【感想・ネタバレ】我らがパラダイスのレビュー

あらすじ

突然終わりを告げる、平穏な日々。「貧者の逆転劇」の結末は――東京・広尾の高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の受付係・細川邦子(48歳)、看護師の田代朝子(54歳)、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)。それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する“格差”を前に、一世一代の勝負に出る!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ドラマを面白く観たが、最後がなんだかあいまいで、結局彼女たちは罪に問われたのか、世間体を気にした施設とのなんらかの駆け引きでうやむやにされたのか。
そして、みんなで一緒に住みましょうって、今流行りのシェアハウス解決をにおわせているのか・・・?
少し意味が分からなかったので、原作ならその辺のことを詳しく書いてあるのかと、読んでみることにした。

ドラマは、かなり原作に忠実に作られていたことが分かった。
違和感を感じる配役が一つも無かったせいか、こんなに目の前に映像の浮かんでくる読書も珍しかった。
しかし、さすがに原作の最後のエピソードは過激で放送できなかったらしい。
セレブの老人たちは、お遊びでやっていますね。
楽しかった・・・って。
まあ、老い先短い老人の最後の大暴れか。そう思うと笑って済まされるのかも。

しかし、朝子たちのした事はどうだろう?
邦子にだけは本当に同情するが。
認知症のあの父、あの家族、そして、あの兄嫁。
ふらふらと朝子のところへ来て「兄嫁を殺したい」と言った時の、堀内敬子さんの思い詰めた表情が忘れられません。
しかし、朝子はそんなにひどい思いをしていたわけではないように見える。
自分の母親にも良い思いさせてやりたい、という理由で正当な料金を払って入居した人と入れ替えるとは・・・
もちろん、思いもよらない発想で、とても面白い小説だ。
ドラマも原作も、ラストを曖昧にせざるを得なかったのは、彼女らがこの先どう裁かれるかを描いたら悲惨なことになってしまい、とても「リアルでブラックな介護コメディ」では終わらないからだろうなと思った。
だって犯罪でしょ。
朝子の母親と入れ替えられて、褥瘡つくって亡くなった人を思うと。
訴えられるでしょ?
格差社会に一矢報いたいって言うけど・・・
雲の上のお金持ちと自分を比べて文句ばかり言っていたら安らかに暮らせない。
それが私の持論です。

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2023年04月08日

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