あらすじ
同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!? 人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。究極の森ミステリィ第2弾。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
殺人にいたった心理描写はほとんどなく、先に淡々とトリックが述べられていた。殺人に至る感情が大事だと思ってたけど、単なる補足でしかないのが面白いと感じた。
意図しない密室が面白かった。
Posted by ブクログ
犀川の勤める大学内の低温実験室で起きた殺人。前作は物理的な密室といえる状況で、今作は状況的な密室であったが、似た作品という感じはなかった。大学の研究室という舞台だけあり、院生、学部生、教授などを描くシーンも多く、懐かしい気持ちになった。たまに出てくる西之園の豪華な暮らしぶりも、いいアクセントとなっており面白い。
シリーズ2作目にして早くも犀川と西之園の間柄にも進展がありそうな感じだったので、そのあたりもシリーズの醍醐味として楽しんでいきたい。
Posted by ブクログ
数学は何の役に立つのか。
という問いに、
何故、役に立たなくちゃあいけないのか。
と聞き返す犀川先生のセリフが印象的でした。
以下抜粋。
役に立たないものの方が楽しい。
音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。
最も役に立たないという事が、数学が1番人間的で純粋な学問である証拠。人間だけが役に立たないことを考える。
そもそも僕たちは、何かの役に立っていますか?
言われてみればその通り。
将来的な可能性も含めて、何の役にも立たないと思われるものこそ、心を豊かにするものの1つになりうるかもしれない。逆に、何かの役に立つと思ってしまった時点で、純粋に楽しめないのかも。
数学嫌いな自分はそんなふうに考えた事がなかったので新鮮でした。
ストーリー自体は前作Fよりも派手さはないですが、逆に現実的な感じがして面白かったです。
理系とはかけ離れた場所にいる偏った自分の乱暴で素直な感想を述べる事が許されるならば、数字を日々追いかけてばかりいる頭の良い人たちも、凡人と変わらない事で悩んだりするのだと良いのか悪いのかよくわからない親近感さえ湧きました。
森博嗣さんのシリーズは、ただのミステリに終わらず、時々哲学的な事をポロッと交えてくるのが非常に面白かったです。
Posted by ブクログ
非現実的な前作と打って変わって現実的な作品でしたね。
インパクトは前作ほど無いにしても非常に論理的で解決パートは読んでいてスッキリしました。
ただトリックは衝撃的ではなかったかなぁ、と言う印象です。
実験室や防護服の時点で入れ替わりトリックが使われるのかな、教授や助手が別室な辺り疑わしいですし打ち上げの会場の発案者が教授な辺りも怪しい…と言う感じで序盤から大枠は予想できてしまいました。
結婚発表のような細かいところは「あぁ…なるほど…その伏線だったのか…」と予想できなかった点も多々あるのですが…。
ただ幾つも気になる点があったので前作ほどでは無いかなぁ、と言う印象です。
気になる点です。
・物語の動きに必要とは言え研究室侵入の必要ある?叔父の権力的に捕まらないと思ってる?侵入せずに裏をかくなりして情報を入手して欲しかったです。
・権限周りが詳しく無いので現実的だと言われれば納得なのですが、一介の院生が管理者になれるんですか…?
・防寒スーツの中から着た人の毛や繊維など何かしらの情報は得られないのでしょうか?
・萌絵にあまりバディ感を感じないです…寧ろ足を引っ張っているような…
・てっきり温度がトリックに関わるかと読む前は思っていたのですが、そんな事は無かったですね
Posted by ブクログ
だいたい役に立たないものの方が楽しいじゃ無いか
音楽だって芸術だって
最も役に立たないということが数学が1番人間的で純粋な学問である証拠です
いいね
Posted by ブクログ
蓋を開けてみれば意外とシンプル…だけど、もちろん自力ではたどり着けなくて、最後に全てが一気に繋がっていくのが良かった。とても緻密で好き。理知的な人間が多いだけに、隠された人間関係と殺人にいたった感情の激しさが際立っていた。
Posted by ブクログ
動機や仕掛けが開示されてから一通り事件同日のシーンを読み返して、矛盾がなくほとんどの事実がここに揃ってるのがすごいなあと思いました。
「学問なんて虚しい……」と語った市ノ瀬さんの真意を勝手に想像してしまう。なぜ虚しいんだろうか。学問の虚しさを知ることが学問の第一歩、の意味がわかるようなわからないような。
満点をとってもとっても先も果てもなくて、今ある満点は次の瞬間には満点ではなくなるかもしれない可能性、もしくは次の"満点"を探す性がそうなのかな。
『外部から傷つけられるようなものではない』かぁ。うーん……。
「数学はなんの役に立つのかって聞かれたらなんて答えますか?」に対する「なんで役に立たなきゃいけないのかって聞き返す」のくだりが一番印象的だった。(p399)
役に立たないもののほうが楽しい。たしかに娯楽って(もちろん後々役に立つことはあるけど)役に立つとか意味があるからとかそれが目的じゃなくて、楽しいからしてるなって思った。
「数学は純粋な学問」ってフェルマーの最終定理でも見た気がする。理の学問の道を行く人たちの共通認識なのかな。