【感想・ネタバレ】我らがパラダイスのレビュー

あらすじ

突然終わりを告げる、平穏な日々。「貧者の逆転劇」の結末は――東京・広尾の高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の受付係・細川邦子(48歳)、看護師の田代朝子(54歳)、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)。それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する“格差”を前に、一世一代の勝負に出る!

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Posted by ブクログ

それぞれ家庭の事情を抱え、親の介護に奮闘しながらも高級介護付きマンションで働く3人の女性。自分達との貧富格差を目の当たりにして、徐々に欲望が膨らみ、とんでもない行動に出ることに。
確かに社会通念とは外れる行動ではあるけれど、3人の女性の突き抜けた発想や結束力が好きで、読みながら応援してしまいました。
林真理子さんの本は痛快で誰も傷つけない優しさもあり、読後感も抜群に良いので好きです。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

BSのドラマが面白いが1週間待つのが面倒なので原作を先に読むことにした。金を持った老人だけが手厚く介護されそれ以外の老人たちはほとんど無視の今の日本、たかが数千円の子ども手当で本当に出生率が上がるとでも思っているのだろうか、さすが三流官庁と東大を何回も落ちた岸田のバカが考える事は間抜けだ、その前に良質な特養施設を十分作ることの方が先だろ、いまの状態だと子供を作っても不幸な未来が待つだけだ。最後は実力行使ということになったが、日本人はここ数十年怒ってこなかった、少しは怒って反乱起こしてもいいんじゃないかな。

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2023年02月12日

Posted by ブクログ

このタイトル、林真理子なら愉快な話なのだろうと思って買ってみたら、中身は目を覆いたくもなるような、「介護」のリアルな現実ばかり。職員の人たちの介護に苦労する姿が、何とも生々しい。独身が多いところとかも……。
いずれ来るだろう親の介護であるだとか、自分が介護を受ける立場になるときであるとか、何か色々と考えてしまった。物語の最後はハラハラドキドキからの、ちょっと笑っちゃう展開で安心。自分はいずれ「我らのパラダイス」を見つけられるのだろうか。できればやっぱり、ピンピンコロリしたい(笑)

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2020年04月11日

Posted by ブクログ

高齢化社会になり、誰もが経験するであろう親の介護問題。在宅での介護or施設入居、どちらを選ぶかで悩み、介護される側も介護する側も葛藤し、疲労する。
施設を選択する場合でも、介護度や費用などで幾つかの選択肢があり、頭を悩ます。
この小説は、そういった問題をベースに置き、加えて格差社会が介護の世界にも影響を及ぼしていることを痛烈に皮肉ったドラマとなっている。
重くなりがちなテーマを扱いながらも、コミカルなドタバタ劇にして、介護疲れを感じている読者に共感と癒しをもたらす意図で描かれた作品ともいえる。
舞台となるセブンスタータウンは高級高齢者のための介護付き居住施設だ。
住人は医者、大企業の役員、経営者、元芸能人、出版社編集長などハイソサエティで裕福な人ばかり。
その施設内の食堂ウエイトレス、受付で働く従業員、看護師の3人の女性が主役となるが、彼女たちはいずれも親の介護に関し深刻な問題を抱えている。
それぞれに事情があり、ほとんど一人で親の世話をし、限界状態にある3人と、対照的に最高級の暮らしをするセブンスターの住人。
3人は住人たちとの格差が我慢ならず、自分たちの親も何とかここに住まわせようと虚々実々の策略を始める。
策略は大胆さを増すが、思わぬ事態から破綻をきたす。だが、3人は諦めず、一部の理解ある住人も巻き込んで、とんでもない結末を招く。
介護の格差を世に知らしめるためには、非合法で明らかに犯罪と言える手段も辞さない展開は読み手にとってはドラマチックで痛快だが、少しやり過ぎ感があることも確かだ。
しかし、NHKでドラマ化もされており、もし、映画化されたらドタバタコミカル劇だと割りきって見たくなる気がする。
追記しておきたいのは、セブンスタータウンでは上の階が介護付き居住室となっており、体が不自由になったり、認知の傾向が出ると「上へ行く」というシステムになっていること。「上へ行く」ことは疎まれる人になるということを意味し、下の階の住民はそれを何より怖れる。学識や名誉があり気位が高い層ほど、要介護になることへの落差を強く感じるということもこの小説が伝える要素のひとつなのかもしれない

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

舞台は高級老人ホーム、そこで介護をする人々たちの生活はリッチでも何でもなく、認知症とか格差問題を前半思い切り共感して読んでいたら後半、ドタバタ!こんなことあり得ないだろ、でもあったらどうする?ハラハラドキドキして一気に読んじゃった。毎日新聞で掲載されていたそうで、映画化の話もあるそうだ。高齢化社会の日本、他人事ではない!
老人の格差ほど酷いものはないとの思いが込められている。
老人多いからそうなるのかも。こどもの格差のほうが根深いと個人的には思うんだけど、それは立場を変えて見ないとわからないのかもしれない。
超高級老人ホームがどんなにゴージャスなのか、初めて知りました。林さんにしかこれは書けない。林真理子さん、お母さんが大好きなんだなと妬む気持ちは一切なく、そこは素直に伝わりました。
後半はびっくりしたけど、一気に読めるのでいいと思います。誰にも読みやすいって大事です

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2024年02月19日

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各々の事情や心情に共感できること多かったし、面白かったけど、寝たきりの老人を自分の親と入れ替えた時に、結局自分さえ良ければそれでいいのだろうか、それは違うだろう!と思った。。

金が物を言うことは確かに沢山あると思うけど、例えばがんになった時、お金があるばかりにエビデンスの確立していない民間医療に頼って、それで治療が遅れ命を落としてしまったりすることもあるだろうなと思う。

最低限のお金はないと困るけど、沢山あるからといって幸せな老後を迎えられるかは分からない。。

物語は、面白かった!

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2023年08月02日

Posted by ブクログ

仕事柄とても身近な話だけど、家族にはなんで?と思うことが多かったのが少しだけ分かったかもしれない
真面目に働いてきた親の生活の場所について、人生の最後でこれでもかと格差を見せつけられるのは辛いなぁ…
中心人物達は50代 あと10年したら私も他人事ではいられないはず
トンでも展開ではあるけど、ハラハラドキドキ読まされてしまうのは林真理子さんさすが

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2023年04月27日

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ネタバレ

ドラマを面白く観たが、最後がなんだかあいまいで、結局彼女たちは罪に問われたのか、世間体を気にした施設とのなんらかの駆け引きでうやむやにされたのか。
そして、みんなで一緒に住みましょうって、今流行りのシェアハウス解決をにおわせているのか・・・?
少し意味が分からなかったので、原作ならその辺のことを詳しく書いてあるのかと、読んでみることにした。

ドラマは、かなり原作に忠実に作られていたことが分かった。
違和感を感じる配役が一つも無かったせいか、こんなに目の前に映像の浮かんでくる読書も珍しかった。
しかし、さすがに原作の最後のエピソードは過激で放送できなかったらしい。
セレブの老人たちは、お遊びでやっていますね。
楽しかった・・・って。
まあ、老い先短い老人の最後の大暴れか。そう思うと笑って済まされるのかも。

しかし、朝子たちのした事はどうだろう?
邦子にだけは本当に同情するが。
認知症のあの父、あの家族、そして、あの兄嫁。
ふらふらと朝子のところへ来て「兄嫁を殺したい」と言った時の、堀内敬子さんの思い詰めた表情が忘れられません。
しかし、朝子はそんなにひどい思いをしていたわけではないように見える。
自分の母親にも良い思いさせてやりたい、という理由で正当な料金を払って入居した人と入れ替えるとは・・・
もちろん、思いもよらない発想で、とても面白い小説だ。
ドラマも原作も、ラストを曖昧にせざるを得なかったのは、彼女らがこの先どう裁かれるかを描いたら悲惨なことになってしまい、とても「リアルでブラックな介護コメディ」では終わらないからだろうなと思った。
だって犯罪でしょ。
朝子の母親と入れ替えられて、褥瘡つくって亡くなった人を思うと。
訴えられるでしょ?
格差社会に一矢報いたいって言うけど・・・
雲の上のお金持ちと自分を比べて文句ばかり言っていたら安らかに暮らせない。
それが私の持論です。

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2023年04月08日

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長編だけど一気読み
荒唐無稽とも思える展開にドキドキしながらも各々の必死さは伝わってきた
ノンフィクションだけど、でもある意味、リアルなんだろうなぁ〜
私は正直長生きしたくないんだけど、人生の閉じ方ってなかなか自分では選べないのが難しいところ

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

現代社会のヒエラルキーが如実に現れる老後の生活をテーマにしたお話なのだ。
老後の生活は、結構シリアスな問題なのだが、林女史の手にかかると、これがコメディータッチで描かれるのである。
奇想天外、笑いながらも、やはり大きな問題である老後の生活の深刻さは外してはいないのだ。
私も70歳となり、世間では立派な爺さんと呼ばれるのだろうが、「老後」と言う言葉の意味が釈然としない。
「老いた後」、即ち「老後」ではない筈だ。
その昔は人生50年と言われたようだが、現代では人生100年の輩は五万といる。
60歳代は「老初」、70歳代は「老中」、80歳代以降を「老後」と読んで欲しいなと、私は勝手に思っているのだ。

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2022年07月08日

Posted by ブクログ

笑っちゃいました!そんなことできる?

タカビーなおば様たちが、夫婦連れだけには負けた感を漂わせるのが、せつなかったなー

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2021年10月03日

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介護しなくてはならない家族を抱えた高級老人ホームで働く3人の女性たち!それぞれが追い詰められていく中で、彼女たちは、その格差に立ち向かう
!その中でホームの人々との繋がり、老いたる親の最後の住処はどこに?
富める者にしか安らかな老後は過ごせないのか?
現代を写すリアルで笑える介護コメディ‼︎
自分の身にも起こりうるだけに、怖い話!

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2021年06月17日

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介護の暗鬱や労苦を誰にでもわかるように伝えるという点で、有名で実績のある小説家が題材に取り上げるのは歓迎。林真理子も、その訴求チャネルの太さから見て、いい仕事をしてるな、と思う。
小説としては・・多視点の語り手が段々と一つの事件に収れんしてくるという手法で、テーマの普遍性を伝えていると思う。ただ、現時点で高級施設に入るような年齢層に学生運動の闘士が・・とかいうのは林が自分世代目線で面白いとみて入れたのかしれないが、テーマに混線を招くような気がしてイマイチ。親介護の厳しい日常に押しつぶされそうな現役世代の共感を主にしたいのか、それとも金の苦労もせず充実した職業生活を送った世代が介護施設に押し込められ表面的には優雅でも現役世代に差別されるという老人のレジスタンスを言いたいのか、よくわからなくなってしまう。

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2020年04月21日

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介護のリアリティ、格差を実感するお話。コミカルで笑えるような、せつなくて泣けるような。他人事でないことはわかりました

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

思ったことをつらつらと。

介護は自分(次男)には関係の無いことだと思っていたが、施設の空き状況や経済支援など様々な要因を含めて、残された家族全員で支え合うものになってるのかなと思い、他人事では無いと感じた。

ある意味この本では、今の介護市況や問題などケースバイケースで伝えてくれる。

地元から都会へ逃げてきた自分にとっては、目線を兄弟と合わせることの重要性を学んだ。

一方、小説全体でテーマに挙がってるお金を持たざる者と持つ物の違いに関しては、富の再分配など理解し難いところが多かった。

また、話の内容が主人公の身の回りで起こる身近なトラブルを中心に展開されていて、新鮮味がなかった。何かえっ!そう来る!?みたいな、読者の裏切りを誘うような仕掛けが欲しかった。

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2023年04月13日

Posted by ブクログ

芸能人やお金持ちの住む、超高級老人ホームで働く人たちが中心になって動く話。
その働く人たちも介護する親などがいて、最初に読んだ夜に母から電話がかかってきた夢を見ました。
最初はリアル。そしてそこからどんどん話が大きくというか、面白く、まあ言うとありえない方向に展開します。

本当にこんなお金持ちの人たちが入る老人ホームは有るだろうから、こんな暮らしなのかな〜と思いながら読んでいました。

毎日新聞に連載されていた小説らしいです。
久しぶりの林真理子でした。

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

個人的に介護真っ只中なので、特に前半は共感しすぎて、「奇跡」とは別の意味で、休憩挟みながら。後書きの上野先生、深い。

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2022年07月31日

Posted by ブクログ

介護の現場、格差、家族の軋轢がよくかかれているな、と思うけど、最後のドタバタで無理やり感がでてしまった。
もうちょっと合法的に?痛快な結末だったらスッキリしたのにな、と思う。が、そんなウルトラCがないのが現実なんだろうな、、。親も含め、また自分のこともいろいろ準備しないと、と改めて感じました。

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

親の介護より女を優先する息子、舅の行動に我慢が出来ず家を出た兄嫁、自分で見る決意はしたものの、行き詰まり、家を出た兄嫁に恨みを抱く娘など、今回も癖のある登場人物が多かったです。

舞台は高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」

そこで働いている3人の女性達は裕福な施設の入居者を見つつ、自分の親との格差を感じ、あらぬ行動に出てしまいます。

精神的に追い詰められていた彼女たちに同情すべき点も多々ありましたが、いかんせん最後の最後の展開で急にドタバタ劇の様な雰囲気になってしまったのは残念でした。

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2021年05月20日

Posted by ブクログ

犯罪おかして居直る図々しさはあるがコメディとして面白かった
介護のエピソードはリアルで心構え程度に勉強になりました
(現実はもっとたいへんだろうという意味で)

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2021年03月05日

Posted by ブクログ

途中までは、読んでいて辛かった。
いずれ自分も親の介護をする事になり、この人たちのように辛い思いをするんだろうな、と。
想像すると悲しくて。
でも、後半はとんでもない流れになっていて、普段の自分の感覚なら「いや、あり得ないし」と思うところ、それが逆に良かった。
ずっと辛いままなら途中で読むのをやめてしまったかも。
いろいろ、考えてしまいます。

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2020年07月15日

Posted by ブクログ

超高級老人ホームに勤める中年の3人の女性たち。それぞれに自分の親の介護の問題に直面している。介護のリアルな現実、先行きの不安。自分の親や自分自身が老いた時のことを思うと身につまされる。主人公の女性たちは常識があり優しく強さもあるけど、それでも追い詰められる様子がなんともつらい。そこへきて超高級老人ホームに親を潜り込ませる作戦。ハラハラドキドキ、なかなか痛快。ただ最後にかけて物語の展開がやや暴走気味。色々と話を広げ過ぎて主題がなんなのかぼやけてしまった。考えさせられるところもあり、エンターテイメント性もあり、面白かったけど、ちょっと残念。

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2020年06月13日

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