあると思い込んでいたのに、「そうくるか」という驚き。前提ごとひっくり返される逆転の発想が凄かった。
謎を解き明かす過程で「境界条件」など数学的な言葉。数学の問題を解くように推理が進んでいく論理性が面白い。
寒地を再現する大学の実験施設。西之園が現場で「冒険」するシーンは手に汗を握った。
犯人は天才だと思った。シャッターの誤算がなければほぼ完璧だった(詰めの甘さはあったにせよ)。最後まで読むことで動機が少しずつ明かされ、行動の意味がパズルのようにつながっていく。読後の「納得感」はそこから来ている。残ったのは怖さよりも、常人には到達できない頭の良さへの敬意に近いもの。
「学問とは虚しいもの」「数学は役に立たない。役に立つ必要ないだろう?」とか。散りばめられてる金言が好き。
3巻購入予定。コミカライズ版も気になってる。
Posted by ブクログ
殺人にいたった心理描写はほとんどなく、先に淡々とトリックが述べられていた。殺人に至る感情が大事だと思ってたけど、単なる補足でしかないのが面白いと感じた。
意図しない密室が面白かった。
Posted by ブクログ
犀川の勤める大学内の低温実験室で起きた殺人。前作は物理的な密室といえる状況で、今作は状況的な密室であったが、似た作品という感じはなかった。大学の研究室という舞台だけあり、院生、学部生、教授などを描くシーンも多く、懐かしい気持ちになった。たまに出てくる西之園の豪華な暮らしぶりも、いいアクセントとなっており面白い。
シリーズ2作目にして早くも犀川と西之園の間柄にも進展がありそうな感じだったので、そのあたりもシリーズの醍醐味として楽しんでいきたい。
Posted by ブクログ
数学は何の役に立つのか。
という問いに、
何故、役に立たなくちゃあいけないのか。
と聞き返す犀川先生のセリフが印象的でした。
以下抜粋。
役に立たないものの方が楽しい。
音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。
最も役に立たないという事が、数学が1番人間的で純粋な学問である証拠。人間だけが役に立たないことを考える。
そもそも僕たちは、何かの役に立っていますか?
言われてみればその通り。
将来的な可能性も含めて、何の役にも立たないと思われるものこそ、心を豊かにするものの1つになりうるかもしれない。逆に、何かの役に立つと思ってしまった時点で、純粋に楽しめないのかも。
数学嫌いな自分はそんなふうに考えた事がなかったので新鮮でした。
ストーリー自体は前作Fよりも派手さはないですが、逆に現実的な感じがして面白かったです。
理系とはかけ離れた場所にいる偏った自分の乱暴で素直な感想を述べる事が許されるならば、数字を日々追いかけてばかりいる頭の良い人たちも、凡人と変わらない事で悩んだりするのだと良いのか悪いのかよくわからない親近感さえ湧きました。
森博嗣さんのシリーズは、ただのミステリに終わらず、時々哲学的な事をポロッと交えてくるのが非常に面白かったです。
Posted by ブクログ
動機や仕掛けが開示されてから一通り事件同日のシーンを読み返して、矛盾がなくほとんどの事実がここに揃ってるのがすごいなあと思いました。
「学問なんて虚しい……」と語った市ノ瀬さんの真意を勝手に想像してしまう。なぜ虚しいんだろうか。学問の虚しさを知ることが学問の第一歩、の意味がわかるようなわからないような。
満点をとってもとっても先も果てもなくて、今ある満点は次の瞬間には満点ではなくなるかもしれない可能性、もしくは次の"満点"を探す性がそうなのかな。
『外部から傷つけられるようなものではない』かぁ。うーん……。
「数学はなんの役に立つのかって聞かれたらなんて答えますか?」に対する「なんで役に立たなきゃいけないのかって聞き返す」のくだりが一番印象的だった。(p399)
役に立たないもののほうが楽しい。たしかに娯楽って(もちろん後々役に立つことはあるけど)役に立つとか意味があるからとかそれが目的じゃなくて、楽しいからしてるなって思った。
「数学は純粋な学問」ってフェルマーの最終定理でも見た気がする。理の学問の道を行く人たちの共通認識なのかな。